身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

49.「あれ?誰も居ないよ?」

自称妹は困惑して辺りを見回している。

「おかしいですね。これは・・・一体・・・?」

おかしいというレベルじゃない。先ほどまで、大勢居たはずの人々が忽然と消えているのだ。異常というか、超常現象のレベルだろう。

『ガサッ』と大きな足音が複数聞こえた。

音が鳴る方を振り向いてみると、複数の店舗のカウンターから先ほど大公園で見た、あのゴーレムが4~5体現れた。

「なっ!何ですか!また、あの一つ目ゴーレムじゃないですか!」

「あわわっ、どうして、こんな所にも・・・」

二人共、困惑している。

ゴーレム達はのしのしこちらへ近づいてきた。

僕は横にあった、アイスクリーム盛り蕎麦がプリントされているのぼり旗を自称従兄弟に手渡した。

「千歳ちゃん!あの光だ!あの紅い光をそののぼり旗に出して、あいつを斬ってくれ」

「は、はい!」

その辺の棒切れでも、あの光が出たのだから、こののぼり旗の棒部分でも光は出るだろう。

「現れろー!我が、情熱の紅き光よ!」

自称従兄弟は何か呪文の様な念仏を唱えてた。

ノリノリだ。

のぼり旗は、自称従兄弟の声に答えて、紅く光出した。

「よーし、出た出た!。ちょっと懲らしめに行きます!」

自称従兄弟は僕に敬礼してゴーレム達の元へ駆けていった。

「あんまり無茶するなよー、相手の正体も分からないのだから」

一度倒した事ある奴のせいか、あんまり危機感を感じなかった。明らかに異常事態だというのに。

「めーん!!」

自称従兄弟が素早くゴーレムの頭を叩くとゴーレムの頭は砕けちって、その場に倒れた。

「いぇーい!やったね!」

「千歳さんすごーい!」

自称従兄弟はその場でガッツポーズをする。

いやいや、ちょっと余裕ぶっこき過ぎじゃないかな?。

だが余裕をこくのも分かる。

このゴーレム、動きがとても鈍いのだ。

こんな奴に追いかけられても捕まる事は無さそうなぐらいに。

「めーん!こてー!どー!こてー!めーん!めーん!」

自称従兄弟は複数のゴーレム相手に次々とのぼり旗で殴り付け、ゴーレム達を全滅させた。

「やるじゃないか!千歳ちゃん!ソードマスターみたいだったぞ」

僕が自称従兄弟を誉めてみせると

「へへへ、それほどでも、こいつら、すんごく弱っちいですよ」

と、ふんすと鼻を鳴らして自称従兄弟は言った。

とにかくもまあ、ゴーレムに関しては、これで一件落着か。

「いや、待って、お兄ちゃん。」

自称妹が僕らを静止する。

「見て、あの通路の奥、沢山の光が光っているけど、あれって・・・」

自称妹が指差す通路の先を見ていた。

確かに無数の光が爛々と光っていた。

良く目を凝らしてみると、あの光は・・・ゴーレムのモノアイ部分だった!

光の数にして、明らかに百異常はある!

僕らはすぐにその場から逃げた。

「何なんだ!あのゴーレムの量は!?」

「百体以上は居ましたよね!」

「流石に千歳さんでも無理だよお!」

僕らは反対側の通路へ駆け出す。

光の集団はじわじわ僕らを追いかけている様だ。

真っ直ぐ店の外へ向かって走ってると、正面からも無数の光が迫ってきた。

「お兄ちゃん!前からも!」

「右に逃げよう!」

「右の方にも回り込まれてますよ!」

「じゃあ左側だ!」

「駄目!左もゴーレムで一杯!」

いつの間にか囲まれている様だった。

さっきはあんなに余裕こいていたのだが、これはあれか、大ピンチという奴か!いつの間にか僕らはおもちゃ売り場にやって来ていて、

「くっ、これはヤバい!!」

「お、お兄ちゃん!」

自称妹は僕にぎゅっと抱きついた。

「お兄さん!千尋さん!離れていて下さい!あいつらは私が相手にします。」

紅く光るのぼり旗を握りしめ、ゴーレムに立ちはだかる自称従兄弟。

「無茶だ!相手は数体じゃない!このフロアを埋め尽くすぐらいの数が居るんだぜ!」

「大丈夫です!部活で鍛えてますから!あんな鈍っトロい奴に負けませんよ!お兄さんは千尋さんをお願いします!」

自称従兄弟は、そう僕らへニカッと励ますように微笑むと、目線をゴーレムの群れに移し、そして

「やああああああっ!!」

と雄叫びを上げてゴーレムの群れに突撃した。

「身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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