身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。
99.「2人の人影と無数の人影が激突した。」
鳴り響く剣戟の音、吹き飛ぶゴーレムの破片、飛沫する3人の血。
人の力を超える3人の総力戦が、すぐそこで繰り広げられていた。
「死んで!お兄ちゃんから離れてよ!」
「私の夢の生活を邪魔させないですよ!」
「貴女達はお兄様を眠り続けさせる悪霊ですわ、消えなさい!」
3人は罵声を上げながら、戦う。
その戦況は、千尋ちゃんと千歳ちゃんが、じわじわとソルフィちゃんとゴーレム達を押していた。
「ま、待て!千尋ちゃん、千歳ちゃん、ソルフィちゃん、落ち着いて、話し合おう」
僕は、3人の前に出て、説得を試みる。説得をするには我ながら、陳腐な言葉しか出てこなかった。
「お兄さん!今行きます!」
千歳ちゃんが、僕に駆け寄り、キスをしようとした。
「がっ!!」
しかし、ゴーレムに顔面を殴られて殴り飛ばされてしまう。ごろごろと地面を回転する千歳ちゃん。
「お兄ちゃん、こっち来て、私達と一緒に、ずっと、一緒に、これまで通り、あのアパートの生活を続けようよ。私達、あんなに楽しく暮らしていたじゃない。私も楽しかった。だからさ・・・お願い」
千尋ちゃんはゴーレムと戦いながら、僕に懇願する。よく見ると、片足がひしゃげている。
「いけません!お兄様、もう2人は死んでいるのです。早く、ソルフィと共に、現界に還りましょう!おに・・・っ!!」
ソルフィちゃんが言い切る前に、千歳ちゃんがソルフィちゃんに斬りかかった。ソルフィちゃんの左腕は斬り飛ばされてしまうと共に、ゴーレムが千歳ちゃんの四方八方から現れて、ソルフィちゃんを庇う様に、千歳ちゃんを圧死させるかの様に覆いかぶさってきた。
千歳ちゃんは、ゴーレム達の大群に押しつぶされたかの様に見えたが、ゴーレムの山がみじん切りされたかの様に、飛び散った。
みじん切りされたゴーレムの大群から現れた千歳ちゃんは、右腕の先が無くなっていた。
「はぁ・・・はぁ、はぁ・・・、まだまだ・・・まだ、戦えますよ、私は・・・・。どうしたんです・・・?ゴーレムはもう出さないんですか?在庫切れですか?」
血塗れになっている千歳ちゃんが、挑発する様に、ソルフィちゃんを嘲笑った。
「・・・もう、ゴーレム無しでも十分ですの。・・・・・・私の手で、成仏させて差し上げますわ。」
苦悶の表情で笑い返すソルフィちゃん。
最早、3人は、己の力を使い果たしていた様だった、それでも3人の闘志の炎は消える事も無く、寧ろ勢いを増して燃え盛るばかりだった。
「待った!待ってくれ!!とにかく待つんだ!!。みんなの想いは分ったから、待ってくれ」
大声を出して、3人を一喝する。3人は僕を見る。
「千尋ちゃんの事も、千歳ちゃんの事も、ソルフィちゃんの事も分った・・・。僕が異世界から来た人間だってのも、この世界は僕の夢の世界だってのも・・・。」
僕は、この先の言葉を言い淀んだ。何故なら、この先に言うべき言葉が見つからなかったから・・・言うべき言葉が見つからないのは・・・僕が、どうしたいかも、まだ決めて居なかったから。千尋ちゃんと千歳ちゃんの想いに答えるのか、ソルフィちゃんの想いに答えるのか。とにかく、3人の争いは止めさせたかった。・・・・・・でも、どうしたいのか、どうするべきなのか、僕には検討がつかない。
3人は、僕を見ている。それは、答えを待っている目だ。早く答えが知りたい、切実な目だ。
だが、僕はそれでも、答えられない。ベースはアパートに居た頃の僕だが、もう大体、異世界の僕の記憶は何となく他人の記憶の様に思い出せてきている。だが、それを知ってもなお、どちらを選ぶかという判断基準にするには頼りないものだった。
僕はどうしたい?
千尋ちゃんと千歳ちゃんは可愛い妹分で、僕に愛を振りまいてくれて、そして、きっと将来的には伴侶になるんだろう。それは、僕もまんざらでもない。・・・・・・しかし、それは僕の夢の世界での話であって、2人の魂は僕の魂を封印する装置として存在している。それでも良いとも思う。2人がずっと僕と一緒に居てくれる。所詮、僕は何かしたい事も無く、特に愛を知る事も無く生きてきた人間だ。そんな僕を愛してくれる2人の想いには答えたい。
ソルフィちゃんは、夢の世界の僕をわざわざ追いかけてきてくれた。僕の体を安置する場所は警備が無い訳が無いだろう。危険を顧みずに来てくれていると思う。それは戦いで傷ついた様子でも分る。ソルフィちゃんも2人と同様に僕を愛してくれているのだろう。それに、僕が居なかったら、亡き魔王の娘で勇者一行だったソルフィちゃんは、安全に暮らしていけるのだろうか?王やその他の勢が狙わないはずがない。
「・・・なあ、ソルフィちゃん、この封印が解けたら、千歳ちゃんと千尋ちゃんの魂はどうなるんだ・・・?」
「・・・冥界に行くでしょう。私達が生きる現世とは違う場所に。」
「そうか・・・・・・じゃあさ、僕がこのまま、この夢の世界に居て、ソルフィちゃんが逢いたくなった時に逢いに来るというのは・・・」
ソルフィちゃんは首を振り
「・・・・・長く夢の世界に入り浸ると、お兄様の魂が、封印の魂、チヒロさんとチトセさんの魂に定着しきってしまいます。そう良い所取りはできませんの・・・今だって、もうあまり時間が残されていません・・・」
ソルフィちゃんは、首を落として言った。
・・・どうやら、もう決めないといけないらしい。・・・本当に決めないといけないらしい。自分がどこで生きるか、誰と生きるか、誰とお別れするか。・・・・・いきなり事実を突き出されて、ほとんど考える時間も、判断材料も乏しいのに決めないといけないらしい。・・・・・・本当に嫌なもんだ。何故、僕がこんな事を決めないといけないのだろうか?。千尋ちゃんや千歳ちゃんとは別れたくない。しかし、ソルフィちゃんを放っておきたくない・・・どうすれば良い?どうしたら・・・」
僕は頭をぐんぐん回して悩む。悩む時間は限られているので、その悩む時間を精一杯かみ締める様に。
・・・・・・・・・・・・決断しよう。・・・・・・・・・・・決断しなきゃ、駄目なんだ・・・・・・・・・・・。
僕は、3人を見回した。3人は未だに僕をじっと見ている。・・・・・・僕は、決断を、答えを、3人に言う事にした。
「・・・・・・・・・千尋ちゃん、千歳ちゃん、ソルフィちゃん、僕は・・・・・・・・・・・」
A、ソルフィちゃんと共に夢から醒める事にする。
B、千尋ちゃん、千歳ちゃんと共に、この夢の世界に留まる事にする。
人の力を超える3人の総力戦が、すぐそこで繰り広げられていた。
「死んで!お兄ちゃんから離れてよ!」
「私の夢の生活を邪魔させないですよ!」
「貴女達はお兄様を眠り続けさせる悪霊ですわ、消えなさい!」
3人は罵声を上げながら、戦う。
その戦況は、千尋ちゃんと千歳ちゃんが、じわじわとソルフィちゃんとゴーレム達を押していた。
「ま、待て!千尋ちゃん、千歳ちゃん、ソルフィちゃん、落ち着いて、話し合おう」
僕は、3人の前に出て、説得を試みる。説得をするには我ながら、陳腐な言葉しか出てこなかった。
「お兄さん!今行きます!」
千歳ちゃんが、僕に駆け寄り、キスをしようとした。
「がっ!!」
しかし、ゴーレムに顔面を殴られて殴り飛ばされてしまう。ごろごろと地面を回転する千歳ちゃん。
「お兄ちゃん、こっち来て、私達と一緒に、ずっと、一緒に、これまで通り、あのアパートの生活を続けようよ。私達、あんなに楽しく暮らしていたじゃない。私も楽しかった。だからさ・・・お願い」
千尋ちゃんはゴーレムと戦いながら、僕に懇願する。よく見ると、片足がひしゃげている。
「いけません!お兄様、もう2人は死んでいるのです。早く、ソルフィと共に、現界に還りましょう!おに・・・っ!!」
ソルフィちゃんが言い切る前に、千歳ちゃんがソルフィちゃんに斬りかかった。ソルフィちゃんの左腕は斬り飛ばされてしまうと共に、ゴーレムが千歳ちゃんの四方八方から現れて、ソルフィちゃんを庇う様に、千歳ちゃんを圧死させるかの様に覆いかぶさってきた。
千歳ちゃんは、ゴーレム達の大群に押しつぶされたかの様に見えたが、ゴーレムの山がみじん切りされたかの様に、飛び散った。
みじん切りされたゴーレムの大群から現れた千歳ちゃんは、右腕の先が無くなっていた。
「はぁ・・・はぁ、はぁ・・・、まだまだ・・・まだ、戦えますよ、私は・・・・。どうしたんです・・・?ゴーレムはもう出さないんですか?在庫切れですか?」
血塗れになっている千歳ちゃんが、挑発する様に、ソルフィちゃんを嘲笑った。
「・・・もう、ゴーレム無しでも十分ですの。・・・・・・私の手で、成仏させて差し上げますわ。」
苦悶の表情で笑い返すソルフィちゃん。
最早、3人は、己の力を使い果たしていた様だった、それでも3人の闘志の炎は消える事も無く、寧ろ勢いを増して燃え盛るばかりだった。
「待った!待ってくれ!!とにかく待つんだ!!。みんなの想いは分ったから、待ってくれ」
大声を出して、3人を一喝する。3人は僕を見る。
「千尋ちゃんの事も、千歳ちゃんの事も、ソルフィちゃんの事も分った・・・。僕が異世界から来た人間だってのも、この世界は僕の夢の世界だってのも・・・。」
僕は、この先の言葉を言い淀んだ。何故なら、この先に言うべき言葉が見つからなかったから・・・言うべき言葉が見つからないのは・・・僕が、どうしたいかも、まだ決めて居なかったから。千尋ちゃんと千歳ちゃんの想いに答えるのか、ソルフィちゃんの想いに答えるのか。とにかく、3人の争いは止めさせたかった。・・・・・・でも、どうしたいのか、どうするべきなのか、僕には検討がつかない。
3人は、僕を見ている。それは、答えを待っている目だ。早く答えが知りたい、切実な目だ。
だが、僕はそれでも、答えられない。ベースはアパートに居た頃の僕だが、もう大体、異世界の僕の記憶は何となく他人の記憶の様に思い出せてきている。だが、それを知ってもなお、どちらを選ぶかという判断基準にするには頼りないものだった。
僕はどうしたい?
千尋ちゃんと千歳ちゃんは可愛い妹分で、僕に愛を振りまいてくれて、そして、きっと将来的には伴侶になるんだろう。それは、僕もまんざらでもない。・・・・・・しかし、それは僕の夢の世界での話であって、2人の魂は僕の魂を封印する装置として存在している。それでも良いとも思う。2人がずっと僕と一緒に居てくれる。所詮、僕は何かしたい事も無く、特に愛を知る事も無く生きてきた人間だ。そんな僕を愛してくれる2人の想いには答えたい。
ソルフィちゃんは、夢の世界の僕をわざわざ追いかけてきてくれた。僕の体を安置する場所は警備が無い訳が無いだろう。危険を顧みずに来てくれていると思う。それは戦いで傷ついた様子でも分る。ソルフィちゃんも2人と同様に僕を愛してくれているのだろう。それに、僕が居なかったら、亡き魔王の娘で勇者一行だったソルフィちゃんは、安全に暮らしていけるのだろうか?王やその他の勢が狙わないはずがない。
「・・・なあ、ソルフィちゃん、この封印が解けたら、千歳ちゃんと千尋ちゃんの魂はどうなるんだ・・・?」
「・・・冥界に行くでしょう。私達が生きる現世とは違う場所に。」
「そうか・・・・・・じゃあさ、僕がこのまま、この夢の世界に居て、ソルフィちゃんが逢いたくなった時に逢いに来るというのは・・・」
ソルフィちゃんは首を振り
「・・・・・長く夢の世界に入り浸ると、お兄様の魂が、封印の魂、チヒロさんとチトセさんの魂に定着しきってしまいます。そう良い所取りはできませんの・・・今だって、もうあまり時間が残されていません・・・」
ソルフィちゃんは、首を落として言った。
・・・どうやら、もう決めないといけないらしい。・・・本当に決めないといけないらしい。自分がどこで生きるか、誰と生きるか、誰とお別れするか。・・・・・いきなり事実を突き出されて、ほとんど考える時間も、判断材料も乏しいのに決めないといけないらしい。・・・・・・本当に嫌なもんだ。何故、僕がこんな事を決めないといけないのだろうか?。千尋ちゃんや千歳ちゃんとは別れたくない。しかし、ソルフィちゃんを放っておきたくない・・・どうすれば良い?どうしたら・・・」
僕は頭をぐんぐん回して悩む。悩む時間は限られているので、その悩む時間を精一杯かみ締める様に。
・・・・・・・・・・・・決断しよう。・・・・・・・・・・・決断しなきゃ、駄目なんだ・・・・・・・・・・・。
僕は、3人を見回した。3人は未だに僕をじっと見ている。・・・・・・僕は、決断を、答えを、3人に言う事にした。
「・・・・・・・・・千尋ちゃん、千歳ちゃん、ソルフィちゃん、僕は・・・・・・・・・・・」
A、ソルフィちゃんと共に夢から醒める事にする。
B、千尋ちゃん、千歳ちゃんと共に、この夢の世界に留まる事にする。
「身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
5,074
-
2.5万
-
-
1.2万
-
4.7万
-
-
9,295
-
2.3万
-
-
9,628
-
1.6万
-
-
3万
-
4.9万
-
-
6,574
-
2.9万
-
-
8,094
-
5.5万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
2,414
-
6,662
-
-
11
-
4
-
-
6,028
-
2.9万
-
-
562
-
1,070
-
-
2,845
-
4,948
-
-
2,605
-
7,282
-
-
6,119
-
2.6万
-
-
6,162
-
3.1万
-
-
3,631
-
9,417
-
-
13
-
1
-
-
168
-
148
-
-
60
-
278
-
-
3,137
-
1.5万
-
-
1,259
-
8,383
-
-
3,522
-
5,226
-
-
387
-
438
-
-
208
-
515
-
-
7,415
-
1.5万
-
-
32
-
11
-
-
45
-
163
-
-
31
-
83
-
-
139
-
227
-
-
4,871
-
1.7万
-
-
600
-
220
「現代ドラマ」の人気作品
-
-
357
-
266
-
-
207
-
139
-
-
159
-
142
-
-
139
-
71
-
-
137
-
123
-
-
111
-
9
-
-
38
-
13
-
-
28
-
42
-
-
28
-
8
コメント