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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんと人気者

犬女ちゃんは、
平然と校内を一人で
歩けるようになっていた。


「あ、犬女ちゃん、
今日は一人なの?」


「お、犬女ちゃんか」


みな犬女ちゃんを見掛けると
声を掛けたりと反応したが、
驚くようなことも
ちょっかいを出して
からかうようなことはしない。


もちろん心配性の純心が、
一人で歩かせるようなことは
ほとんどしなかったが、
一人で歩いていても
トラブルになるような
ことはなかった。


探し物やら文化祭やら、
いろんなことを通じて
犬女ちゃんは校内の
ポジションを確立し
はじめていたと言える。


特に、やはり文化祭での
活躍は非情に大きかった。
文化祭で一気に人気者になった
と言っても過言ではない。


いつしか生徒みんなにとって
校内に犬女ちゃんがいる風景、
日常が当たり前のこと
のようになっていた。


-


相変わらず、生徒から
探し物や落とし物の類は
よく頼まれる犬女ちゃん。


最近では、
新たに探し人という
レパートリーが加わっていた。


校内で人を探しているとき、
犬女ちゃんに頼むと
すぐに見つけてもらえるのだ。


探している人の
匂いさえわかれば、
その匂いを辿るのは
犬女ちゃんにとっては
お手の物だった。


問題はどちらかというと、
探している人の
匂いがついた物があるか
どうかということだった。


だからそんなに頻繁に
頼まれることはなかったが、
それでも困ったときには
すごく助かると評判だった。


-


匂いということで言うと、
犬女ちゃんにはもう一つ
不思議な能力があることが
わかりつつあった。


犬女ちゃんには、なぜか
ケガをしている人がわかるのだ。


一番わかりやすいところで言うと、
ケガをして流血している人である。


犬女ちゃんにとっては、
血の匂いというのは
すぐにわかるらしく、
誰かがケガをして
血を流していたりすると
すぐに姿を現して、保健室まで
連れて行ったりしてくれる。


怪我人が一人で
歩けないようなときは、
二足歩行で肩を貸して
くれたりもする。


あまりにひどいケガだと
人手が必要となるため、
人を呼びに行ったり、
保健医の日向先生を
呼んで来てくれることもある。


血の匂いを間違えて、
たまにケガしていない
女子のところに
行ってしまうこともあったが、
それぐらいは誤差の範囲、
許してもらえることだろう。




ただ、犬女ちゃんが不思議なのは、
血が出ていなくても、
ケガをしている人が
わかるという点にあった。


ケガをしている人間
というのは、
健康な人間とは
何か違う匂いでも
するのだろうか。


確かに内臓の病気などであれば、
そういうことはあるのかもしれない。
人間の体臭などは内臓器官の具合に
よるところが大きいであろう。


不思議なのは、
筋肉や筋、骨の異常などの場合も、
犬女ちゃんにはわかるということだ。
やはり匂いの問題なのか、
それとも野生の本能的な直感なのか。


もしかしたら、
人間には見えなくて、
犬女ちゃんにしか見えない何かが、
あるのかもしれない。


-


普段保健室にいることが
多いということもあって、
学校の生徒達からは、
『保健室の救護班』的な
扱いを受けることも多くなった。


日向先生に
指導してもらうようになって、
救助犬やら介助犬と言った
人間のパートナーとして
立派に役に立つように、
そうした役割を果たすための
指導を受けているからではないか
と純心は分析している。


今の自分より余程
犬女ちゃんのほうが
人の役に立っていると考えると
凹んでしまうこともある。


犬女ちゃんの成長が
嬉しくもあったし、
なんだか自分だけ
取り残されてしまったようで
少し寂しくもあった。


純心もまた犬女ちゃんほどでは
ないにしろ、少なからず、
他人に影響を与えているのだが、
本人はまったくそれに
気づいていなかった。




犬女ちゃんは、
学校の人々に認められ、
みんなから愛される
人気者になりつつあった。











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