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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんと別居(4)

それでも犬女ちゃんは、
毎日夏希の家を抜け出して、
純心の家に通いつめた。


だいたい純心は
まだ学校から帰って来ていなくて、
家の前でずっと
純心の帰りを待ち続ける。


純心が帰って来ると、
犬女ちゃんは嬉しそうに
尻尾を振って、
純心の足元に頭をこすりつける。


純心は感情を表に出さず、
犬女ちゃんを夏希の家まで送った。


最初は今まで暮していた
家にも上げてもらえず、
すごいショックを受けていた
犬女ちゃんだったが、
今は少しでも純心に
会えるのが、嬉しかった。




純心は犬女ちゃんと
距離を置いていた。


ここで自分が犬女ちゃんを
甘やかしてしまうよりも、
自分のことは諦めて、
早く新しい生活を受け入れて、
馴染んで欲しい。


犬女ちゃんのためには、
そのほうが幸せだと。
純心はそう思っている。




たまに純心が先に家に
帰って来ているときもあった。


そのときは純心が、
家の前でうろうろしている
犬女ちゃんを見つけると、
家から出て来て、やはり
夏希の家まで送って行った。


完全に冷たく
放置しているわけではなかった。






犬女ちゃんは、
雨の日も、風の日も、
純心に会いに来た。


雨の中をずぶ濡れになりながら、
純心を待っていると、
帰って来た純心は、
犬女ちゃんを見て
悲しそうな顔をした。


そのまま一緒に走って
犬女ちゃんを
夏希の家まで送り届ける。


犬女ちゃんは、
昔みたいに純心と少し
一緒に走れて嬉しかった。


「もういい加減あきらめろ」
しかし純心はつぶやくような声で
犬女ちゃんに言う。


純心も強く叱る気には
なれなかったのだろう。






純心の家の前で、
犬女ちゃんが待っているとき。
その前を中学生ぐらいの
集団が通りがかり、
犬女ちゃんにちょっかいを
出してきた。


身構えて低い唸り声を
あげる犬女ちゃん。


中学生は犬女ちゃんの体に
触ろうと手を出して来る。


近づいて来る手に向かって
吠えて威嚇する犬女ちゃん。


ちょうど運よくそこに、
純心が帰って来て、
中学生は追っ払われた。


そのとき純心は本気で怒った。
「もういい加減あきらめろ!」


犬女ちゃんは純心に本気で怒られて、
ショックでう、なだれている。


純心は犬女ちゃんを、
夏希の家まで送っていくと、
おばさんに、もう犬女ちゃんを
一人で外に出さないように頼んだ。


犬女ちゃんが、
犬女という存在が、
一人で出歩いて安全なほど、
この社会は優しくない
のかもしれない。






犬女ちゃんはまた純心に
会えなくなってしまい、
窓から、純心の家の方角を眺めて、
クゥーン、クゥーンと
悲しげな声で鳴き続けた。

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