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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんとファミレス(1)

チョコレートパフェを
食べたい一心で、
犬女ちゃんはスプーンを使う
猛練習を積み重ねていた。


だが純心が改めて思うに、
チョコレートパフェも
食べるのがなかなか難しい。


特にあの縦に長い容器の中を
長いスプーンですくい上げる
という動作には、
もう絶望感しか感じない。


いくらスプーンを
使えるようになったと言っても、
所詮は手袋にスプーンが
縛り付けてある程度だから、
複雑な動きなどは難しい。


最悪自分がラブラブカップルを装って、
アーンして食べさせてあげるしかないと
純心も覚悟を決めていた。


だからせめて、
パフェを転倒させたりしないように、
上手くコントロールしてくれよと願う純心。


それでもパフェの容器を想定した
縦長のグラスで、ひたすら
予行練習を繰り返す犬女ちゃん。
チョコレートパフェへの
執念は並々ならぬものがある。


確かにチョコレートパフェというのは、
なかなか家でつくろうと
思うようなものではない。
デリバリーしてもらえる
ようなものでもない。
そういう意味では、
犬女ちゃんがめったに
食べられないものを、
外食で食べるという
今回の趣旨にぴったりあっている。


生クリームとソフトクリームがのった
ボリューム感溢れる華やかなパフェが
出て来たときのときめきは、
男の純心でも、少し理解出来る気がする。


-


二人でファミレスの店内に入ると、
店員が席に案内してくれる。


人目につかないように
犬女ちゃんを奥にして、
横に座りたかった純心だが、
ファミレスに二人で行って、
横に二人並んで席に座る
という人達はまずいない。
純心は仕方なく対面に座る。




純心的には、注文のときと、
店員が品を持って来るときに、
注意が必要だった。


それ以外は店員さんも忙しいだろうし
あまりお客をじろじろ見ることもないだろう。
そのときだけ、犬女ちゃんが
じっと大人しくしていてくれれば、
ミッションをクリア出来るはずだ。




注文のときは問題はなかったが、
注文したチョコレートパフェが
運ばれて来ると、
犬女ちゃんは目をキラキラと輝かせて
体をびくんと震わせた。
早くとびつきたいのを
必死で我慢しているのだろう。


店員は犬女ちゃんの
その反応を見ていたが
特に何も言っては来なかった。
純心は心臓が止まる思いだ。




店員が去ると、
純心にスプーンを持たせてもらって、
早速チョコレートパフェを
むさぼりはじめる犬女ちゃん。


パフェの上部、生クリームを
口元につけならがら、
満面の笑みで、美味しそうに食べている。


そんな顔を見せられると純心も
連れて来てよかったとしみじみ思う。


-


しかし案の定、
山盛りになっている上部分を食べ終わり、
器の中のアイスを食べはじめると苦戦する。
犬女ちゃんはムキになって、
スプーンを何度も突っ込むが、
うまくすくい上げることが出来ない。


純心は器が倒れないように、
手で押さえてあげている。


『もう、アイスが溶けた後、
それ口に流し込めばいいじゃん』




見るに見兼ねた純心は、
スプーンですくって口まで運び、
アーンをして食べさせてあげることにする。
しかし普通アーンは一度だけだが、
何度も何度もアーンして食べさせて
あげることになり実に不自然だった。
小さい子供に食べさせてあげている
わけではないのだから。


店員もその様子が気になるらしく、
ときどきチラチラ二人を見ては、
店員同士でヒソヒソ話をしている。




仕方がないので純心は
犬女ちゃんを奥にして、
その横に席を移して、
自分の背中で人目に付かない
ブラインドをつくり、
一気に犬女ちゃんに食べさせてあげた。




しかし、
店員さん達の方から見ると、
余計に変なことをしている
ようにしか見えなかった。


「絶対、あの二人あやしいよ、
なんか変なことしてるんだよ、きっと」


「見えないように隠して、
キスとかしてんじゃないのー」


「ファミレスの店内で
キスするとか、ないわー」


「そういえば注文持ってったとき、
女の人が体びくびくさせてた」


「テーブルの下で、
エロいこととかしてそうー」


夏休みでバイトしている
女学生店員達にめちゃめちゃネタにされていた。


それどころか尾ひれはひれがついて、
あり得ないことまで噂されていた。


「ファミレスで
エロプレイとかありえなくない?」


「ファミレスで
おっぱい揉むとか、引くわー」


結局犬女だとはバレなかったが、
人としてそれでいいのか、
と言いたくなるような
勘違いをされてしまうことに。


-


空になった容器を
犬女ちゃんは手で押して、
純心の前に出して来る。


純心が、
犬女ちゃんの前に戻してあげると、
犬女ちゃんはまた空の容器を
純心の前に押し出して来た。


『こ、これはもしかして、
おかわりを要求しているのか?』


しかし一度に
チョコレートパフェを二つも食べるのは、
さすがに体に悪いとしか思えない。


純心が再び元の位置に戻すと、
その後、何度となく、二人の間で、
空の容器の押し付け合い、
応酬が繰り広げられる。


犬女ちゃんは純心を
おねだりするような目で見つめる。
このままでは、ファミレスの店内で
甘え声で鳴きはじめそうな勢いである。


仕方なくチョコレートパフェを
もうひとつ注文する純心。


次はいつこのファミレスに
チョコレートパフェを
食べに来られるか
わからないのだから、
可哀想は可哀想だし、仕方ない
と純心は思うことにする。




そきほど見ていた女学生店員は、
ニヤニヤした顔をしながら、
チョコレートパフェを運んで来た。




しかしそんなことにはお構いなく、
幸せそうな顔で
チョコレートパフェの
おかわりを食べる犬女ちゃん。


『お前、また太るぞ』











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