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身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

61.「ぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃ 」

風呂場には液体が擦り合わさる音が響く。

「よいしょ、よいしょ」

自称従兄弟が、自分の体をスポンジにして、僕を洗っているからだ。

「・・・どうですか?お兄さん?私の体、良いですか?良いですよね?」

目と鼻の先にある自称従兄弟の表情はニコニコと微笑んでいる。

正直な所、かなり辛い、出来るだけ、目の前の自称従兄弟の事を意識しない様にしているが、ただただ辛い。

「なあ、もう止めないか、正直、色々辛い」

「辛いなら、我慢しなくても良いじゃないですか」

「いや、僕が出勤前だから、お手柔らかにすると言っていたのは君だろう」

「あ、そうでした、へへへ」

「せめて、もう少しゆっくり動いてくれないか?そんなに激しく動かなくても、君が魅力的なのは分かっているから」

「ひえっ!?お兄さんがデレた!」

「デレてない」

何だか漫才のやり取りの様だ。そう言って、下らない事を喋っていれば、目の前の自称従兄弟の肢体を気にせずに済む。

「しかし、それにしてもさー、千尋ちゃんも千歳ちゃんも不思議だよな」

僕は、苦し紛れに話題反らしをしてみた。

「え?、うん、何ですか?」

自称従兄弟は話に乗ってきた。よしよし。

「あのゴーレムを倒した力とか、後は、あのゴーレムの事とか、一体、何だろうか?」

「あの上り旗の赤い光やゴーレムですか・・・」

自称従兄弟は体の動きを止め、考えこんだ。

よしよし、良いぞ。

「・・・何なんでしょうね?本当に。まあ、私、そもそも誰にも見れなくなっちゃってますし、今更何か不思議な事が起こっても、もう不思議でも何でも無いですけど。」

考え込んで動く事の止めた自称の従兄弟の肢体が密着する。

「そうだなあ、僕らは、元々不思議な関係だったよね」

「不思議・・・、そうですね、不思議です。魔法みたいです。」

「うん、魔法だね。魔法の世界みたいだ。」

ゴーレムと言い、あの自称妹と自称従兄弟の力と言い、魔法の世界みたいだ。

「うふふ、でも・・・」

「・・・でも?」

「この魔法がある事によって、

お兄さんとこうして、一緒にお風呂に入れています。まるで魔法みたいです。」

自称従兄弟は僕の胸を指でくりくりとつつく。

「だから、私、この不思議な魔法に感謝してるんですよ、このままずっと魔法が解けなくても良いかなって思ってるんです。」

ぎゅうぎゅうと自称従兄弟は抱きつく。

「ずっと、ずっと、魔法が解けなくても良いのに、いや、魔法が解けて、何も私達に無くなったとしても、こうして、お兄さんと色んな事、もっと色んな事して一緒に居れたらと思うんです。」

自称従兄弟は、何だか、告白の様な事を言った。

まあ、告白の様な事なら会った時からいつもされてる気がする。

僕は、そんな自称従兄弟を抱き返してみた。

「あっ・・・、ふへへ、もしかして、その気になってくれました?」

「そうじゃない、ただ、何となく抱きしめたくなったんだよ」

「そうなんですか、でも・・・嬉しいです・・・。、」

自称従兄弟も、より抱きしめ返してくれる。

「・・・これは・・・キスとかして良い流れですか?」

自称従兄弟は期待に満ちた目で僕を見る。

「ダメ」

僕はきっぱり答えた。

「むむ、残念、まあ、お兄さんはこれからお仕事がありますし、無理は出来ませんよね、これからに期待という事で」

「ないない」

「期待してます。・・・じゃあ、時間も無いしちゃっちゃと体を洗っちゃいましょう。はい。 」

そういうと自称従兄弟は再び自分の体をスポンジにして僕の体を洗い出した。

僕はまた、困りだしてしまったが、早く終わって欲しかったので、ただただ自称従兄弟に身を任せたのだった。

「身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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