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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんとクリスマス(4)/サンタとトナカイ

事前にソリを引く練習を
することになる犬女ちゃん。


想定されるプレゼント、
その重量分の砂袋を
ソリに載せると
砂袋の高い山が出来上がる。


さすがに犬女ちゃんも
一人ではそんな重量を
引くことは出来ない。
犬女ちゃんが
腰を壊したりしないか
純心も心配で仕方ない。


『なんでプレゼントが
そんなに重いんだよ』


事前に集められて
保管されている
プレゼント置き場の倉庫を
純心が確認しに行くと、
家具、家電の重量級を
はじめとするいろんな物が
山のように積まれている。


冷蔵庫、洗濯機、掃除機、
テレビ、ノートパソコン、
タンス、テーブル、椅子、その他
家電量販店並みの品揃えである。


『なんでクリスマスプレゼントに
タンスとか入ってるんだよ!』


『これ要らない人に当たったら
ただの嫌がらせだろ』


今回の協賛・スポンサー、
クリスマスパーティーが
ネットを使ってライブ動画配信され、
それを各界の著名人が
観るということを知って、
ちょっと張り切り過ぎてしまった。


グループ会社で扱っている商品を
すべてプレゼントにして
アピールしようということらしい。


クリスマスパーティーを
通販番組にでもしようという気なのか。


今なら送料無料は当たり前。
犬女車がプレゼントを運送して
屈強なマッチョ男子学生が
お部屋までお運びいたします。


もしくは
クリスマスプレゼントというより
お正月の福袋の中身と言ったほうが
いいかもしれない。




『これ子供に
タンスとか当たったら、
普通に子供泣くだろ』


その心配はもっともであったが、
子供用のプレゼントはちゃんと
子供達が欲しがっているものが
用意されていると聞いて
とりあえずは安心する純心。


まぁ確かにこれだけ大規模で
贅沢なパーティーが出来るのも
スポンサー様のお陰ではあるので
そこは文句は言えない。
妙なところで物分かりがいい純心。


しかしさすがに
この分量を犬女ちゃんが
ソリに載せて一人で引くのは
無理というものだ。


-


重いプレゼントは
別で運ぶことにするにしても、
ソリと言うのは
雪の上を滑るようにして
走るものなのだから
まだ雪が降っていない今、
ソリを引きずって
走るのはどうだろうか
という意見が
スタッフから上がった。


こういうそもそも論みたいな
ことを言い出すやつは
結構どこにでもいるものだ。


「それならいい物がありますわ」


お嬢様は顔の前で手を合わせ、
ここぞとばかりに目を輝かせる。


スタッフのみんなを待たせて、
犬女ちゃんを連れて
倉庫に向かうお嬢様。


純心はちょっと嫌な予感がする。
こういうときのお嬢様は
たいがい天然なほうのお嬢様だ。


「浅草に行ったときに
犬女さんが大変気に入ってらしたので
クリスマスプレゼントにと思って
用意させていただいておりましたの」


『浅草と言って思い出されるのは』


そう思ったときには
すでに犬女ちゃんが
喜んで人力車の車を引いて
走り回っていた。四つ足で。
めちゃめちゃ尻尾を振って
嬉しそうにしている。


純心はいつものように吹き出した。


しかもよく見ると
以前浅草で乗ったときの車と
まったく同じものだ。


『あれ、買い取りだったんかい!』


『どうりで
人力車屋さんも気前よく
貸してくれるもんだと思ったんだよ』


お嬢様からの犬女ちゃんへの
心を込めたクリスマスプレゼントは
人力車の車ということになるらしい。
心を込める方向性が絶望的に
間違っていないだろうか。




トナカイの格好をした
犬女が引く人力車に
乗ってやってくるサンタクロース。


『どうすんだよ、これ』


人力車の和の個性が強すぎて
西洋のクリスマス感がまったくない、
下手するとちょっとした
妖怪か魔物のようにも見える。




いつものごとく
全力でどんどん間違った方向に
突き進もうとしているのが
純心にはわかってはいた。


しかし純心一人にそれを
止められるだけの力はなかった。




それと、とても
大事なことに気づく純心。


『その車
プレゼントにもらっても、
家に置くとこないからな』


-


その後も試行錯誤は延々と続き、
結局、
犬女ちゃんがトナカイになって
人力車に純心サンタを乗せて走り、
その後を屈強マッチョな男子学生達が
プレゼントを載せたソリを
引いて走ることになる。


ある意味一番最悪なパターン。


その見た目はもはや
何の集団なのかよくわからない、
まったくのカオス。
どこか不気味でアングラな
匂いすら漂わせていて、
子供達に見せてはいけない
もののような気がしてならない。


『サンタ』『トナカイ』『ソリ』


必要な要素はすべて揃っているのに
何かが著しく大きく間違っている。


『これ子供が見たら
トラウマになるだろ』


とんでもないカスタマイズ、
魔改造をされた
トナカイとソリとサンタクロースが
出来上がったわけだが、
純心には子供が泣く未来しか
想像出来なかった。











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