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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんと別居(5)

犬女ちゃんは、
食事もほとんどとらず、
夜もほとんど眠れていなかった。


どんどん痩せてきており、
弱ってきているのは、
誰の目にも明らかだ。


夏希と母親は心配する日々を過ごす。


「犬女ちゃん、
ちゃんと食べないとだめよ」


おばさんはいつも優しくしてくれが、
今の犬女ちゃんは
それに応えることが出来なかった。




夏希は、一緒に寝ていても、
犬女ちゃんが眠れていないのを、
わかっていた。






窓から純心の家の方角を向いて、
クゥーン、クゥーンと
悲しげな声で鳴き続ける
犬女ちゃんを見ていると、
夏希の目からも自然と
涙が溢れて来る。


夏希は女の子同士だからなのか、
犬女ちゃんの会いたいと想う気持ちが、
痛いほどよくわかった。


犬女ちゃんが、純心を
家族と思っているのか、
仲間や友達、それとも
異性だと思っているのか
はわからなかったが、
それでも大切な人に
会いたいと思う気持ちが、
夏希には十分に伝わっていた。


夏希は悲しい声で
鳴き続ける犬女ちゃんを、
涙ながらに抱きしめる。


「会いたいんだね、純心に」


犬女ちゃんもまた、
夏希の胸に顔を埋める。
クゥーンと弱く悲しげに鳴く。






夏希は意を決して、
犬女ちゃんを純心に会わせることにする。


夜分遅くに、
夏希の母親が周辺に
人がいないかを確認する。


人がいないことが確認出来てから、
夏希は純心の家に犬女ちゃんを連れて行く。




事前に連絡を入れていたため、
純心は家の玄関で待っていた。


純心の姿を見た犬女ちゃんは、
恋しそうに鳴き、足元に寄り添った。


だが、純心はすぐに家に入れようとしなかった。


「今ここで甘やかしてしまったら、
また別れるのがツラクなるんじゃないか?
また最初からやりなおしに
なってしまうんじゃないか?」


純心は夏希に向かってそう言った。


夏希は必死に純心を説得しようとする。


「このままじゃ、
この子死んじゃうよ!」


「うちに来てから、
ほとんど寝られてないんだよ!」


「お願い、今日だけでも、一緒に寝てあげて」


夏希の目からは、涙が流れていた。
まるで犬女ちゃんの気持ちを
代わりに伝えようとするかのように。




夏希の涙を見せられては、
もう純心にはどうしようもなかった。


純心が犬女ちゃんを
抱きしめてあげると、
犬女ちゃんは喜んで抱き着いて、
鳴き声を上げ続ける。
人間であれば、嬉しくて、声を出して
泣きじゃくっているようなものだろう。


それを見た夏希もまたもらい泣きをする。




「よかったね、犬女ちゃん」
夏希は笑顔で犬女ちゃんにそう言うと、
母親と一緒に帰って行った。




純心はベッドの上で、
犬女ちゃんに添い寝してあげた。
純心のほうから、添い寝してあげるのは
はじめてだったかもしれない。


犬女ちゃんは、
純心に会えて、一緒にいられて、
嬉しくて、嬉しくてたまらなくて、
純心にいっぱい甘えた。




それから、犬女ちゃんは、
純心に添い寝してもらい、
ようやく久しぶりに
深い眠りにつくことが出来た。
ぐっすりと寝ることが出来た。






しかしこの夏希の優しさが、
次の大事件を引き起こすことになる。

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