異世界にいったったwwwww

あれ

三十

 三


 ガルノスたちは、なんの躊躇もなく、国土を犯した。まず、周辺の集落の獲得を急いだ。というのも、まず補給路の獲得を旨としていたからだ。そのため、国境を越えたあとの村落で進行を終え、まず会戦の準備をした。


 近隣住民は多年よりの諜報活動により、比較的ガルノスたちのシンパとして活動していた。ガルノスは情報を重視し、このため常勝軍を築き上げられたのだ。


 村長が出迎えた、謝辞もそこそこに、ガルノスは切り出す。


 「村長、これより、会戦の○○という地までどれほどかかる?」


 「そこまで、ざっと、一日と五~六刻はかかりますなぁ」




 しょうがない。それは最短ルートだ。ガルノスは多く飾られた軍旗の隙間を縫いながら甲冑を響かせる。


 「良いか、キャパ」




 軍馬から降りてすぐの彼を捕まえ、そのまま先鋒は威力偵察を行いながら布陣を完成させるように伝えた。いくつかの騎士団の中から抽出しておくことを付け加えた。








 ……そのため、異様な速さで、誰にも遮られることなく、容易にキャパ率いる五五〇〇の兵は約半日で会戦予定地に到着した。それは、ひとえに機動部隊中心の強力な火力を有してのことである。




 まだ、幸いなことに、敵は布陣どころか姿を見せていない。




 と、偵察の最前線から兵が帰ってきた。




 「お伝えします。遠く、山脈近くの支流にて敵の僅か五百ほどが布陣しています。」


 「はて? 一体なぜそんな数で? まあいい。どのみち、そいつらは無視しておいてよい。ただ、補給路だけはしっかり確立するぞ」




 そう言い含めた。






 その約一日遅れで、本軍合わせて一万数千が到着した。




 簡単な陣営を整えて出迎えたキャパは、その出迎えた主人の無機質な、しかし偉大な風采に改めて戦慄する。




 (敵として、出会いたくない。)






 それだけだった、しかし、それで十分であった。




 四




 布陣した最初の部族軍は言うまでもなくベンである。彼は、到着直後に簡易の防護拠点構築に邁進した。まず、川や斜面を利用し、あらかじめ戦場から本国までを帰れる道筋のルート確保、及びベンの呼びかけに応じた幾つかの部隊と連携し、一翼を編成しようと画策した。


 なぜそのような後方で? と疑問を浮かべた同輩に彼はいう。




 「この戦、まず勝てない。しかるに、我らは殿軍としてこの地を主戦場にするだろう」


 と。なるほど、といくつかの要点を聞き及び、すっかり彼はベンという才能を評価した。


 とはいえ、一翼というにはムリがあり、せいぜい塊程度が関の山だった。


 一四〇〇


 これがベンの連携して使える手駒の数だった。




 とかく、ベンは自軍より先行し、布陣を終えた敵軍の行動力と規律に感嘆と敬意そしてなにより不安を覚えた。




 

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