異世界にいったったwwwww
57
北の門6マリ先で混戦の絶頂を迎えていた。
盗賊の先陣ザル率いる傭兵部隊が突破力となり、本陣を守った後詰を散々蹴散らし、あまつさえ、本陣の喉元に刃を向ける形となった。
「カッカッカ。弱い。こんなものか……。」
物足りなそうにザルは、顔を顰めた。
「貴様ッ、これ以上の狼藉は捨て置けぬ。」
若武者が一陣のうちを潜り、槍で一撃を突いた。
ザルは、ひら、と体を曲げ、牛の上から器用に太い朱槍を捌き、すかさず若武者に応戦する。 ザルの放った穂先が若武者の右肩を捉え、過たず腕を吹き飛ばした。
「……ッ、こんなもの!」
苦痛の色を抑え、腰元の剣で対抗した。
「ほう……久々の勇者だ!」
ザルは牛から降りると、槍を腰の高さにもってゆく。
若武者が「うおおおお」と、大きく振りかぶる。
「遅い!」
ザルは、空気をゴウ、と破り、若武者の首を刎ねて落とした。
胴体はザルの元まで歩いてきた。
だが、そこで途切れたように崩れ落ちた。
「なるほど、遠征軍の武士はかようにあっぱれ、益荒男ぶりを披露するか」 嬉々としてザルは牛に跨る。
その瞬間を見逃さず、朱槍を本陣の天幕に向ける。
その先に、年老いた老将が豁然と立っている。 情勢は今や、盗賊側が優位を占めている。これで負けることはない。
そう、普通であれば、これで遠征軍は打払えるのだ……。
と、北の門の方から、爆音が、雷のような怒りが砂埃として出現した。 「な、なんだ!」
ザルは、本陣を横切り、遠征軍と黒馬の連中の小競り合いの渦中まで赴いた。
無数の馬脚が大地で右往左往としている。
と、遠征軍の人垣を切り分けてやってくる人と牛がいた。
「邪魔だ、邪魔だ! なに、どうなっている。」
丸太の槍を轟々と振り回し、兵隊を弾き飛ばす。
(……なんだあの男は)
グリアは、ボロボロの剣を掲げ、馬首を返す。
「ほう! あんな面白いものがあるのか!」
ザルが腹をゆすり、首を後ろに向けた。すると、遠征軍の本陣を強襲し終えた当賊の3千の兵が自分の後をついてくるのがみえた。
この混乱した状態ではまさに羊の群れに放り込まれた1っ匹のライオンと変わらないだろう。 次々と軍旗を放り投げ、遠征軍はほうほうの様子で逃げてゆく。その様はまさにゴマ粒を撒き散らしたようであった。 その中を、悠々とザルは牛をすすめ、グリアを見つける。
「貴様、黒馬の民か!」
咆哮だった。 それに負けじと、グリアも「いかにも。私はグリアと申す」と手短に答えた。
そうか、と独り言をやったザルは朱槍をグリアに向け、突撃を仕掛けてきた。両者の間には、いまだ遠征軍の敗残兵が人垣を作っていたが、それらを文字どうり蹴散らして突撃した。
「どういうことだ! お前、遠征軍か」
ザルは頭で否定の首振りをした。
(まさか盗賊の援軍が……なぜ!)
そう思いながら、敗残兵の残した軍旗の槍が突き刺さった柄を掴み、応戦する用意をした。
「申し訳ねえが、こちらは憲兵でな。上の命令をきかにゃあ、ならんのだ」
牛の足を止め、両者に上手い距離ができたいた。
「まさか、元々裏切るつもりだったのか。」
「さあ、ただ個人的にはあんたらに同情してんだぜ。」
と言うが早いか、両者の戟が火花を散らした。
盗賊の先陣ザル率いる傭兵部隊が突破力となり、本陣を守った後詰を散々蹴散らし、あまつさえ、本陣の喉元に刃を向ける形となった。
「カッカッカ。弱い。こんなものか……。」
物足りなそうにザルは、顔を顰めた。
「貴様ッ、これ以上の狼藉は捨て置けぬ。」
若武者が一陣のうちを潜り、槍で一撃を突いた。
ザルは、ひら、と体を曲げ、牛の上から器用に太い朱槍を捌き、すかさず若武者に応戦する。 ザルの放った穂先が若武者の右肩を捉え、過たず腕を吹き飛ばした。
「……ッ、こんなもの!」
苦痛の色を抑え、腰元の剣で対抗した。
「ほう……久々の勇者だ!」
ザルは牛から降りると、槍を腰の高さにもってゆく。
若武者が「うおおおお」と、大きく振りかぶる。
「遅い!」
ザルは、空気をゴウ、と破り、若武者の首を刎ねて落とした。
胴体はザルの元まで歩いてきた。
だが、そこで途切れたように崩れ落ちた。
「なるほど、遠征軍の武士はかようにあっぱれ、益荒男ぶりを披露するか」 嬉々としてザルは牛に跨る。
その瞬間を見逃さず、朱槍を本陣の天幕に向ける。
その先に、年老いた老将が豁然と立っている。 情勢は今や、盗賊側が優位を占めている。これで負けることはない。
そう、普通であれば、これで遠征軍は打払えるのだ……。
と、北の門の方から、爆音が、雷のような怒りが砂埃として出現した。 「な、なんだ!」
ザルは、本陣を横切り、遠征軍と黒馬の連中の小競り合いの渦中まで赴いた。
無数の馬脚が大地で右往左往としている。
と、遠征軍の人垣を切り分けてやってくる人と牛がいた。
「邪魔だ、邪魔だ! なに、どうなっている。」
丸太の槍を轟々と振り回し、兵隊を弾き飛ばす。
(……なんだあの男は)
グリアは、ボロボロの剣を掲げ、馬首を返す。
「ほう! あんな面白いものがあるのか!」
ザルが腹をゆすり、首を後ろに向けた。すると、遠征軍の本陣を強襲し終えた当賊の3千の兵が自分の後をついてくるのがみえた。
この混乱した状態ではまさに羊の群れに放り込まれた1っ匹のライオンと変わらないだろう。 次々と軍旗を放り投げ、遠征軍はほうほうの様子で逃げてゆく。その様はまさにゴマ粒を撒き散らしたようであった。 その中を、悠々とザルは牛をすすめ、グリアを見つける。
「貴様、黒馬の民か!」
咆哮だった。 それに負けじと、グリアも「いかにも。私はグリアと申す」と手短に答えた。
そうか、と独り言をやったザルは朱槍をグリアに向け、突撃を仕掛けてきた。両者の間には、いまだ遠征軍の敗残兵が人垣を作っていたが、それらを文字どうり蹴散らして突撃した。
「どういうことだ! お前、遠征軍か」
ザルは頭で否定の首振りをした。
(まさか盗賊の援軍が……なぜ!)
そう思いながら、敗残兵の残した軍旗の槍が突き刺さった柄を掴み、応戦する用意をした。
「申し訳ねえが、こちらは憲兵でな。上の命令をきかにゃあ、ならんのだ」
牛の足を止め、両者に上手い距離ができたいた。
「まさか、元々裏切るつもりだったのか。」
「さあ、ただ個人的にはあんたらに同情してんだぜ。」
と言うが早いか、両者の戟が火花を散らした。
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