身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

33.「寿司を食べ終わった。実に旨かった。」

「食った食ったー」

「食べましたねー、お兄さん」

「んん・・・お腹一杯・・・」

腹が一杯という事は即ち幸福である。

さて、いつもならこの後は自称妹とだらだらテレビ見たりゲームしたりするんだけど。

「千歳ちゃん、飯食ったあといつもどう過ごしているの?」

この後、この新しい住人とどう過ごすべきか?。

「そうですねえ。お風呂入ったり、宿題したり・・・後はネットで動画見たりですね。剣道の動画とか。」

「剣道?」

「はい!私、剣道部ですから!」

と言って目の前で空素振りする自称従兄弟。

腕を振る度にその大きめの胸が揺れていた。

「ほへー、そうか、剣道かー。良いねえ部活動。青春って感じで」

「あはは、青春って、ただの部活動ですよ?。そんな大層なものじゃないですよー!でも去年は県大会に出場しました!」

「はえー、やるねえ。頑張ってるんだねえ」

「はい!お兄さんがいつも大会に応援に来てくれるので頑張れます!」

ニコニコと微笑む自称従兄弟。

自称妹とは違って快活なスポーツ少女って感じな奴だな。

「あ、その、今のお兄さんが来てくれる訳じゃなかったですよね、大会」

「うん、まあ、僕は君のお兄さんでは無いしねえ。少なくともお兄さんであった記憶は無いからなあ」

「あはは、残念です・・・。とても・・・。」

自称従兄弟はしょんぼりとうつ向き、

「で、でも・・・!だから・・・私の事、一杯知って下さいね!その、私、剣道始めたの、お兄さんのお陰なんですよ!」

「僕のお陰・・・?」

「はい!小さい頃、お兄さんとチャンバラごっこをして遊んで貰っていたんです!その時、剣を握っている私がカッコいいってお兄さんに誉めて貰って・・・!。それから、私、剣道一筋です!」

ふひんと胸を張る自称従兄弟。

「そうか・・・。ひた向きだな・・・。」

「有り難うございます!・・・この事は私の知っているお兄さんは知らないんですけどね。いつか知って欲しいですけど。この事は私のお兄さんには内緒にしてて下さいね」

自称従兄弟はぺろりと舌を出して僕に懇願した。

「あはは、約束するよ」

約束も何も、どうやって破るか、その術も見当につかない事だ。約束しておいて損はあるまい。

等々とぼんやりと考えていると、ちょいちょいと僕の肩を指でつつかれた。

振り向いてみるとゲームコントローラーを持った自称妹がむくれた顔で僕を見ていた。

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