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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんと肝試し(2)

二組目として出発した
夏希とお嬢様はその悲鳴を聞いて
抱き合って怯えていた。


「ど、どうしよう…」


すると生徒会長と愛ちゃんが、
悲鳴を上げながら、
石段を駆け下りて来る。


その後ろからは長い黒髪の女が、
地を這うように後を追って来る。


「きゃぁぁぁあああああああ!!」


夏希とお嬢様も悲鳴を上げ、
一緒になって逃げ、
石段を駆け下りる。




三組目の純心と犬女ちゃん。
悲鳴を聞いて、
犬女ちゃんは吠え続けていたが、
やがて石段を走って登りはじめる。
純心も必死になって、石段を駆け上がり、
犬女ちゃんの後をついて行く。




前方から、駆け下りて来る
夏希とお嬢様が見えた。
そのすぐ後ろを生徒会長と愛ちゃんが、
走ってついて来ている。


夏希もお嬢様も生徒会長も、
みな口々に「逃げて!逃げて!」と叫びながら、
二人の横を駆け抜けて行く。


しかし愛ちゃんだけは、
合流まで後少しというところで、
石段を踏み外し、
犬女ちゃんと純心の元へと転がり落ちて来る。


純心と犬女ちゃんは、身を呈し、
体を盾にして愛ちゃんを受け止める。
犬女ちゃんは瞬時に愛ちゃんの服を口に咥え、
それ以上落ちないように口で引っ張る。




愛ちゃんを純心に任せると、
犬女ちゃんは、
身構えて、何度も吠え続ける。
何かを威嚇しているのだ。


四人の女子を追い掛かけていた
謎の長い黒髪の女も、
犬女ちゃんを見ると立ち止まり、
唸り声を上げて吠える。


純心もそれを見た瞬間、正直
小便を漏らしそうなぐらいビビったが、
すぐに気づく。


四足歩行。


長い黒髪の女が、
走りはじめたときには
すでに四足歩行。
だが四人の女子は
誰もそれに気づかなかった。




四人の女子を追いかけていたのは、
野生の野良犬女だった。


正体がわからないから怖いと言う話はあるが、
正体がわかっても、怖いものは怖い。


人の姿をしているが、人ならざる者。
闇夜に光るその瞳。
言葉が通じる訳ではなく、
突然襲って来るかもしれない。


犬女ちゃんとは違い、
野生の野良犬女はまさに野生動物そのもの。
野良犬女というよりは、
野生の狼女のようにもに見える。


人が犬女を忌み嫌うのも、
少しわかってしまう気すらする。


犬女ちゃんが威嚇して吠え続けると、
野良犬女は諦めて闇夜に消えて行った。




見てはいけないもの、
触れてはいけないものに
触れてしまったようで、
胸がいつまでもざわめいていて、
純心は心持が悪かった。






帰りは当然全員反省会モード。
大した怪我人がいなくて幸いだったが。
やはりこういう悪ふざけは
するもんじゃないと
まだ震えながら話す。




ただ犬女ちゃんだけは、
平然としていつもと
まったく変わらない様子だった。


そんな犬女ちゃんを見て純心は思う。


この可愛らしく愛くるしい犬女ちゃんが、
先ほどの野生の野良犬女と同族。


環境が違ってしまえば、
ここまでに変わってしまうものなのであろうか。


自分が置き去りにして来てしまったあのとき、
もしかしたら犬女ちゃんもあんな風に
なってしまったのかもしれないのだろうか。


純心は決して二度と犬女ちゃんを
手離さないことを改めて誓う。


そう思うと、
再会した瞬間の気持ちを思い出して、
何だか急に犬女ちゃんにキスしたくなったが、
それは我慢することにした。


そして、それでもあの野生の野良犬女が、
保健所に捕まらないように、と思う。











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