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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんとホワイトデー

三月にあるホワイトデー。
バレンタインで犬女ちゃんが
もらって来た大量のチョコ、
そのお返しをどうしたらいいか
純心はずっと気にしていた。


犬女ちゃんがもらったチョコは
そのほとんどが
友チョコであったため
それほど高額単価なお返しを
する必要はないだろうが、
その数は三百個ぐらいある。


さらに犬女ちゃんが
誰からもらったのか、
純心が相手をわからないため
犬女ちゃん自身に
お返しを渡しに行って
もらわなくてはならない。


最悪、学校関係者全員に
配ることになる可能性もある。


果たして
十円、二十円の駄菓子みたいなものを
配って許してもらえるのだろうか、
そのあたりお返しの匙加減も
わからないと言えばわからない。


-


『もういっそのこと、
物で返さなくても
いいんじゃないだろうか…』


発想を変えてはどうかと
考えてみる純心。


『例えば、犬女ちゃんが
肉球触らせてあげるとか…』


バレンタインに
チョコをもらったお返しに
犬女ちゃんが
肉球をぷにぷにさせてあげる…。


『いかん、
なんかちょっとエッチぃ感じだ』


そうなのだ。
それがお返しだと
なんだかちょっとエロチックで
ビッチっぽさを醸し出してしまう。


バレンタインに
チョコをもらったからと言って
おっぱいを触らせてくれる女が
いるだろうか?
もしいるならいるで、
どこにいるのか
是非連絡先を教えて欲しいものだ。




おっぱいと犬女ちゃんの肉球を
等価値と考えるからビッチぽく
思えてしまうのではないだろうか。


では、掌にあることだし
肉球ぷにぷにを
握手だと考えればどうだろう。


バレンタインに
チョコをもらったお返しに
犬女ちゃんが
握手(肉球ぷにぷに)してあげる。


『……アイドルか?』


なんだかCDを買ってもらったお礼に
握手をしてくれるアイドルのようだ。


もしくは地方巡業で
CDを手売りしている
演歌歌手か。


純心的には
犬女ちゃんの肉球ぷにぷには
アイドルの握手会並みの
価値があると思うのだが、
果たしてみんなにそれで
納得してもらえるのだろうか。


-


しかし肉球のアイデア自体は
悪くないよう気がする。


犬女ちゃんの肉球は
チャームポイントでもあるし
トレードマークでもある。


以前、肉球スタンプを押した色紙を
手書きお手紙の代わりにしたこともある。


チョコに名前を書く
という話しではないが
これほど送り主が明白な
送り物というのもないだろう。


『あぁ、犬女ちゃんからの
プレゼントだなぁ』
見た瞬間に誰もが
そう納得してもらえること
請け合いである。




犬女ちゃんに協力してもらい
手の型を取り、金型をつくる純心。


そこへバレンタインでもらった
大量のチョコを溶かして流し込み、
犬女ちゃんの肉球手形チョコレートを
試しに作ってみる。


犬女ちゃんの手形が
想像以上に大きかったため
金型を小型サイズに改良して見たり、
それなりに結構楽しんでいた。
こうした工作やらは
割と好きなほうだ。


『犬女ちゃんが
もらって来たチョコを
カタチを変えて
返却しているだけのような
気がしなくはないが、
これで勘弁しては
もらえないだろうか』


多少の後ろめたさは残るが
予算もないし仕方がない。


『それでも
これ三百個以上つくるんだよなあ』


数を考えると
憂鬱以外の何モノでないが。
そこは諦めるしかない。


いつもの女子メンに手伝ってもらい、
出来たチョコを個別ラッピングして
ホワイトデーのお返しを
なんとか三百個用意する。


-


「あのさー、
犬女ちゃんの肉球グッズとか
つくって販売したら
結構人気出るんじゃないかなー」


手伝っていた夏希はいつも
軽いノリで思いつきを口にする。


「犬女さんの肉球グッズですって?」


しかし夏希の言葉に
目を輝かせて反応する生徒会長。


「よろしくてよ!
犬女さんの肉球グッズをつくって
我が校限定グッズとして
大々的に売り出しましょう!」


『もうそれ普通の学校じゃねえだろ!』


生徒会長の商魂、才覚が一気に
目覚めてしまったのだろうか、
なぜ学校でオリジナルグッズの
販売をはじめる必要があるのか、
まったくもって謎である。


高校受験に来た受験生の
受験記念に売りつける
気でもいるのだろうか。
この学校は一体
どこを目指しているのか、
方向性が間違ってないかと
いろいろ不安にさせてくれる。


犬女ちゃんのグッズ。


『……やっぱりアイドルなのか?』


あくまで肉球の話だが、
グッズがつくられるなんて
確かにアイドルっぽい。


『でも、犬女ちゃんの肉球が
グッズ化するんだったら
利権とか発生するのか?』


懐疑的でありながらも、全国行脚で
まるで営業の真似事のようなことを
していた純心も、まったく
食いつかないわけではない。


よくあるアイドルモノアニメ、
その劇中アイドルは
グッズ販売の利権などは
どうなっているのだろうか
などとゲスい考えも浮かんで
来ようというものだ。




そんな人間のゲスい考えは
我関せずという
犬女ちゃんの穢れなき瞳を見て、
『いかんいかん』と考えを改める純心。


それでも生徒会長が
試しにグッズをつくって
ネット販売したところ
海外の『カオル』ファンをはじめ、
国内でも好評で即完売してしまった。


『もうじき
あんたも卒業なんだから、
頼むから大人しくしてろって!』


そう、そんな生徒会長も高校三年生。
学校を卒業する日も、
もうすぐそこまで近づいて来ていた。


そして
犬女ちゃんの肉球グッズである
肉球ストラップが
卒業の記念品と一緒に配られると
卒業生は大層喜んでくれたという。











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