身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

58.「長かったですねえ、たっぷりお二人で楽しんだ様で・・・」

風呂から上がった僕らを自称従兄弟はジト目でなじった。

「まあ、楽しむというか、なあ・・・?」

「ふつーに、お風呂に入っただけだよ、ねっ?お兄ちゃん?」

自称妹は、僕の顔を見て言った。

「ああ、まっ、ふつーだった。」

僕もそれに頷く。

「ふつーって何ですか?、どこまでやったんですか?Bですか?Cですか?Dまで行ったのなら、私にもDして貰いますからね!?」

自称従兄弟はうりうりと僕の胸を小突く。こいつ、CとかDとか、分かってて、言っているのか?

「多分Aもやってないよ。お兄ちゃんに体洗って貰ったり、一緒に浴槽に入ったけど」

ぼそりと自称妹は呟いた。

「何ですとー!、そんなうらやまスキンシップを!!千尋さんはもっと奥手の方かと思って先を譲ったんですけど・・・!」

自称従兄弟は意外そうに驚いた。確かに、自称妹が、あそこまで誘惑して来るとは思わなかった。

「だって、千歳さんの番になったら、千歳さん、絶対ハメを外すだろうし、私だって、一杯ハメを外さなきゃいけないんだもん!」

自称妹は両手をグッと握りながら言う。

その顔は、恥ずかしい事を言った自覚があるのか、真っ赤だ。

「むむむ・・・!ならば、私も負けてられないです!お兄さん!私とお風呂行く時はDまで行きましょう!何ならEでもFでも良いですよ!?」

自称従兄弟は僕の手を抱き締めて言った。

「僕をあどけない高校生を手を出した男にするつもりか!?」

僕は自称従兄弟ね頭をチョップした。

「あてっ」と自称従兄弟は小さく悲鳴を上げた。

「大丈夫ですよ。私達は相思相愛の純愛なんですから。野獣になりましょうよ!」

自称従兄弟は僕の腕にその豊満な胸をぐいぐい押し付ける。

この子、初め会った時は真面目そうな優等生風だったのに、どうしてこんな頭ピンクになった!?

「純愛するなら私も、忘れないで、ねっ?」

自称妹も僕の腕に絡み付いて自身の胸を押し付ける。

こいつも、自称従兄弟の頭ピンクが感染してきてるよなあ。

「うふふー、両手に華ですね、お兄さん。良かったですね」

「良くあるか!?とツッコミたい所だけど、まあ、良いよ、君達は」

自称従兄弟の調子の良い言葉に冷たく突き離そうと思ったが、僕は今まで、女とは縁の無かった男。こんなにも真っ直ぐに好意を向けられると満更では無くなってしまうのだった。満更では無いなんて、何とも贅沢な話だが。

「お兄さんがデレた!」

「お風呂場でも、デレてくれたよ、千歳さん。いつもはツーンってしてるのに、私の事、ちょっぴり意識してたと思うもん!」

「何ですとー!」

「してない、してない」

僕は頭をぶんぶん振り回して否定する。

「・・・ふふ、ふふふ、お兄さん、次のお風呂楽しみですね、私、本気出しちゃうかもしれません・・・」

自称従兄弟は気持ち悪い笑みを浮かべて僕を見る。

「はいはい、せいぜい頑張んな。ほら、二人とも、いつまでも抱きついていたら、身動き取れないんだから、離れた離れた。」

僕は二人をしっ、しっと引き剥がす。

自称妹は不満そうに抗議していたが、自称従兄弟はうふうふと気持ち悪い微笑みを浮かべているだけだった。

夜、最早日課になっている様に二人に抱きつかれながら寝ていると、自称従兄弟が

「明日の朝、早起きして、朝風呂入りません?その時、私、お兄さんにご奉仕しますから」

と、自称従兄弟に囁かれた。

「えー、めんどうだ」と断ると、

どうしても早く一緒にお風呂に入りたい。自称妹が一緒に入ったのだから居ても立っても居られない。明日の夜まで待ちきれない。お願いします。本当にお願いします。一生のお願いです。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。

と、胸を押し付けながら、必死で懇願してきた。

僕はやや引きながらも、

「そんなに僕と風呂入りたいのか?」

と聞くと

「はい!」

と元気な返事を貰ったので、熱意に負けて、自称従兄弟の嘆願を了承する事にすると、自称従兄弟は

「やったー、有り難うございます!」

喜んだ。

「良かったね、千歳さん。」

と自称妹は自称従兄弟を祝福した。

まったく、僕は幸運な奴だよな、こんな可愛い娘二人に言い寄られて、と、僕は改めて自分の現状を思いしめたのだった。

          

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