犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんとクリスマス(7)/12月24日

外でのオリエンテーションを終え、
室内に入って来るお年寄りと子供達。


この後は、
室内ステージの演目などを見ながら、
お昼ご飯を食べる
という段取りになっている。


『これ一体どんな
ディナーショーなんだよ』


まぁ夜ではないので
ランチショーなわけだが。




そこで純心はまた
驚愕の事実を知ることになる。


劇の準備をしに
ステージ袖まで来ると
ちょうど演目の一番手が
舞台に立ったところだった。


「どうもー!
双子の犬女ちゃん姉妹でーす!」


純心はステージ袖で
思わず声を上げそうになる。
どうやら夏希と犬女ちゃんが
コンビを組んで漫才をするらしい。


『犬女ちゃんが漫才をするだと?!』


「あたしがお姉ちゃんでーす!」


「わん!」


『!』


夏希のセリフの後
犬女ちゃんが
夏希の肩を手で叩いて
ツッコミを入れている。


「え、お姉ちゃんは
私じゃないかって?」


「あれー
そうだっけ?」


犬女ちゃんのセリフは
夏希が代わりに喋る
猿回し風スタイル。
タイミングさえ
マスターしておけば
確かに犬女ちゃんでも充分出来る。


『こいつらいつの間に
こんなの練習したんだ』


驚くのはその
息ピッタリのコンビネーション。


『犬女ちゃんは
ついに演芸にまで
手を出してしまうのか』


純心は困惑していた。
犬女ちゃんは一体どこを
目指しているというのか。


その後はアクロバティックな
動きを犬女ちゃんがやってみせて
「そんなの私も出来るもん」
とばかりに夏希が真似してみせるが
失敗して変なことになり
会場の大爆笑を誘う。


子供達にも大変わかりやすし
可愛らしくて好かれやすい。
美少女二人がやっているのだから
お年寄り、特におじいちゃんもニッコリ。


『完璧だな、おい』


-


純心の出番、その一つ前は
体育会運動部による演目だったが、
今さらながら舞台袖で
出演者が何をやるか
焦って打合せをしている。


「やべぇぞ!
下ネタは禁止らしいぞ!
やることねえぞ!」


「マジか!
どの辺ぐらいまでダメなんだ?」


「全面的にダメみたいだぞ!
子供達いるし、今食事中だからって」


「クッソ!
うち下ネタ禁止だとやることないぞ!
どうすんだよ!」


『お前らは舞台で
一体何をする気だったんだ!』


体育会の宴会芸と言えば
ほぼ下ネタか下品なネタ
というのが定石である。
高校生はまだそうでもないが、
大学生ぐらいになると本当にひどい。
まず裸は当たり前、
公然わいせつ罪で捕まりそうな
レベルだったりすることもある。


「子供って、
○○○とか△△△とか言うの好きだろ、
それぐらいはセーフなんじゃないか?」


『だから今
食事中だって言ってんだろ!』




そうこうしているうちに
出番が来てしまった体育会。


純心はもうハラハラどきどきで
違った意味で舞台から目が離せない、
もう視線くぎづけである。


とりあえずは舞台で
上半身裸になって
筋肉ぴくぴく動かしたり
ポージングを決めてみせたりしている。


予想外なことに体育会の筋肉に
おばあちゃん達から黄色い歓声が上がった。


『おばあちゃん達も
そういうのいける口か、
最近のおばあちゃんは若いなぁ』


その後、下ネタが出来なくて
時間が余った体育会の人達は
舞台袖にいた犬女ちゃんを呼んで、
口に綱を咥えた
犬女ちゃんと綱引き合戦、
バク転、バク中の応酬、
体力勝負などして
なんとかその場を持たせた。




体育会の出し物が終わると、
大道具等の準備をしてから
純心達の出番である。


袖から舞台に出て純心は驚く。
ネット動画ライブ配信用のカメラが数台、
部屋の壁際に並んでいたからだ。
当然それは全国の人々が見ることになる。
ネットでの動画配信なので
見る人が少ないとは言え。


緊張するよりも真っ先に
純心の頭をの中をよぎる考え。


『体育会の奴ら、あやうく下ネタを
全国に配信するところだったのか?』
『逮捕されるとこだったぞ』


さらに改めてよく考えると
ここまでの演目の
ほとんどに犬女ちゃんが
出演していることに気づく。


『お前の自立って、
曲芸犬になるとか
そういうことなのか?』











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