身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

98.「こんなシリアスも極まった状況で生首少女は桃色な事を言った。」

「・・・なあ、ふざけてるのか・・・ソルフィちゃん・・・、キスとか、アレとかさ・・・」

「いいえ、ふざけて無いですの。お兄様を完全に封印する方法はお兄様の魂の冥界の伊吹を吹き込む事。・・・逆に言えば、お兄様の目を覚まさせるには・・・」

ソルフィちゃんが言いかけると、地面からゴーレムの腕が湧き上がり、そして僕を掴みソルフィちゃんの方へ運び、そして千尋ちゃんと千歳ちゃんを押さえつける。

「生者の伊吹をお兄様に吹き込む事。つまり、ソルフィが、お兄様とキスをすれば良いのですわ」

すぐ目の前にソルフィちゃんの顔があった。

「そ、ソルフィちゃん・・・!」

「時間がありません、お兄様、キスをします。しつれい・・・んぐっ!」

ソルフィちゃんが吹き飛ばされてきたゴーレムの体の一部にぶつかって、僕の目の前から吹き飛ぶ。

「お兄ちゃんを私から奪うな!あっち行っちゃいなよ!!」

振り向くと、千尋ちゃんと千歳ちゃんがゴーレムの大群と戦っていた。

ゴーレムは次々と倒されるが次々と新しいのが現れ、千尋ちゃんと千歳ちゃんと戦っている。だが、2人の勢いにゴーレム達は押し負けていた。

「お兄さん!!」

ゴーレムの群れから、千歳ちゃんが飛び出して、僕に寄りかかる。

「お兄さん!・・・・・・私と一緒に・・・なりますよね?・・・良いですよね?」

僕の腕を掴み、千歳ちゃんは僕の返答を待たないままキスをしようとして・・・・・・腰に大鎌が突き刺さり、吹き飛んだ。

大鎌の主を見ると、首から上を無くしたソルフィちゃんの体だった。

「やれやれ、お2人共野蛮ですの。ソルフィの首を刎ねたり、ソルフィを吹っ飛ばしたり・・・・・・それだけ、お兄様の事愛しているのは知っておりますけどね」

ゴーレムの瓦礫のしたから、ソルフィちゃんの生首が呟く。ソルフィちゃんは頭から血を流していた。ソルフィちゃんの体は、自身の頭を掴むと、自分の首に嵌めた。

「・・・お兄様、今そちらに・・・。・・・・・・うっくっ!!」

ソルフィちゃんの体に、光の矢が3本突き刺さる。

十数メートル前で千尋ちゃんが光輝く弓を構えていた。

千尋ちゃんも、大量のゴーレムに苦戦していたのか、制服が所所破けている。

「ソルフィちゃん!!」

「だ、大丈夫ですのよ?お兄様、。ソルフィは魔族ですから、このぐらいは・・・」

「魔族相手に、効くでしょう?私の矢。聖なる加護がついているからね。浄化させてあげるから・・・」

歯を食いしばりながら千尋ちゃんは敵意を満ちた笑顔をソルフィちゃんに向けた。

「・・・・・・あら、怖いですわ。まるで、魔王に向ける様な目をソルフィに向けるのですね」

「・・・今の貴女はお兄さんを奪う、魔王以下の存在ですもん・・・、立ち去らないなら死にましょうか?ソルフィさん。貴女の事、お兄さんの争奪する良いライバルって思ってたんですけど、こういう事されちゃあ、魔物として殺すしか無いですよ?」

光り輝く剣を握り締めながら、ソルフィちゃんを睨む千歳ちゃん。その目は爛々と輝いている。

「・・・・・貴女達は、結局、自分本位で、お兄様の事考えて無いのですね。お兄様が目を覚まさぬ様、この夢の世界に縛りつけようとしている。お兄様があの王の謀略に陥ったというのに、その謀略を利用して、謀略に加担している・・・」

「うるさい!私にとって、世界とか王とかどうでもよかったもん!、お兄ちゃんと一緒に居れればどうでも良いもの!私の事救ってくれたお兄ちゃん、村でつまはじき者だった私を必要としてくれたお兄ちゃん、そんなお兄ちゃんとずっと一緒に居たいって思って何が悪いの?世界とか王とか放置して何が悪いの?異世界人のお兄ちゃんに関係無いじゃない!そんな悪意に満ちた世界より、お兄ちゃんだって、夢の世界の中に居た方が良いに決まっているよ。夢の世界で、お兄ちゃんの妹として、妹以上な人としてお兄ちゃんの傍に居続ける・・・それが何が悪いの?」

「・・・・・・ソルフィは、お兄様を救いたいのですわ。お兄様に尽くしたいですもの。何十年生きて、尽くしたいと思えた人ですもの。・・・貴女達の都合に振り回されて、冥界の夢に閉じ込められるのを黙って見ている訳には行きませんわ。貴女達には悪いですが・・・貴女達をねじ伏せて、お兄様を救います!」

「・・・ふん、ソルフィさんも、結局、お兄さんと一緒になりたいからでしょう?こんな事するの・・・。本音が駄々漏れというか・・・、まあ良いです。魔物退治しますか」

千歳ちゃんと千尋ちゃんは武具を構え、ソルフィちゃんも大鎌を構え、そして周囲に無数のゴーレムが地面から沸く。

千尋ちゃんと千歳ちゃんの衣服は先のゴーレムの攻撃で所所擦り破れている。喉からは未だにダラダラと血が流れ、千歳ちゃんは、先に大鎌を指された腹部から血がドクドクと流れていて、2人共全身血塗れだった。

もう、明らかに致死の出血量だというのに、傷が痛むのか顔色が悪い以外に、2人はそれを意に介さない様に立っている。・・・・・・ソルフィちゃんは、2人を僕を眠りから覚まさない封印と言った。生身の人間では無いのかも知れない。

対するソルフィちゃんも、首を斬られた時の出血で全身を真っ赤に染めていた。翼と体に4本光り輝きつづける矢が痛痛しく突き刺さっている。

闘志に満ちた目だが、その表情は体が痛むのか、苦々しい表情をしている。

突然、千尋ちゃんが矢を発射して、ソルフィちゃんが大鎌で弾いた。

それを合図に千尋ちゃんと千歳ちゃん、ソルフィちゃんとゴーレム達はお互いを倒そうと飛び掛った。

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