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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんと東京(7)/浅草

浅草近辺にある
大学に行くと言ったら
お嬢様もついて来たい
と言い出した。


帰国子女で
海外生活が長かったお嬢様は、
日本の伝統的な文化に
常日頃から
興味関心を持っている。




大学訪問を早々に終えると
純心と犬女ちゃん、
そしてお嬢様は、
早速浅草へと繰り出す。


近くには
最近流行りの観光名所
スカイツリーなどもあるのだが、
今回は時間の関係もあり、
お嬢様が見たがっている
雷門付近をメインで回ることにした。


今回は今までの
新宿・渋谷・池袋などと違い
下町系であるためか、
犬を連れて歩いている人
なども見かける。


なので犬女ちゃんも
浅草ではイオちゃんではなく、
四つ足の犬女ちゃんで
行動しても問題はないだろう。




雷門付近には、
訪日外国人・観光客が多数おり、
金髪碧眼であるお嬢様が
その中に混じっても
まったく違和感はない。


犬女ちゃんに反応して、
英語で声をかけて来る
外国人さんもいたが、
そういう人達には
お嬢様がすべて英語で
受け答えしてくれていた。


「Oh! カオルサン!」


PVを見たと思われる
外国人が犬女ちゃんを
また名前を『カオル』だ
と間違えていた。
もうこの際、犬女ちゃんは
源氏名をカオルにしても
いいかもしれない。
あのPVの
外国人受けの良さも
異常なものがある。




浅草のシンボルと
言っても過言ではない
『雷門』のでっかい
赤い提灯を見ながら
門をくぐって、
仲見世通りを進む。


仲見世通りにある
お土産屋さんの人達は
犬女ちゃんを見ると、
店頭に置いてある
試食品の人形焼きなどを
タダでくれた。


こういうところでの
犬女ちゃんの
食べ物をもらえる率も
尋常ではない。
ついつい食べ物を
あげたくなるような
存在なのだろうか。


そこから
浅草寺の本堂や
五重の塔を見て回り、
お嬢様は日本の情緒体験を
すっかり満喫していた。


とここまでは
普通の観光のような
ものだったのだが。


-


名物のすき焼きでも
食べて帰ろうかと
純心とお嬢様が話していると、
犬女ちゃんが
そばを通った人力車に
ただならぬ興味を示した。


「まぁ、いいですわね
私も一度乗って
みたいものですわ」


普段高級車で
送迎してもらっているお嬢様。
わざわざ人力の車に
乗らなくてもいいだろうと
純心は思うのだが、
そこは日本情緒を
体験したいということだろう。




犬女ちゃんは
観光客向けの人力車に
興味津々のようで、
目を輝かせて
じっと見つめている。


『まさか、犬女ちゃんが
人間が引く乗り物に
興味を持つとは思わなかった』


社会的にはケモノ
扱いされている
犬女ちゃんが
人力車に乗って、
人間がそれを引くというのは
どっちが上位生物なのか
よくわからないことに
なってしまうではないか。


純心はそう
思っていたのだったが、
それはまったくの勘違いだった。




犬女ちゃんが
興味津々だったのは
人力車を引くほうだった。


近くに置いてあった人力車、
その台座とつながっている
柄のところを
引っ張るポーズを取り
アピールする犬女ちゃん。


「犬女さん、
あの人力車を
引いてみたいのですね」


やはりそこは犬の血が
入っているからなのだろうか。
瞬時に乗るよりも引くことを
選んでしまうあたり
人間ではなかなか
出て来ない発想だ。




とはいえ、
人力車屋さんも
お店の大切な商売道具を
そうやすやすと
犬女ちゃんに
引かせてくれるはずもない。


まぁここは犬女ちゃんには
諦めてもらうしかないだろう。
純心がそう思っていると、
お譲様がお店の人と
勝手に交渉をはじめていた。


しかし
さすがにこればかりは
いくらお嬢様でも無理だろうと
純心は思っていたが、
そう時間もかからずに
お嬢様がオッケーを
もらって来たので、
犬女ちゃんは人力車を
引かせてもらることになった。


お店の人が提示した言い値を
プラチナカードで払ったら
快く貸してくれたという。
おそらく相当ふっかけられて
いたのではないかと思われるが、
さすが大金持ちのご令嬢。
むしろお嬢様の金銭感覚が
心配になるレベルだ。




犬女ちゃんは人力車を
引けることになって
嬉しそうに尻尾を振っている。


犬女ちゃんの中に眠る
遠い昔から続く犬の遺伝子が
そうさせているのだろうか。











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