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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんと保健室

保健医の日向先生。
彼女が犬女ちゃんの
先生にあたる教育係だった。


ありのまま、あるがまま、
普通に犬女ちゃんのままで、
人間と同じように
生活を送れるようになるためには、
盲導犬や介助犬と同等の
認定資格を取る必要がある。


その人材を学校側は
用意していると言っていたが、
それが保健医の日向先生というわけだ。




人間と同じ室内授業を
受けない犬女ちゃんは、
これから基本的には
保健室に居ることが多くなる。


体育の授業には、
どのクラスにも関わらず、
積極的に参加する、
ということになっていたが。


そんな訳で、
新学期の二日目、
純心は朝から犬女ちゃんを
保健室に連れて来ていたのだった。


学校内で犬女ちゃんと
離れ離れになることに、
純心は心配していたが、
こればかりは仕方がない。
保健医の日向先生を
信用するしかなかった。


-


「しかし、
こんな子が保健室にいたんじゃ、
授業さぼって保健室に来る男子が
今以上に増えそうだね」


日向先生は笑いながらそう言うが、
純心は気が気ではない。


授業さぼって保健室に来る男子って
誰だろうかなどと、
思い当たりそうな奴を考えてみる。


「まぁ、冗談だよ。
こう見えても一応は、
名門有名私立だからね。
大学進学を考えてる子ばかりだから、
保健室にさぼりに来る子なんてないよ」


純心があまりに真剣に考えているので、
小夜子先生はフォローしておいた。


-


「しかし、こんだけ可愛くて
おっぱい大きいと、
触らせろとか言う男子いるでしょ?」


純心はすぐに
メガネの顔を思い浮かべた。


「えぇ、まぁ…」


「でも、そういうときは、
こう言うようにしてます」


純心は得意の
お姉ちゃんのおっぱい理論を
日向先生に聞かせる。


「例えば、
お姉さんのおっぱいが
デカイからと言って、
お姉さんのおっぱいを
揉ませてくれと言ったら、
お前は揉ませてくれるのかと。
俺と犬女ちゃんは、
兄弟も同然でだから、
そう言われているのと
同じことだと。
それで、まあ
わかってはもらえます」


「そうかな?
あたしだったら、
好きに揉んだらいいよ、
って言うけどな」


日向先生は平然とそう言った。


「え?」


『やばい、
もしかしてまた変な人なのか?』


小夜子先生が変な人だと
判明したばかりなのに、
これで日向先生まで
変な人だったら目も当てられない。
純心はどうかまともな人で
あって欲しいと願う。


「だって、私の姉って
あんた達の担任の変態女だよ」


「え?」


保健医の日向先生が、
小夜子先生の妹であることを
純心ははじめて知った。


そういえば、
名字が同じだったような。


「あいつのことだから、
それはそれで辱めがどうのとか、
なんだかんだ喜ぶと思うんだよね」


『それ昨日言ってました』


大人になりたくないと、
純心は若干本気で
思いはじめている。
大人になるのがおそろしい。


-


あんな派手なセクシー路線の
小夜子先生と、
一見大人しそうで
地味目な日向先生が、
まさか姉妹だとは
まったく思ったこともなかった。


「そ、そうだったんですね、
姉妹かぁ、
でも全然似てないですよね?」


「それ
よく言われるんだけどね、
スッピンは結構似てるのよ。
あっちが念入りに化粧して、
着飾っているだけで」


毎日、イオちゃんを見ている
純心だけにそれはわからなくはない。


「あ、あの、
絶対ここだけの話にして
欲しいんですが、
ちょっとご相談が…」


純心は思い切って、
昨日の小夜子先生の話を
その妹である日向先生にしてみた。


「ははははは!
どうりで最近ずっと
犬女ちゃんの話ばかり
しているはずだ!」


「まぁ安心しなよ、
あれは度し難いど変態だけど、
根は結構いいやつだからさ。
きっとあんた達の
心強い味方になってくれるはずだよ」


純心はなるほどと思う。
確かに学校の先生に、
熱狂的な犬女ちゃんの信者がいる
と考えれば心強い。


「まぁ、あのど変態にも、
他の色気づいた男子にも、
あんたの大事な犬女ちゃんを
触らせるようなことはしないからさ。
あたしが大事に預かるから、
大船に乗った気で安心しなよ」


なんだかこの姉妹は、
二人合わせると、
まるで自分の母のようだ、
なんとなく純心はそう思う。


母のやることが派手で、
トラブルメーカーぽい
ところは小夜子先生、
豪快で男前のところは日向先生、
そんな気がしないでもなかった。


-


「しかし、この子は
随分と頭のいい子だね。」


「複雑なのは無理にしても、
簡単な人間の言葉なら、
この子はすべてちゃんと
理解出来てるんじゃないかな」


犬女ちゃんと
少しコミュニケーションを試みた
日向先生は驚いたように言った。


「生まれてすぐに、
人間と一緒に
暮らすようになって、
それからずっと
人間の子供と同じように
育てられたからかね。
おおよそ人間の気持ちを
わかってるみたいだし」


純心はその発言で
思い出したかのように、
自分が出会ってから、
夏休みの試みまでのことを
日向先生に話した。


「うんうん、
なるほどねえ、
愛だね、愛」


「愛?」


「愛と言ったって、
男女の恋愛だけじゃなくて、
家族愛とか兄弟愛とか
友愛とか、いろいろあるだろう。
お互いにそこまで出来るってのは、
やはり愛だよ、愛」


愛という言葉が
純心にはいまいち
ピンと来ていなかった。


「いずれにしても、
この子なら資格認定を取るのも、
そう難しくはないだろうよ」


日向先生の言葉に、
純心は深々と頭を下げて、
犬女ちゃんのことをお願いした。


-


犬女ちゃんのことを
褒めてもらえて
純心はなんだか
嬉しくて仕方なかった。


犬女ちゃんは、
学校にいるときの
自分の新たな居場所を、
少し消毒液の匂いはするが、
好きになれそうかなと思っていた。













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