身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

79.「少女と目があった瞬間、僕は、とっさに、ベッドの上に居る二人に駆け寄ろ、起こそうとした。」

だが、二人は目覚めない。
どうやら深く寝ついている様だ。
「■■■■■■■!」
少女は嬉しそうな声のトーンで僕に近づき、そして、抱きつく。
僕は、その抱きついた、少女を振り払った。
尻餅をつく少女。
「■■■■■■・・・?」
少女は悲しそうな目で僕を見ている。
その様子を見て、やっぱり、この少女は僕には敵意が無さそうだった。
「君は・・・僕を襲わないのか・・・?」
僕は少女に問いかけると、
「■■■」
こくんと少女は頷いた。
僕の言葉は理解出来るのか?
「・・・・・・君は、僕の言って居る事が理解出来るかい?」
この問いかけにも、少女はこくりと頷く。
「そうか・・・でも、僕は、君が何を言いたいのか、僕に何を伝えたいのか。わからないよ。僕には君の言葉が通じていない。僕の言葉は通じているのにね」
と僕が勤めてフレンドリーな笑みを浮かべて言うと、
「■■■■!」
と声を荒げて、少女は驚いた。
「■■■■■■~■■■■■■■■■~!!!」
少女はおろおろとした様子でその場ぐるぐる歩き回った。
どうやら何か思案している様だ。
「なあ、君」
僕が呼びかけると、少女は、ぐりんと首を回して僕を見る。
「君は、僕には危害を加えないみたいだけど、この二人、千尋ちゃんと千歳ちゃんには危害を加えていたよな?」
僕が聞くと、少女は、目を細めて、こくりと頷いた。
「どうしてだ。二人は君にとって・・・何か・・・敵・・・とかだったりするかい・・・?」
少女は、少し迷った顔をして、こくりと頷く。
「そうか・・・敵か・・・。何か二人に恨みがあるのかな?」
その問いに、少女はふるふると首を振って否定する。
「じゃあ・・・何故さ・・・?。何故、僕の妹達を襲った・・・?・・・そして、何故君は僕に抱きついてきたりして好意的なんだ?僕は君の事知らないぞ?」
僕がそう言うと、少女は、また難しそうな顔をして、またぐるぐるその場を歩き回った。
どうやら、考え事をすると、歩き回る癖があるらしい。
そして、ぴたりと止って、僕を見る。
「■■■■■■」
少女は、僕に近づいてくる。その頬は、どこか、赤みを帯びていた。
「お、おい、何だい?」
僕がその場を離れようとするも、少女が先に僕のすぐ傍に駆け寄り、そして、僕の両肩を掴んだ。
目の前には、頬の赤い少女の顔。
少女は、目を瞑り、そして、そっと僕の方へ唇を向ける・・・こ・・・これは・・・。
僕は、少女の唇に手を当てて、少女が次にするであろう行動を封じた。
「■■■■■■~~~!!」
目開いた少女はモガモガ何か言っている。
「・・・何なんだ、君は・・・キス魔か!?」
僕がそう言って、手を離すと、少女は、抗議めいた目で僕を見つめている。
「・・・・・・初対面で、ちゅーなんてする訳無いじゃないか。・・・ったく、僕の妹達と言い、何で、僕の周りに現れた謎の女の子は僕にちゅーしたがるのかなあ」
少女を、優しく押しのけて、僕はぼりぼり頭を掻いた。
「■■■■!!!」
少女は驚愕した様な目で僕を見て叫ぶ。
「■■!?■■■!??■■■■■■!???」
少女は自分の唇と僕の唇を指指し、そして千歳ちゃんと千尋ちゃんを指差した。
「んあ?、二人とちゅーはしたか?って言ってるのかい?」
こくんこくんこくんこくん
少女は勢い良く頷く。
そんなに僕が二人とちゅーするのが気になるのか?。いや、こんなおっさんと女子高生の不純性愛はいかんからな。気になるのだろう。
「してないしてない。未成年に手を出すほど、ゲスじゃないって」
ひらひら手を振って答えてやると、ほっとした様な顔で息を吐く少女。
ほっとしたかと思ったら、少女は、しばし、思案し、そして、僕を見て、
「■■■■■■」
少女は僕の手を取り、外に出そうとする。
「な・・・何だい、何だよ・・・。何、外に出ようとしているのかい?」
少女は、僕を見て、こくんと頷く。
「・・・ダメだ、二人を置いて行く訳には行かない。二人に何かあるか心配だし・・・それに・・・君が僕を外に連れ出した後に、君が君の石の人形みたいな奴らを呼び寄せて、二人に酷い事をしないとも限らない。ダメだ」
そうだ、この少女は、まだ敵なのか味方なのか良くわからない。僕の敵じゃないかもしれないが、二人の敵ではある。
少女は、また思案する様に目を瞑ると、また目を見開き、自分のローブから、何か棒状のものをするすると出した。
その棒状のものは、明らかに少女のローブ内に収まるものでは無いぐらいの長さだったが、もう何も驚かない。
最近超常現象が起きっぱなしなんだ。・・・いや、割と驚いたけど。
その棒状のものは、一振りの剣だった。
少女は、その剣を、僕に渡し、その剣を抜けとジェスチャーする。
「・・・・・・何だ。この剣は・・・鉄製だと思うけど、明らかに軽い・・・軽すぎる。・・・この剣を抜けば良いんだね・・・?」
少女が頷いたので、僕はその剣を鞘から引き抜いた。
すると、純白の、ぞっとするぐらい真っ白に光る刀身が、僕の目の前に露になる。
僕は、その刀身に、恐怖と・・・そして、何だか、心の中を撫でられる様な感覚に陥った。
その撫でられた感覚・・・それは・・・前にどこかでこの剣を見た様な、そんな、ありもしないノスタルジーが含んだ感傷さが僕の心を撫でた様だった。
「・・・これは・・・一体・・・これは一体何なんだい?この剣は」
混乱する僕に、少女は、にこりと微笑み、そして、部屋の中の椅子を指差し、腕を振るジェスチャーをする。
「「・・・あの椅子を斬れ・・・と言っているのかな?」
少女はこくりこくりと頷いた。
「よおし・・・」
怪しい指図で素直に受けるのは良くないが、とりあえず斬ってみるのも良いだろう。僕は椅子に近づき、そして、椅子を袈裟切りした。
すぱりと椅子は、あっさりと斬れ、そして、二つに分かれて分裂した。その断面は、美しい工業製品の様に、綺麗だった。
何とも、斬りごたえが無かった。この1円玉の重さにも満たないぐらい軽い剣が、堅そうな椅子を、まるで包丁で豆腐を斬るかのようにあっさりと斬れてしまったのである。
「おう・・・・・・・」
僕は、ただ、その超常現象的ソードの切れ味に驚き立ちすくんでいると
ぱちぱちぱちぱち
と音が聞こえた。音の成る方を見てみると、少女が手を叩いていた。
少女は、僕の方へ来、僕の袖をつかみ、ぐいぐいと外に出ようとする。
「おい、危ないぞ。剣を鞘に収めさせてくれ・・・」
僕は剣を鞘に納めた。
それでも、少女は、僕の袖を引っ張る。
「・・・なあ、外に出る気かな・・・?僕は二人を置いていけないって言って・・・」
僕が抗議すると、少女は、自分の首元を指で切る様にジェスチャーした。
「・・・・何だい・・・・?」
少女は袖をひっぱりつつ、首を切るジェスチャーをし続ける。
「・・・・・一緒に外に出て・・・・もし、僕が居ない間に二人に何かあったら、君の首を刎ねて良い・・・って言ってるのかい?」
こくこくっと少女は頷く。少女の僕の見る目は、無邪気な目だった。その目は、僕を信用している目、そして、僕に首を刎ねれれたも文句を言わなさそうな目だった。
「・・・・・・・分かった。一緒に、外に出よう。約束してくれよ。二人には何もしないって、君の事も傷つけたくないから」
と、僕が言うと
「■■■■■■■■■!!」
と嬌声を上げて少女は僕に飛びついた。

「身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代ドラマ」の人気作品

コメント

コメントを書く