身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

39.「あ、お兄ちゃん!」

「お兄さん!」

僕が風呂場から上がるなり自称妹と自称従兄弟は僕の方へ振り向いた。

どうやら二人して何やら会話していたらしい。

先ほどは険悪だったから、どうフォローしようか?いや、険悪だったのを放っておいて風呂に入ったのを少し罪悪感を感じていたが、二人の様子だと、喧嘩はしてないらしい。良かった良かった。

二人は僕の方へやって来るといきなり抱きついた。

「おい?何なんだ。またか?」

「えーっと、千尋さんと協議した結果」

「・・・お互い、相手の事を気にしないでお兄ちゃんに甘えたいだけ甘える・・・という事になったの」

そう言ってぎゅうぎゅう僕を抱き締める二人。

「だから、お兄ちゃん、いっぱい甘えるね。ごめんね、お兄ちゃん。」

そう言って二人は僕を押し倒した。

「おい、これじゃあ、さっきと状況はあまり変わらないじゃないか!」

「まあまあまあ、いいじゃないですか。細かい事は。」

「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん」

二人はぎゅうぎゅうと僕に抱きつく。

僕はどうしたものかと思案した。思案した結果・・・。

「分かった。僕も抱きつかれて悪い気はしないし、寝る時になるまで、気が済むまで抱きつくが良いさ。」

身を委ねる事にした。

「そうですか。じゃあ、遠慮無く・・・ぎゅー。」

「ぎゅー。」

二人はただただ抱きついてるのだった。

そのうち寝る時間になった。

「ほら、もう寝よう。僕は明日は仕事なんだから。」

僕は二人は退かせて布団の準備をした。

「あ、私がやります」

「私がやるよ」

二人は我先にと布団を取り出して寝床の用意をした。

何て素直な子達なんだろう。

狭い布団に三人抱きついて寝る。

「ちょっと暑いから、離れて寝ないか?」

「ダメです。千尋さんとはこうして一緒に寝たのでしょう?私だけ除け者は嫌ですよ」

「・・・むー・・・」

何か不満そうな自称妹。

自分の兄貴を独り占め出来ないのが不満なんだろう。

「それでは、電気を消しますね。おやすみなさーい」

と言って自称従兄弟は照明を消した。

暗闇の中、二人の少女の柔らかい肢体の感触が全身から感じる。

いかん、これはかなり危ない危ない。

「あ、お兄さん。もし万が一、お兄さんが何かいけない事をしてしまったとしても、それは、こんな事している私達の自己責任だと思うので、千尋さんともそこは話し合いましたし。もし、我慢出来なくてやってしまっても、あまり気を落とさないで下さいね。私達のせいですから。」

はっ!?何を言っているんだ?この子は?

「そんなもの、襲って下さいと言わんばかりじゃないか」

「いやあ、そこまで露骨じゃないですけど、私達とお兄さんも男女の仲ですし、間違いがあっても仕方ないよねって、そういう話です。」

「・・・うんうん」

自称妹も自称従兄弟に同意している。

「君らなあ・・・」

僕はこの二人の貞操観念の無さに呆れてしまった。

「私達の事はただの抱き枕と思えば良いんですよ」

そういって自称従兄弟は僕にさらに抱きつく。

「遠慮しないでね。お兄ちゃん。」

自称妹もさらに抱きついた。

「・・・いいから、僕は寝るからな」

「はい、おやすみなさい」

「おやすみ。お兄ちゃん。」

暗闇の中、うら若き乙女に体をがんじがらめにされている、僕は朝まで理性が保つだろうか?

わからない。ただ、感じるのは、二人の柔らかい肢体と、体温と、吐息と、心音だけだった。

          

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