身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

29.「翌日、僕はいつもの様に自称妹に起こされて、朝食を食べて、会社に行き、帰って、自称妹とゲームをしていた。」

昨日、自称従兄弟がやって来て以来、自称妹は何やら思い悩んだ様な表情をする。

自分の生活にあの自称従兄弟が乱入するかもしれない・・・という事が不安なんだろう。

そう思っていると、ピンポーンと玄関のベルが鳴った。

ドアを開けてみると

「・・・あ・・・こんばんは。お兄さん・・・。」

と少し緊張気味の表情の自称従兄弟が居た。

「ああ、こんばんは」

僕はドアを開けた手をそのままドアノブを掴みつつ自称従兄弟に挨拶を返した。すると自称従兄弟はふっと微笑み、

「・・・良かった・・・お兄さんは私の事を見えてくれていて・・・」

自称従兄弟は安堵したかの様に手を胸に当てた。

「・・・家に帰ってみたんですけど、やっぱり誰も私の事分かってくれなくて、学校にも行ったけど・・・学校も・・・。でも、お兄さんだけはやっぱり見えるんですね」

ちょっと感極まっている様だった。

「ああ、見えるよ。良かったね」

「はい、良かったです。」僕が微笑んでやると自称従兄弟もにこにこ微笑んでいるのだった。

ふと自称従兄弟が大きいリュックを持っているのを気づいた。

「ええと、何さんだか・・・ええと・・・千歳さんだっけか。千歳さん、その大きな大きなリュックは一体・・・?。」

何か嫌な予感がする・・・。

「・・・あの、これは私の荷物です。主に着替えとか・・・」

自称従兄弟は言いづらそうにリュックの中身を答え、そして意に決した様に次の言葉を紡いだ。

「あのっ!あの・・・っ。私をお兄さんの部屋に置いてくれませんか?お願いします!」

ぺこりと綺麗にお辞儀して自称従兄弟は言った。







・・・はて、どうする?ちらりと部屋の中の自称妹を見ると何かを訴えかけている様な目で僕を見ている。

そして目を自称従兄弟に戻すとお辞儀した自称従兄弟の後頭部が見えた。

「え、えっとなあ・・・」

さあ、どうしよう?

「お兄さん!お願い!私の事見えるのお兄さんしか居ないの!」

自称従兄弟は顔を上げ、懇願してくる。

どうしよう、どうしようか。

そんな風に思っていたが、だんだん玄関で押し問答するのがしんどくなってきた。考え事をするなら、部屋でゆっくり座ってゆっくり考えれば良い。そうだ。その通りだ。

「あー、とりあえず中に入らないかな?。中で考えよう」

僕の提案に自称従兄弟は

「はい!」

と心底嬉しそうに答えた。

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