身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

101B. 唇を通して、千尋ちゃんの呼気が、僕の肺に吹き込まれる。

その瞬間、体中が・・・いや、体の底が、がくんと重く感じた。まるで、この世界に重力によりきつく縛り付けられたかの様に。

「お兄様ぁああああああああ!!!」

千尋ちゃんから唇を離し、声の方向を振り向くと、ソルフィちゃんが、宙に浮いていた。いや、何らかの力で浮かされていた。まるで、僕らが感じている重力とは逆方向の重力が働いているかの様に。

ソルフィちゃんは、もがく、もがいて、僕の方へ向かおうとする。しかし、それは無駄の様で、ぐんぐんと僕らから離されていく。その離される速度も加速していき、僕が、何かソルフィちゃんに言いかける前に、もうソルフィちゃんは、目視出来ないぐらいまで高度を上げていた。

「・・・ソルフィちゃん・・・」

折角、僕を助けに来てくれたソルフィちゃん・・・、断るにしても、もっと、言いたい事が、言うべき事もあったと思う、しかし、もう終わった事なのだ。もう、ソルフィちゃんと会う機会はやって来ない。永遠に。

「お兄ちゃん・・・」

千尋ちゃんが僕の名を読んだので、振り向くと、勢い良くキスされた。

「千尋ちゃ・・・んむっ・・・」

最初、かすかに歯が当たって痛かったが、それでもお構いなしと言うように、僕の唇をしゃぶりつくす様に、激しいキスをされた。

「ん・・・・ん・・・ん~っ・・・んっ」

30秒はキスし続けただろうか、満足したかの様に、千尋ちゃんは、僕から唇を離す。

「・・・・・・・えっへへへ・・・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・・・・大好きだよ・・・、私を・・・私達を選んでくれて嬉しいよ、お兄ちゃん。・・・・・・これからもずっとずっとよろしくね、お兄ちゃん」

唇に手を当てながら、照れ恥ずかしそうに微笑む千尋ちゃん。

「ああ・・・こちらこそ、よろしくな、千尋ちゃん。ずっと・・・ずっと・・・んぐっ」

僕が千尋ちゃんに返事をし終える前に何者かに唇を奪われた。千歳ちゃんである。

「んぐっ!んんっ!!んぐっ~~~~~ふっふぅ!ぷはっ!!」

千尋ちゃんより、情熱的なキス、舌を入れられてしまった。あまりに情熱的過ぎて、呼吸困難になりつつ、千歳ちゃんのキスを受け入れ終える。

「・・・千尋さんだけ、良い思いさせませんよぉ~、私も、お兄さんの嫁ですからね、嫁っ!。これからも、末長~くよろしくお願いします!お兄さんもとい、旦那様!!」

千歳ちゃんは、僕を抱擁しながら、微笑んで言った。

「ああ、千歳ちゃん、これからもよろしくな。ずっと、ずっと一緒に居ような」

「はい!」

勢い良く返事して、さらに僕を抱きしめる力を強める千歳ちゃん。

「あ~っ・・・ずるーい。私も私も!」

千尋ちゃんも僕を抱きしめて来た。

2人に抱擁されて、苦しい。

「うあ~・・・・君達、さっきまで修羅場だったのに、もういつもの調子かあ!く、苦しいぞお~」

僕はそう、抗議しつつ、二人に身を任せる。

「へっへっへ、私の体でもっと苦しめちゃいますよお~、ほれほれ、ぎゅう~」

「むう!私も負けないもん!ぎゅう~」

暫く、二人にぎゅうぎゅう抱きしめられつつ、二人を抱きしめ返したりしていた。

「・・・・・・・・終わったな・・・・・・・・」

ふと、僕は呟く、そう、騒動は終わった。二人の謎も二人との問題も、そしてこれからの事も、全て、答えを出したのだ。

「・・・終わりましたね・・・」

「うん・・・大変だったね・・・」

3人で、抱きしめあいつつも、この今までの騒動の余韻をかみ締めていたのだった。

「身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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