犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんと海水浴(1)

今日はみんなで、
お嬢様の家が所有する
プライベートビーチに、
海水浴で来ていた。


純心、母、お嬢様、夏希、生徒会長、
愛ちゃんをはじめとする五姉妹、
総勢十名という団体様一行だ。


ジャガイモは塾があるので、
そちらを優先するということだった。


-


まずは早速着替えて、
海に行こうということになる。


「大きい子はちゃんと、
小さい子の着替えを手伝ってあげるんだよ」


純心は母の一言にうろたえた。


『お、俺が、幼女を着替えさせるだと?』


ちょうど目の前には、
四歳のユウちゃんとユアちゃんが、
愛くるしい笑顔で立っている。


『ぜ、絶対ダメだ、
男子高校生の俺が、
幼児の服を着せ替えるとか、
これ通報されるパターンだ、
捕まるパターンの奴だ、これ』


純心は緊張のあまり、
硬直して動けなくなった。


今だに子供に対して、
まったく耐性がない純心。


「純心、何してんのー?
純心は、あっちだよー」


夏希は、男性用更衣室を指差し、
ユウちゃんとユアちゃんを連れて、
女性用更衣室に入って行った。


『ですよねー』


男子一人しかいないので、
あやうく一緒に女性更衣室に
ついていってしまうところだった。


-


男子の水着は着替えが早いので、
先にビーチに出ている純心。


女子チームがどんな水着で来るのかも、
男子としては楽しみの一つである。




以前、スクール水着を持って来た、
お嬢様と生徒会長は、意外にも、
今回は上下セパレートの水着で、
腰にはパレオを巻いていた。


「こんな露出が多いのは恥ずかしいですわ」


「な、夏希さんがおすすめするから、
た、試しに着てみただけですってよ」


二人とも顔を赤くして恥かしがっていたが、
純心が褒めると、嬉しそうにしていた。




犬女ちゃんと愛ちゃんも
上下セパレートの水着だが、
こちらは下にフリフリした
スカートが着いていて、
可愛らしさを強調した感じだ。




夏希は黒のワンピースだが、
背中や脇腹の辺りが露出されており、
紐になっているようなタイプだった。


最近、妙にセクシー路線を
意識しているのではなかろうか。
純心はそう思って、夏希をからかう。


「水着は下着と違って、
Tバックじゃないんだな?」


夏希は顔を真っ赤にして怒る。


「あー、うるさい馬鹿ー!」


「夏希さん、普段の下着、
Tバックを履いていらっしゃってるの?」


生徒会長が引き気味で驚いている。


「走りやすいように履いてるだけよー」
「生徒会長だって、どうせ黒のレースでしょ?下着」


夏希は生徒会長を巻き込む気らしい。


顔を真っ赤にする生徒会長。


「わ、私はそんな淫らな下着はつけませんでしてよ!
す、ストライプの、い、いわゆる縞パンというやつでしてよ!」


「へぇー、縞パンなんだー、意外。
今度見せてよー」


生徒会長はさらに顔を真っ赤にして、夏希に怒った。


『へぇー、縞パンなんだー、意外
今度見せてよー』


純心も夏希とまったく同じ感想だった。


-


そんな二人を見て、
純心は笑いながら座って、
ジュースを一口飲む。


するとその目の前を、
尻を丸出しにしている母が通り過ぎる。


純心はジュースを噴き出した。


Tバックはむしろ母が履いていた。


いやTバックというより、
上も下もほとんど紐だった。
申し訳程度に布が着いていて、
一応隠してはいます、
というような水着だった。


『ばばあ!またあやしい熟女専門店が
オープンしちまってるじゃねえかよ!』




しかも全身にオイルを塗ったらしく、
肌が太陽の光を反射して、
妙にキラキラ光り輝いている、
シャイニングほぼ全裸。
海の雰囲気と相まって
何故だか無駄にかっこよく見える。


「おばさんすごーい!」
「なんかかっこいいー!」


それを見たマイちゃんとミイちゃんは、
興奮して歓声を送っていた。


『よ、幼児に悪影響与えてますよねー!』


「魔法少女戦士の変身シーンの途中みたいー」


『それ、ただ単に全裸だって言いたいだけすよねー!』


-


「な、なんて格好してんだよ、おふくろ」


「なにおたついてんだい?
どうせプライベートビーチで
誰もいないんだから、
構やしないじゃないかい。」


「あたしゃ本当は全裸でも
いいかと思ってたんだよ。
ただそれだと子供達の教育上
良くないかと思ってね。」


『ヌーディストビーチですか?ここは!』
『いやもうすでに教育上良くないですから!』


魚村の出身で、小さい頃は、
毎日、裸で素潜りしていたらしいので、
気持ちもわからなくはない、と思う純心。


昔は家でも全裸でいることがあったし、
基本的に裸族なのであろう。
さすがに純心が年頃になってからは、
家で全裸はやらなくなったが。




「スクール水着は着ないのかよ?」


答えはわかっていたが、おそるおそる、
一応勇気を出して聞いてみる純心。


「あれはね…ふふふ」


母は笑って誤魔化すだけであった。


『やっぱりかー!』




しかし、おふくろと海水浴に来るなんて、、
何年振りのことであろうか。
今回もなかなかいろいろ大変そうだが、
まぁとりあえずは海水浴を楽しもう。
そんなことを考える純心だった。









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