身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。
103A 真っ白な光景が、少しづつ光度を落とした
目の前の光景は、石造りの・・・・・・天井・・・・・・。
「・・・・・・・・うん・・・・・・?・・・・・・ここは・・・・・・・?」
「・・・おはようございます、お兄様。お兄様を封印していた、塔の中ですわ」
僕の視界にソルフィちゃんの顔がひょっこりと現れた。
「・・・・・・おはようございます・・・・・・?・・・という事は、僕は目覚めたんだね?。あの封印・・・チヒロちゃんとチトセちゃんとの生活した日々から・・・」
目覚めると、急に、チヒロちゃんとチトセちゃんと過ごしていた日々が、凄く、夢だった様に、実感が沸かないものになって来た。
チヒロちゃんやチトセちゃんは、僕がこの世界で出会った騎士とエルフだ。人間の、僕の妹では無い・・・それが実感として感じてくる。・・・それが、無性に寂しく感じてきた。
「・・・そうですわ・・・。お兄様は封印から目覚めて、現実の世界に戻ったのですわ・・・」
ソルフィちゃんは、申し訳無さそうに、視線を落とした。
その様子に・・・僕は、二人を喪ったという実感と、そして、僕を助ける為とは言え、ソルフィちゃんが自分の行いを自虐しているのだろう様子に、ただ、やりきれない感情がぶわっと沸いてきた。
その感情を、どこかにぶつけたい、どこかに表現したい・・・。
そう思っていると、体は自然と、ソルフィちゃんの小柄の体を抱きしめていた。
「・・・あっ!・・・・・・・お兄様・・・・・・・!?」
ソルフィちゃんは驚いた声を発した。だが、
「・・・・・・・・・お兄様・・・・・・・・・・・・・」
どう、接しようか、悩んでいる様な・・・、僕を慰めるかの様な・・・そんな様子で、ソルフィちゃんも僕を抱きしめ返し、僕の背中をぽんぽんと撫でた。
「・・・・・・・ごめんなさい、お兄様、あの悪辣な人間の王の謀とは言え、お兄様の幸せな夢を壊してしまいました・・・。本当にごめんなさい・・・でも、ソルフィはお兄様に生きていて欲しかった・・・いえ、ソルフィ自身がお兄様と別れる事が許容出来ませんでしたの・・・。チヒロさんとチトセさんの想いを踏みにじって魂を消滅させても・・・・・・人間の王の悪い幸せな夢から覚ませて、現実に戻って戴きたかった。お二人の居ない現実に。・・・・・・だから、お約束しますわ・・・。お兄様を絶対に幸せにすると・・・・・・お二人の分、以上に、お兄様を幸せにしますわ・・・・・・・・絶対に・・・」
僕の背中を撫でる手を震わせながらソルフィちゃんは言う、その言葉一つ一つに、ソルフィちゃんの僕への愛情、二人への申し訳無さと、迷い、それぞれが混ざり合わさっていた。
そんなソルフィちゃんに、僕は抱きしめ返し、そして、顔を向き合わせて言う。
「・・・ソルフィちゃんは、何も悪く無いんだ。・・・チヒロちゃんとチトセちゃんが言っていた様に、もう二人は殺されていたのだし、あのままずっと眠り続けられていた保証も無いんだ。・・・・・・僕を助けてくれて有難う、ソルフィちゃん」
僕がそう言うと、ソルフィちゃんは、ハッとした様に顔を驚かせた後、少しずつ、破顔していき、そして、ぽろりぽろり涙を一粒二粒・・・ぽろぽろぽろぽろ、何粒も落涙させ
「お・・・・・お・・・・・お・・・・・・・お兄様ぁぁぁぁぁぁ・・・・!」
ソルフィちゃんは僕をぎゅうと抱きしめて、大泣きする。
その姿は百年以上生きている魔族とは思えないぐらい見かけ相応の泣き方だった。
暫くして、僕らは塔から脱出した。
そして、その足で、僕らを騙して、チトセちゃんとチヒロちゃんを殺したあの王の元へ行き、王を殺した。
そして、僕を封印した魔術師は半殺しし、次、妙な真似をしたら、一族郎党皆殺しにすると言い、この国の王子、つまり次期王には、王がやった仕打ちを言い、逆ギレの復讐をしてきたら、この王国全てを焼き払うと言った。
魔術師や王子は僕の言葉にこくこく頷くだけだった。
これで、チヒロちゃんとチトセちゃんの敵討ちは終わった。
世界も平和になり、敵も討てば、もう後は僕らの事だけだ。
もうこの世界の事に興味の無い僕らは暫く各地を転々し、そして、お互いの関係をハッキリする事にした。
つまり、夫と妻の関係である。
放浪の途中、辺鄙な場所にある、古い教会で、簡易的な結婚式を挙げた。
王を殺害した世界最強の戦闘力を持つ異世界人と世界を暗黒の闇に落とした魔王の娘の結婚など、祝福してくれる人はまったく期待して居なかったが、牧師の老夫婦は異端である僕らの事を祝福してくれた。
僕らはお礼を言い、僕らと関わり続けるとこの老夫婦はロクな目に合わされないだろうと、さっさと教会を後にした。
そして、僕らは、魔力で防護された僕や魔族であるソルフィちゃんには何とも無いが、人間は絶対に寄り付かない様な・・・邪悪な瘴気で汚染された場所で、家を建て、そして、二人で細々と暮らしている。
ソルフィちゃんは良く笑い、そして、僕に甘え、僕を愛情を持って接してくれた。ソルフィちゃんとの新婚生活は楽しかった。
だが、夫婦の営みはしなかった。
僕らは、もう夫婦だ。だから、夫婦らしい営みだってして良い。
でも、しなかった。
一緒に寝る時、ソルフィちゃんは僕を抱きしめて寝る。
それが、ソルフィちゃん的には落ち着くんだそうだ。僕の心臓の鼓動が鳴っているのを聞くと、とても安心できると。
たまにソルフィちゃんは、僕を抱きしめつつも、たまに夫婦の営みに誘導する様な事もする。
裸で抱き合って寝てみたりもする。
しかし、僕の顔を見ると、寂しそうな微笑みをして、誘導を止めて、ふわりと唇だけのキスをして、僕を抱きしめる。
ソルフィちゃん曰く、「お兄様は、まだ、ソルフィを抱く心構えが出来て居ないみたいですわ・・・顔を見れば分かります。・・・良いんです、お兄様の準備が出来るまでソルフィは待ちます・・・心は私に向いてくれているのは、分かりますので・・・」だそうだ。
僕は、そんな事を無いよと言い、ソルフィちゃんの誘導に答えようとするが「無理しなくて良いですわ・・・ソルフィはお兄様を傷つけたくないのですの。大丈夫です。ソルフィは常にお兄様のお傍に居るので、いつまでも待ちますわ」と答える。
実際、何となく気乗りはしない。確かに、ソルフィちゃんに裸で抱き疲れれば、僕もちゃんと劣情が沸き、体は反応する・・・、でも、違うのだ。
その違い・・・躊躇ってしまうのは、何故なのか?
それは、分かっている。僕の心が、まだ、二人共、チヒロちゃんとチトセちゃんと、お別れ出来ないからだ。
だから、ソルフィちゃんと一線を越える事に躊躇をしてしまうのだろう。
それを見破っているから、ソルフィちゃんも、僕に遠慮するのだ。
そんなソルフィちゃんに申し訳ない・・・申し訳なさを感じつつも・・・僕は、未だに、あの幸せな夢、千尋ちゃんや千歳ちゃんとの日々を忘れられずに居る。
最早現実味が無くなった、あの二人の妹達の日々を。
そんな、二人の事が脳裏にちらつく事も、いつかは無くなるだろう。僕が今抱きしめ、体温を感じているのは、僕の妻、ソルフィちゃんだ。
その今実際に抱きしめている暖かな体温に心地良さを感じつつ、そう言えば、二人と一緒に、あのアパートで寝た事もあったなと思い出す。
それを思い出してしまうと、喪失感に似た感情が喉のしたからふんわりと嫌な感触で湧き出す。
僕は、それをソルフィちゃんの体温で誤魔化そうと、ソルフィちゃんを強く抱きしめると、ソルフィちゃんは、僕を推し量る様に、優しく抱きしめ返してくれた。
Aルート完
「・・・・・・・・うん・・・・・・?・・・・・・ここは・・・・・・・?」
「・・・おはようございます、お兄様。お兄様を封印していた、塔の中ですわ」
僕の視界にソルフィちゃんの顔がひょっこりと現れた。
「・・・・・・おはようございます・・・・・・?・・・という事は、僕は目覚めたんだね?。あの封印・・・チヒロちゃんとチトセちゃんとの生活した日々から・・・」
目覚めると、急に、チヒロちゃんとチトセちゃんと過ごしていた日々が、凄く、夢だった様に、実感が沸かないものになって来た。
チヒロちゃんやチトセちゃんは、僕がこの世界で出会った騎士とエルフだ。人間の、僕の妹では無い・・・それが実感として感じてくる。・・・それが、無性に寂しく感じてきた。
「・・・そうですわ・・・。お兄様は封印から目覚めて、現実の世界に戻ったのですわ・・・」
ソルフィちゃんは、申し訳無さそうに、視線を落とした。
その様子に・・・僕は、二人を喪ったという実感と、そして、僕を助ける為とは言え、ソルフィちゃんが自分の行いを自虐しているのだろう様子に、ただ、やりきれない感情がぶわっと沸いてきた。
その感情を、どこかにぶつけたい、どこかに表現したい・・・。
そう思っていると、体は自然と、ソルフィちゃんの小柄の体を抱きしめていた。
「・・・あっ!・・・・・・・お兄様・・・・・・・!?」
ソルフィちゃんは驚いた声を発した。だが、
「・・・・・・・・・お兄様・・・・・・・・・・・・・」
どう、接しようか、悩んでいる様な・・・、僕を慰めるかの様な・・・そんな様子で、ソルフィちゃんも僕を抱きしめ返し、僕の背中をぽんぽんと撫でた。
「・・・・・・・ごめんなさい、お兄様、あの悪辣な人間の王の謀とは言え、お兄様の幸せな夢を壊してしまいました・・・。本当にごめんなさい・・・でも、ソルフィはお兄様に生きていて欲しかった・・・いえ、ソルフィ自身がお兄様と別れる事が許容出来ませんでしたの・・・。チヒロさんとチトセさんの想いを踏みにじって魂を消滅させても・・・・・・人間の王の悪い幸せな夢から覚ませて、現実に戻って戴きたかった。お二人の居ない現実に。・・・・・・だから、お約束しますわ・・・。お兄様を絶対に幸せにすると・・・・・・お二人の分、以上に、お兄様を幸せにしますわ・・・・・・・・絶対に・・・」
僕の背中を撫でる手を震わせながらソルフィちゃんは言う、その言葉一つ一つに、ソルフィちゃんの僕への愛情、二人への申し訳無さと、迷い、それぞれが混ざり合わさっていた。
そんなソルフィちゃんに、僕は抱きしめ返し、そして、顔を向き合わせて言う。
「・・・ソルフィちゃんは、何も悪く無いんだ。・・・チヒロちゃんとチトセちゃんが言っていた様に、もう二人は殺されていたのだし、あのままずっと眠り続けられていた保証も無いんだ。・・・・・・僕を助けてくれて有難う、ソルフィちゃん」
僕がそう言うと、ソルフィちゃんは、ハッとした様に顔を驚かせた後、少しずつ、破顔していき、そして、ぽろりぽろり涙を一粒二粒・・・ぽろぽろぽろぽろ、何粒も落涙させ
「お・・・・・お・・・・・お・・・・・・・お兄様ぁぁぁぁぁぁ・・・・!」
ソルフィちゃんは僕をぎゅうと抱きしめて、大泣きする。
その姿は百年以上生きている魔族とは思えないぐらい見かけ相応の泣き方だった。
暫くして、僕らは塔から脱出した。
そして、その足で、僕らを騙して、チトセちゃんとチヒロちゃんを殺したあの王の元へ行き、王を殺した。
そして、僕を封印した魔術師は半殺しし、次、妙な真似をしたら、一族郎党皆殺しにすると言い、この国の王子、つまり次期王には、王がやった仕打ちを言い、逆ギレの復讐をしてきたら、この王国全てを焼き払うと言った。
魔術師や王子は僕の言葉にこくこく頷くだけだった。
これで、チヒロちゃんとチトセちゃんの敵討ちは終わった。
世界も平和になり、敵も討てば、もう後は僕らの事だけだ。
もうこの世界の事に興味の無い僕らは暫く各地を転々し、そして、お互いの関係をハッキリする事にした。
つまり、夫と妻の関係である。
放浪の途中、辺鄙な場所にある、古い教会で、簡易的な結婚式を挙げた。
王を殺害した世界最強の戦闘力を持つ異世界人と世界を暗黒の闇に落とした魔王の娘の結婚など、祝福してくれる人はまったく期待して居なかったが、牧師の老夫婦は異端である僕らの事を祝福してくれた。
僕らはお礼を言い、僕らと関わり続けるとこの老夫婦はロクな目に合わされないだろうと、さっさと教会を後にした。
そして、僕らは、魔力で防護された僕や魔族であるソルフィちゃんには何とも無いが、人間は絶対に寄り付かない様な・・・邪悪な瘴気で汚染された場所で、家を建て、そして、二人で細々と暮らしている。
ソルフィちゃんは良く笑い、そして、僕に甘え、僕を愛情を持って接してくれた。ソルフィちゃんとの新婚生活は楽しかった。
だが、夫婦の営みはしなかった。
僕らは、もう夫婦だ。だから、夫婦らしい営みだってして良い。
でも、しなかった。
一緒に寝る時、ソルフィちゃんは僕を抱きしめて寝る。
それが、ソルフィちゃん的には落ち着くんだそうだ。僕の心臓の鼓動が鳴っているのを聞くと、とても安心できると。
たまにソルフィちゃんは、僕を抱きしめつつも、たまに夫婦の営みに誘導する様な事もする。
裸で抱き合って寝てみたりもする。
しかし、僕の顔を見ると、寂しそうな微笑みをして、誘導を止めて、ふわりと唇だけのキスをして、僕を抱きしめる。
ソルフィちゃん曰く、「お兄様は、まだ、ソルフィを抱く心構えが出来て居ないみたいですわ・・・顔を見れば分かります。・・・良いんです、お兄様の準備が出来るまでソルフィは待ちます・・・心は私に向いてくれているのは、分かりますので・・・」だそうだ。
僕は、そんな事を無いよと言い、ソルフィちゃんの誘導に答えようとするが「無理しなくて良いですわ・・・ソルフィはお兄様を傷つけたくないのですの。大丈夫です。ソルフィは常にお兄様のお傍に居るので、いつまでも待ちますわ」と答える。
実際、何となく気乗りはしない。確かに、ソルフィちゃんに裸で抱き疲れれば、僕もちゃんと劣情が沸き、体は反応する・・・、でも、違うのだ。
その違い・・・躊躇ってしまうのは、何故なのか?
それは、分かっている。僕の心が、まだ、二人共、チヒロちゃんとチトセちゃんと、お別れ出来ないからだ。
だから、ソルフィちゃんと一線を越える事に躊躇をしてしまうのだろう。
それを見破っているから、ソルフィちゃんも、僕に遠慮するのだ。
そんなソルフィちゃんに申し訳ない・・・申し訳なさを感じつつも・・・僕は、未だに、あの幸せな夢、千尋ちゃんや千歳ちゃんとの日々を忘れられずに居る。
最早現実味が無くなった、あの二人の妹達の日々を。
そんな、二人の事が脳裏にちらつく事も、いつかは無くなるだろう。僕が今抱きしめ、体温を感じているのは、僕の妻、ソルフィちゃんだ。
その今実際に抱きしめている暖かな体温に心地良さを感じつつ、そう言えば、二人と一緒に、あのアパートで寝た事もあったなと思い出す。
それを思い出してしまうと、喪失感に似た感情が喉のしたからふんわりと嫌な感触で湧き出す。
僕は、それをソルフィちゃんの体温で誤魔化そうと、ソルフィちゃんを強く抱きしめると、ソルフィちゃんは、僕を推し量る様に、優しく抱きしめ返してくれた。
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