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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

生徒会長といじわるな女(3)

放課後、生徒会の仕事が終わると、
生徒会長の薫と副会長のルイは、
純心の家を見張りに行った。


男女交際、不純異性交遊の
疑惑をかけられている純心。
一人暮らしの男子の家に、
若い女子が二人も、
ひっきりなしに来ていたら、
だらしないとか、
ふしだらだとか、
いかがわしいとか、
そんな偏見の目で見る人間が
いるのは間違いないだろう。


生徒会の仕事が終わってからだから、
二人が純心の家周辺に到着するのは、
夕方頃であった。


純心の立場からすれば、
この時間に監視されているのは
まだましと言えた。
早朝の犬女ちゃんとの散歩、
そんなシーンを見られたら、
現行犯逮捕間違いなしの状況。
別に全く犯罪ではないのだが。




生徒会長と副会長の監視初日は、
夏希が純心の家に入って行った。
夏希が犬女ちゃんの
お風呂当番だったのだ。
生徒会長とルイはその様を、
近くの交差する路地に隠れて見ていた。


「ま、まぁ、夏希さんは、
幼馴染らしいですから、
そういうことがあっても
不思議はなくってよ。」
生徒会長は若干顔を引きつらせながら、
そう言った。


そのわかりやすい生徒会長を見て
ルイは内心面白がっていた。


純心の家に夏希が入って行ってから、
一時間以上経っても、
夏希は家から出て来ない。
生徒会長はやきもきして
見張りを続けていた。


「会長、あたしこの後、用事がありますので、
そろそろ帰りますけど、どうしますか?」


「わ、私はもう少し様子を見ていきますわよ。
何時に帰ったのか、しっかり把握しておかなくては。
憶測だけで処罰するわけにはいかなくってよ。
こ、これも生徒会の務めですってよ。」
生徒会長はあくまで、
学園のため、生徒会の務めで
通すつもりのようだ。


「そうですか。大丈夫ですよ。
ふしだらなことなんてしていませんよ、多分。」
ルイはわざといやらしいことを
想起させるような単語を
会話に組み込んだ。


「も、もちろんですわ!
そんなこと許されませんことよ!」
何をイメージしたかはわからないが、
生徒会長は顔を真っ赤にして声を荒げた。




ルイは一人で先に帰路を急ぐ。
「あぁ、このままストーカーに
なっちゃうのかなあ、会長」
楽しそうな声で、
いじわるそうな笑みを浮かべるルイ。




「生徒会長、今日も見張りに行くんですか?」
次の日、ルイは生徒会長に聞いてみた。


「もちろんですってよ。
入り浸るというぐらいですから、
頻度がどれぐらいかを
確かめなくてはいけなくてよ。
も、もちろんこれは生徒会としての
役目ですってよ。」
会長の言い訳がましい
物言いがルイには面白かった。


「会長が行かなくても、
誰か交替で見張ればよくないですか?」
ルイはあえてまた意地悪な質問をする。


「生徒会長の私自らが、
この目で確かめる必要がありましてよ。
み、自らの目で真偽を見抜かなくてはなりませんわ。
も、もちろん生徒会の責任として、ですってよ。」
会長の面白いリアクションを
ニヤニヤ眺めるルイ。


その日の夕方再び、
純心の家を見張る生徒会長。
その日は誰も純心の家を
訪れることなく終わり、
生徒会長もホッとして、家に帰る。


次の日は、お嬢様が純心の家に
入って行くのを目撃する。
当然お嬢様は犬女ちゃんの
お風呂当番で来たのだ。
幼馴染の夏希はともかく、
転校してまだ数か月のお嬢様は、
生徒会長からすれば、
もはや何かあるとしか思えなかった。


「転校早々、
わが校の男子生徒に手を出すなんて、
なんてふしだらな子なんでしょう。
全校男子にチヤホヤされてるからって、
調子にのっているのではなくって。」
どちらかというと、お嬢様が
手を出されかけたわけだが。


生徒会長はますます眉間に皺を寄せ、
険しい顔になっていく。




生徒会長が土日を含め一週間、
夕方純心の家を張り続けた結果、
夏希とお嬢様が二回ずつ、
純心の家を訪れて、
二時間前後滞在していた。
お風呂当番がそうなっているのだから、
当然といえば当然なのだが。


「一体なんなんですの、あの男は!」
生徒会長は機嫌が悪かった。
何かずっともやもやした気持ちで、
その原因も本人には自覚がないという、
原因がわからない病気に
かかっているようなものである。
恋の病とはよく言ったものだ。


ただ、女子がそのまま
純心の家に泊まっていった、
外泊したというなら、
完全に黒とも言えたが、
滞在時間が二時間というのは
微妙だった。
何かやましいことが、
出来ると言えば出来るし、
何もないと言えば、
ないで押し通せる時間だった。




「うーん、でもこれだけじゃ、
なんか面白くないわねえ。
もっと決定的なことでもないかしら。」
ルイはいじわるそうな笑みを浮かべる。

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