身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

69.「ぱちゅん! 」

目の前で弾けた音がした。

驚きつつ、眼前を確認すると、すぐ傍で唇を突き出していたはずの少女が10メートル位吹き飛んでいた。

「お兄ちゃん!」

後ろから僕を呼ぶ声が聞こえる。

振り向くと、そこには自称妹がおもちゃ銃を構えて立っていた。

「千尋ちゃん!!・・・どうやってここに!!」

「お兄ちゃん達と、はぐれた時、町中探し回っていたら、光の穴みたいなのがあって、そこに飛び込んだら、この草原にたどり着いたの。・・・それより・・・。」

千尋ちゃんはカタカタとおもちゃ銃を持つ手を震わせる。

「私・・・お兄ちゃんに引っ付いてた子、撃っちゃった・・・、だ、大丈夫かな・・・?」

千尋ちゃんはふるふる震えて倒れている少女を心配そうに見ている。

「私・・・人、撃っちゃった・・・、しかも、あんな小さな女の子を・・・」

千尋ちゃんは口をガクガクさせながら、少女の方へ駆け寄ろうとする。

「千尋ちゃん、危ない。」

「えっ?」

僕は千尋ちゃんを制止しようとした。制止しようとしたのだが、

「■■■■■っ!!」

少女は突然起き上がり、紫色の閃光を千尋ちゃんに放った。

「きゃあ!!」

千尋ちゃんは閃光を受けて、地面に倒れる。

「千尋ちゃん!!」

僕が駆け寄ろうとする前に、少女が猛スピードで千尋ちゃんに迫り、そして、その持った大鎌で千尋ちゃんの腹を横になぎ払った。

「あああああああっ!!」

振りかざされた大鎌はあっさり千尋ちゃんを斬り抜けた。

「千尋さん!」

遠くで千歳ちゃんが悲痛な声を上げる。

「こ、このお・・・、このおお!!」

無意識に自分で振り絞って発した言葉に気づくと僕は拳を振りかざして、少女に殴りかかろうとしていた。

「っ!!」

少女はこちらを振り向く、そして、

「■■■■■・・・!」

にっこりと無邪気な、今、千尋ちゃんを切り捨てたのがまるで無かった様な笑みを浮かべて、僕を招くかの様に両手を広げた。

「ふざけんなあ!このお!」

僕は、その満面な笑みに向かって、拳を降り下ろした。

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