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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんとクリスマス(3)/サンタとトナカイ

クリスマスパーティーの
準備が着々と進められていく。


生徒会長の許可のもと、
パーティーに必要な物は
一旦学校の倉庫に置かれ、
前日の二十三日に
会場となる老人ホームに運ばれ
設営されることになっている。


設営という言葉が、
何かとんでもなく
大掛かりなものを予感させる。




倉庫で必要な物を
確認している純心とスタッフ一同。


そんな中、
また夏希が面倒くさい
ことを言い出した。


「やっぱり
せっかっくなんだからさ、
サンタクロースとトナカイも
必要だよねー」


そう言われれば
最初はお嬢様が
サンタクロースの
コスプレをするとか
言っていたような気がする。


「やはりサンタクロースは
純心くんがいいんじゃないかな」


図書委員は純心を押すが、
今回に関しては
純心ではなくても
それこそ運動部の男子でも
誰でもいいわけで
なぜ自分が推されるのか
純心もよくわからない。


「そうですわね、
トナカイさんがあれだけ
やる気ですと」


お嬢様の目線の方を純心が見ると、
犬女ちゃんがすでにトナカイの恰好をして
やる気まんまんでスタンバイしていた。


純心は思わず吹き出した。


頭にはトナカイの角を、
丸くて赤いトナカイの鼻を付け
茶色い衣装を着ている犬女ちゃん。


遠目から見ると
トナカイのコスプレをしている
人間の美少女にしか見えない。


はじめから夏希はそのつもりで
犬女ちゃんをトナカイに
変身させていたのだ。


別に純心もサンタクロースに
なるぐらいはやぶさかではなかった。
むしろまた『忠犬ハチ公』で
演技をしなくてはならないほうが
はるかに気が重い。


「でもさ、
サンタとトナカイが
歩いてやって来るってのも
なんか間抜けじゃないか?」


確かにサンタクロースと
トナカイが徒歩で近寄って来て
「どうもサンタでーす!」
と言ってみたところで
まったく様にならない。




「確か学校の倉庫に
ソリがあったんじゃないかな…
ちょっと剛田先生に聞いてきますね」


生徒会メンバーからの
意外な返事に驚く純心。


『この学校、なんかときどき
変なもんが平然と出てくるよな』


-


剛田先生に言われて
グランドで待っている
純心と犬女ちゃん。


そこへ体育会運動部の
ガタイのいい、いかつい男子達が
ソリを引っ張りながら、
純心達の方へ向かって来る。


純心が想像した以上に
大きくて重そうで
立派なソリである。


ますますそんなものが
何故学校にあるのか
疑問は増すばかりだが。


「ハハハ、
このソリに部員が乗って、
それを引くというのが
運動部名物の特訓でな」


『特訓かよ、
だから体育会は苦手なんだよ』


腰に結わいたロープで
タイヤを引いて走る、
足腰を鍛えるトレーニング
みたいなものだろう。




いつもは引く役を
やりたがる犬女ちゃんだが、
なぜかそのときだけは気まぐれに
そのソリの上に飛び乗る。


今引く側にまわるには
屈強で汗臭そうな
男子学生との接触不可避だから、
おそらく今回は
乗るほうにしたのだろう。


男子学生達が引くソリに
犬女ちゃんが乗っている光景。


偶然それを見た小夜さよこ子先生は歓喜する。


「さ、さすが犬女様…
あんな屈強でマッチョな男どもに
お乗り物を引かせて、
まるで愚民を顧みない
世紀末覇者のようにその上に
ふんぞりかえっておられるとは…」


一体その詳細な設定は
どこから出て来たのであろうか。
犬女に支配された世界で
人間達が奴隷として働かされている
SF映画の一場面のようにでも
小夜子先生には見えるのか。


とりあえず
小夜子先生のことは
このままそっとしておいて
あげたほうがようさそうだ。


-


運動部男子達が
数人がかりで運んで来たソリを
犬女ちゃんは一人で楽しそうに
走り回って引いている。


「ハハハ、さすがチャンだな!
パワーが人間離れしているじゃないか!」


本当に人間ではないのだが。
剛田先生はさっきから
本当の人間が四つん這いで
走り回っているとでも
思っているのだろうか。




純心は以前、
犬女ちゃんの犬の要素部分は
何犬になるのだろうかと
秘かに考えていたことがある。


最初は
その愛嬌がある可愛らしさからして
柴犬か秋田犬など
ではないかと思っていたが、
最近では犬ソリなどに向いている
シベリアンハスキーなどではないかと
思うようになって来ていた。


ときおり発揮される
犬女ちゃんの底力、
パワー、耐久力、持久力、
そして美しく気高い野生。
いつもは天然だが
本当は芯が強い犬女ちゃんだから
純心はそう思うのかもしれない。











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