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身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

56. 「じゃあ、髪洗うからな、千尋ちゃん」

僕の目の前には自称妹の後頭部がある。

「うん、お兄ちゃん」

「言っとくけど、人様の髪なんて洗った事ないから、上手く洗えないからな」

「良いんだよ、お兄ちゃんに洗って欲しいから」

また嬉しい事を言う。相当なブラコンだな。こいつ。

髪をシャワーで濡らす。

乙女の髪の毛の洗い方なんて分からないが、とりあえず、シャワーの勢いは弱めで濡らした。

「シャンプー、つけるぞ」

「うん」

僕は手にシャンプーを溜めて、自称妹の髪の毛に触れた。

「んっ」

自称妹がか細く呻いた。

その繊細な声に、邪な感情がふっと沸き立つのを感じて慌てて我を保つ。

「大丈夫だよ?お兄ちゃん。続けて」

自称妹は僕の気を知らぬ様に言った。

こいつ・・・、こっちは、未経験の事に四苦八苦しておるのに・・・!

出来るだけ慎重に丁寧に、自称妹の髪の毛にシャンプーを染み込ませていく。

自称妹の頭は小さくて、まるで、お人形さんみたいの様だった。

出来るだけ丁寧に洗っているつもりだが、つもりだったが、僕の指先が、自称妹の耳に触れた。

「んんっ!」

自称妹は驚いた様な声を呻いき出した。

その声色は、僕が男性だからだろう、声に甘さが含まれている様に感じた。

「だ、大丈夫か?」

「だ、大丈夫だよ、ちょっと驚いただけだから・・・」

にへへと自称妹は笑った。

「何か、ドキドキするね、お兄ちゃん」

自称妹は今の心境はその様らしい。

「・・・僕も、君と出会ってから今が一番、君にドキドキさせられているよ」

僕も今の心境を言い表した。

「そうなんだ。へへへっ、私とお兄ちゃん、今、お互いに一番にドキドキしあっているんだね。」

等と自称妹がさらっと恥ずかしくなる様なセリフを吐いた。

お互いに一番にドキドキしている・・・。

僕は女に免疫がまったく無いのだ、無いのだから、こんなガキンチョの自称妹に思いがけない一言にただ狼狽し、ただ自分の鼓動に息苦しくなるばかりで、

「そうだね」

と、何とも思ってない風を装って返事をする事しか出来なかった。

僕は自称妹の髪を努めて丁寧に洗った後、シャワーで、また丁寧に泡を漱ぎ落とした。

「ふう、終わったぞ、千尋ちゃん」

「うん、有難う。気持ち良かった。お兄ちゃん。」

・・・気持ち良かったか?変な意味じゃ無いだろうな。

「じゃあ、次は体だね」

自称妹はにっこり微笑んで言う。

・・・大体、そう言うんじゃないかと思っていたよ。

「いや、いやいやいやいや、それは無理でしょ」

僕は何か大それた事がある様に慌てた風を装って言った。

実際に大それた事だ。

「え?どうして?」

「いや、だってさ・・・」僕達男女なんだしさと言おうとしたが、

いつもだったら、はっきり断れていたが、こんな変なシチュエーションで気がやられていたのか、そう言うのが気恥ずかしく感じて言えなかった。

「水着の部分は良いから、手足だけでさ・・・」

自称妹は上目遣いを崩さず言う。

「でもなあ・・・。」

僕も押し負けまいと、されどはっきり断れも出来ず、ただ言葉を濁す。

「あのさ・・・きっとね、千歳さんとお風呂入った時は、私以上に大胆な事、お兄ちゃんにすると思うの。だからね、今、私もお兄ちゃんに大胆な事しないと、千歳さんにお兄ちゃん取られちゃう・・・。」

少し表情に陰りを見せつつ自称妹は言った。

「取られるって・・・君達とは僕はそんな関係じゃないよ」

「ううん、今はそうでも、きっといつか、こういう生活を続けていたら、私達の誰かと、お兄ちゃんはそういう関係になると思うの。」

自称妹の目は僕を見据えている。

「いや、そんな事無い、僕にも自制心がある。高校生の君達とそういう関係になる事は無いよ」

うむ、いくら二人が魅力的でも未成年だし、こんなうだつの上がらない男に熱を上げる程視野の狭い娘を取って食べようとする程、僕も畜生では無い。

「でも、さっき、千歳さんに水着で抱きつかれた時、お兄ちゃん、かなりいっぱいいっぱいだったでしょ?おっぱいデカいもんね、千歳さん。今まで抱きつかれた時も大変だったと思うけど、さっきのは本当に。」

「いや、まあ。・・・ちょっとは・・・。」

「本当にちょっと?」

「・・・すいません、正直、我慢するの辛かった・・・。」

「だよねー、お兄ちゃんも男だものねー、仕方無いよねー」

自称妹が僕の胸を指でうりうりとつついた。

「うっせ!ちゃんと大人の様にわきまえたわい!」

と自称妹にチョップをする。

自称妹は

「あうっ」

と言って呻いた。

「ねえ、お兄ちゃん、千歳さんに困らされたらさあ・・・」

自称妹は急に僕の手を自身の胸に押し付ける。

「私には困ってくれる?」

首を傾げて、顔を真っ赤にして僕を見る。

僕の手には控えめな膨らみの胸の感触が「ふにっ」と、官能的に刺激した。

「おい、止めなよ」

「私の胸じゃ、お兄ちゃん、困らない?」

「困るよ。君の胸、柔らかいし、大分困っている。頼むから、僕を未成年との分別が分かる大人で居させてくれ。」

正直に言ってやった。

「じゃあ、私が未成年じゃ無くなったら?」

「へっ?」

「このまま、ずっと、私が誰からも見えない聞こえない状態で居続けて、そのまま大人になって、お兄ちゃんといけない事をしてもいけない事じゃ無くなったら、お兄ちゃん、どうするの?」

「いや、君、僕の妹だし、妹に手を出すわけ無いでしょ」

「でも、お兄ちゃん、私の事妹って思って無いよね?」

ぐぬぬ・・・、何も言い返せない。こいつに言い負かされてしまった。

「まあ、いいよ、これから、お兄ちゃんの事、たくさん困らせるんだから、だから、体、洗って?」

僕が答えに窮していると、自称妹はちょっと勝ち誇って僕を微笑んだ。

「身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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