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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんと東京(5)/池袋乙女ロード

今日は図書委員も一緒だった。


本日は日曜なのだが、
池袋近辺の大学で
講演会があるので
ゲストとして
参加して欲しい
という話になっていた。


普段犬女ちゃんと
どう接しているか
学友の話も聞きたいという
先方の要望もあり、
図書委員が猛烈に志願した
ということもあって、
今回は犬女ちゃんと純心、
そして図書委員の三人で
出向くことになったのだ。


純心は正直、
これはアルバイト代
もらってもいいだろうと
最近思いはじめている。


交通費と食事代支給を
いいことに結構いろいろ
食べまくっているので、
それなりにいい思いも
してはいるが。


文化祭からこのかた、
犬女ちゃんのマネージャーに
なったような気がして来ている。


悪く言えば、
犬女ちゃんが体を張って
稼いだ来てくれる食事代で
贅沢な食事をする
まるでヒモではないのか、
という気がしなくもない。


犬女ちゃんも
純心のためなら喜んで
体を張って稼ぐのだが、
この言い方だと
純心はとんでもなく
屑男のように
間違われてしまう。


-


図書委員、
今回の同行には
それなりの目的があった。


池袋には
乙女ロードや奥池袋と呼ばれる
女子オタ向けの聖地があるのだが、
図書委員はそこに行きたいらしい。


本来文芸少女であったはずの
図書委員がなぜそこに
興味を持っているのか
というのにもちゃんと理由がある。


WEB投稿サイトに
いろんな小説を書いては投稿して
迷走を繰り返していた図書委員だが、
ついにそこそこ人気がある
作品を生み出した。


純心も図書委員には内緒で
こっそり読んではいたが、
物語もちゃんと
犬女ちゃんと自分達の話をベースに
よりドラマチックにヒロイックに
脚色され描かれ、
構成もよく練られていた。
犬女ちゃんのここまでの半生が
しっかり描かれていた。


逆に自分達の日常が、
赤裸々に大衆に晒されているようで
恥ずかしいと思う気持ちもあった。




ただひとつ難点があるとしたら、
それは登場人物が
全員男だということだ。


『犬女ちゃん』は
『犬男くん』として
オスの設定にされており、
幼馴染の爽やか
スポーツマン男子、
転校して来た
帰国子女の金髪美少年、
クール系ツンデレ
美少年生徒会長、
中二病の年下美少年、
犬男くんラブな
変態イケメン先生、
寡黙な読書好きな少年、
すべて男しかいなかった。
しかも全員美形という設定だ。


しかも純心だけは
『純心』という実名で
男主人公扱いだった。


要するにボーイズラブ、
いわゆるBL風に
『犬男くん』という
ハーレムラブコメディを書いたら
何故か一部マニアに
大受けしてしまったのだ。


そのマニアの心を
つかんで離さない
独特の心理描写からして
図書委員も元々そういうのが
好きだったのではないか
と思われる。




純心は正直
微妙なところだった。
図書委員がサイトに
小説を投稿していることは
知らないことになっているため、
口には出すことも出来ないが。


ジェンダーフリーが
叫ばれているこのご時勢、
別にBLであるということを
どうこう言うつもりはない。


LGBTと言われる
レズビアン、ゲイ、
バイセクシュアル、
トランスジェンダーの
頭文字をとった表現も
最近では認知されはじめている。


話もよく書けているし、
今までそのジャンルに
まったく興味がなかった
純心が読んでも面白いとは思う。


だが、とりあえず
自分の実名を使うのだけは
やめて欲しいところだ。


しかし投稿小説のことは
知らないことになっているため、
言うにも言えない。


せっかく人気が
出て来たところだというのに、
自分がそれを言ってしまったら
連載を打ち切りに
せざるを得ないだろう、
もちろんそれも
可哀想だという気持ちもある。


純心もいろいろと忸怩たる思いだ。


-


図書委員に付き合って、
某大手アニメショップに
やって来た純心は愕然とした。


『やばい、俺はまた
女全般に隠し事をされていた』


その日は日曜日でもあり、
女子に大人気の
アニメイベントなどが
行われていたこともあり、
大勢の人が集まっていた。
人というよりは
ほぼすべて女子だった。


ショップ店の前だけに限らず、
すぐ斜め向かいにある
公園にも女子しかいない。


『なんてこった!
東京にはこんな女子しかいない
秘密の花園があるだなんて、
やはり魔都東京おそるべし』


中学生のとき
女の子の日をはじめて知り、
地球上の全女性に
自分はだまされていた、
この世界に陰謀説は存在する
と信じたぐらいに
多感な少年だった純心だけに、
その光景には
久々に衝撃を受けた。


こんなのは
人気男子アイドルグループの
コンサートぐらいでしか
見られないものだと思っていた。


「ちょっと一緒に
中に入ってもらえないかな?」


「は?」


図書委員の言葉に
純心はびびった。


『こんな女だけしかいない
秘密の花園に俺が入るのか?』


女子だけの甘い
秘密の花園なのか、
女戦士アマゾネスの巣窟なのかは、
入ってみなくてはわからない。


純心としては
図書委員を待っている間、
近くにある高層ビル内の水族館で
犬女ちゃんとペンギンさんを見ながら
ほっこりする予定だったのだ。


中にはイベント用に
コスプレしてきている女子もおり、
犬女ちゃんはもう一回ハロウィンを
やるのかと思って、はりきっていた。











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