犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんとコンビニ

純心は試しに
変装した犬女ちゃんこと
イオちゃんと、
まずは近くのコンビニに
行ってみることにする。


変装した二本足の犬女ちゃんは、
まるで本当に人間の美少女のようで、
普段とまったく雰囲気が異なる。


いつも抱っこしたりしているときは、
どちらかと言うと、
犬寄りに犬女ちゃんを考えていたので
特に意識するようなこともなかったが、
二本足だとどうしても人間寄りに考え、
妙に意識してしまう。


二本足で歩くのに
あまり慣れていない犬女ちゃんは、
純心の肩に寄り掛かるようにして、
腕を組んで歩く。


腕を組んで歩くというのは、
犬女ちゃんからしても
新鮮な感覚だった。
腕というものを
こういう風に使う感覚は、
それまで一切なかった。


抱き着いたり、
抱きしめることはあったが、
それとも少し違っていた。


犬女ちゃんは純心と
腕を組んで歩くのが気に入ったのか、
ずっと腕を組んでいる。




純心的には
これはどうしたものかと思う。


今どき終始べったり
腕を組んで歩いているカップルなど
純心はあまり見たことがない。
どんなにラブラブアピールが激しい
カップルでもしていないように思える。


というよりむしろ、
終始べったり腕組んで外を歩いているのは、
金持ちのおっさんと愛人ぐらいの
イメージしかない。


犬女ちゃんの大きな胸が、
腕に当たる感触は素敵なのだが、
なんだかとても恥ずかしい。


-


ムーディーな雰囲気を醸し出している
大人のカップルみたいな二人は、
コンビニの自動ドアを通って入店する。


入店の際に鳴るセンサーチャイムに、
少しだけ体をびくっと反応させる犬女ちゃん。
これは慣れないことなので仕方がない。


純心は店員にバレやしないかと、
ドキドキしながらレジのそばを通る。


コンビニのホットスナックコーナーにある
焼き鳥に再びびくっと反応してしまう犬女ちゃん。


『こいつ、めちゃめちゃあやしい奴になってる』




犬女ちゃんにとって、コンビニの中は、
とても珍しいものであった。


品物単品では普段目にすることはあっても、
店内でこのように大量に陳列されている状態を
見るのははじめてのことである。


物珍しさに目を輝かせて、
キョロキョロ周囲を見ている犬女ちゃん。


不審な動きはしないでくれよと思いながらも、
自分にとってはこんなに見慣れた光景ですら、
犬女ちゃんにとっては珍しいものであることを
改めて認識する純心。




食料が売ってる棚辺りで、
時々体をびくびくさせる犬女ちゃん。


『こいつ、こんな変な癖あったか?』


どうやら大好物や
気になる食べ物があると、とっさに、
反射的に体が反応してしまいそうになり、
我慢しているようだ。


『こいつ、こんな
食いしん坊キャラだったけか?』


犬女ちゃんの反応を見ていると、
どうやらスイーツコーナーなどの
甘い物に反応することが多いようだ。


『こいつ、また太るだろ』


なんだか可哀想になって来たので、
純心はスイーツを買ってあげることにする。
スイーツを一個一個に手取り、
犬女ちゃんの一番反応がよいスイーツを探す。


『これ、一体なんのゲームだよ』


一通り反応を見た後、犬女ちゃんが
ひときわ目を輝かせていたスイーツを
再び手にすると、犬女ちゃんは鼻息も荒く、
ふんふんと頷く。


純心はそれを持ってレジに向かう。




純心がレジに並んでいる間、
犬女ちゃんはコンビニのアイスが売っている
クーラーボックスの前に立ち止まって、
びくんびくん体を震わせながら、
ひたすらずっとアイスを見つめていた。


もはや、あやしい人を通り越して、
あぶない人の域に達してしまっている。


「だ、大丈夫ですか?」


とうとうコンビニの店員さんが、
具合が悪い人だと勘違いして、
おそるおそる声掛けて来た。


「…わん」


体を震わせ我慢している犬女ちゃんは、
思わず小声で鳴いてしまう。


「?」


「だ、大丈夫です、大丈夫です
ど、どのアイスにしようか
迷ってるだけですから」


レジで精算を終えた純心が、
慌てて犬女ちゃんを連れて行く。


『あかん、これなんかの
エロいプレイみたいになってる』


純心は犬女ちゃんを連れて
逃げるようにコンビニを後にする。


-


「お前、よだれ垂れるぞ」


せっかく人間の美少女みたいなのに、
沢山のアイスを見て
大量によだれを垂らしてしまった犬女ちゃん。


純心は犬女ちゃんのよだれを
ハンカチで拭いてあげる。


こういうところは
やはりまだ犬女ちゃんのままである。




コンビニは犬女ちゃんにとっても、
誘惑が多いところのようだ。













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