異世界にいったったwwwww

あれ

「暑い。」
黒馬の砦の反乱の少し前。
 グリアは、顎に伝う汗を手の甲で拭った。足を引き摺るように歩く。


まる3日もかけて、ギャラリーの旅(荷馬車などを乗り継いでくる旅の方法)で体も疲れている。それに追い打ちを掛けるように、熱気が彼を襲う。


(やはり、噂に違わぬ場所だ……)


 街に降り立ったあと、グリアは苦笑いした。砦とその周辺しか知らない彼にとっての世界であった。
 その、商都を歩いていると、摩天楼のような構造物、あるいは琥珀色の壁たち、様々な民族の衣服を纏った人々、また、肌や髪の色がちがう人々……全てがグリアの心の処女地に好奇心の開拓性を広げていった。


 ……が、どうにも暑い。


 それを避けるように、冷気の通った軒先の間に展開する小さな商人たちを横にみつつ、グリアは小走りで走っていく。
 と、手招きするように、一人の商人が手招きする。


 連合商業都市、通称バザールはこの年、俄かな活気を有していた。というのも、前年よりおこった盗賊討伐のため、様々な地方の都市などから武器の受注を受けていた。


 無論、盗賊側も都市に偽造し、武器を輸入していた。それには商人も知っているが、既に都市の顧客を抱える商人はいいとして、それは殆どが大商人であり、中小の商人利益のため、半ばバザールでは黙認されていた。




 ……と、立ち寄った露店の店主が苦笑いしながら、グリアに教えた。


 「――なるほど、それはいい。俺も武器が欲しい」


 グリアは、疲れた顔色を隠そうともせず、死んだ魚の目を向けた。北方生まれの彼には厳しい。


 基本的に、運河に沿って点在する緑の地帯と、それを囲った岩盤質の地帯、砂漠地帯と分かれている。
 このバザールは運河に沿った緑の地帯である。また、南方地方に近い場所のために太陽が近い。年間気温は35度以上であるが、降水量はあまりない。とはいえ、近くの運河、さらに地下水を利用するため、水に苦労することもない。


話しを区切るように、右手を挙げ、
 「なあ、最新の……今話題にのぼっている話しはないか?」


 グリアは懐から金貨を3枚取り出した。


 露店商人は少し、グリアを値踏みするような目つきで眺め、靴のほうで目をとめた。


 それからため息をつき、




 「よし、わかった。おれも、商人の端くれだ。金の大小でホイホイ商売するのはクソの商人だ。プライドのある商人は顧客を選ぶ。選ばない商人は長続きしない。あんたは、みたところ、どこかの主だろ?」


  饒舌に、ニコニコとグリアに語る。


 商人は空手で金貨を要求した。


 複雑な顔をしながら、金貨を渡した。




 


 










 

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