犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんと試験勉強

後二週間で、学校の中間試験だった。
純心の学校での成績はいたって普通。
良くも悪くもなく、可もなく不可もなく、
というような感じであった。


しかし二年になって、犬女ちゃんと
一緒に暮らすようになってからというもの、
平日ろくに勉強時間が取れていなかった。


環境のせいに、
犬女ちゃんのせいにしてはいけないと、
わかってはいたが、それでも以前に比べて
時間がなくなっていたのは事実だった。




というわけで純心は早めに
試験勉強をはじめることにする。


しかし最近の犬女ちゃんは、
相当な甘えん坊であり、
すぐに純心に抱き着いたり、
すり寄って来るようになっていた。




最初、ダイニングのテーブルで勉強していたら、
犬女ちゃんが、純心の膝の上に、
上半身を乗せてぐりぐりして来た。


勉強をしていないときでも、
普通にそんなことをされたら、
犬女ちゃんの大きなお胸が密着されて、
どきどきして、自分を抑えきるのに
大変だというのに、
そんな状態で勉強など出来るはずがなかった。


仕方なくこの間買った
ロボット掃除機の電源を入れてやると、
しばらくは自動で動き回る
ロボット掃除機を追いかけ、
楽しそうに遊んでいた。


しかしそれに飽きるとまたすぐに
遊んで、とおねだりをするのだった。


純心はたまに、こいつは犬女ではなく、
猫女なのではないかと思うときがある。
犬女ちゃんは純心に対して、
わがままを言ってくることが結構ある。
甘えているだけなのか、
純心の躾が出来ていないのか、
その辺りはよくわからないが。


本当の犬女ちゃんは、
おばあちゃんと暮らしていたときに、
ずっとおばあちゃんを支え続けたぐらいに、
とっても献身性をもった犬女なのだが、
純心はまだそういうところをあまり見ていないので、
仕方のないことかもしれなかった。
そうした献身性はこの先おいおい
見られることになるだろうが。




自分の机で勉強していているときも、
犬女ちゃんは抱き着いてきて、
かまって欲しがった。


純心は何度も大人しくしているように注意したが、
それでも三十分に一度ぐらいは抱き着いて来た。


犬女ちゃんが寝るとき、普段は、
純心が寝るまでは、
違う部屋で寝たふりをしていて、
純心が寝てからそっと
布団の中に潜り込むのだが、
ここ数日は純心が遅くまで起きているため、
純心のベッドで堂々と先に寝ていた。


純心はそんな犬女ちゃんに
若干ムッとして自分が
別の部屋のソファで寝たりしていた。




*****


その日の朝、純心は胸の辺りが
苦しくて目が覚めた。
ソファで寝ている純心の胸の上で、
犬女ちゃんがだらしなく寝ていた。


朝の散歩で、お嬢様に
最近の試験勉強と犬女ちゃんの妨害話をした。


「まぁ、犬女さんは最近
甘えん坊さんなのですね。」
その話を聞いたお嬢様は、
少し可笑しそうだった。


「もしよろしければ、
私の家で一緒に勉強いたしませんか?」
そして、お嬢様は
顔を赤らめながら、そう言いだした。


「犬女さんは、
私の家の使用人さん達に遊んでいてもらえば、
大丈夫だと思いますよ。」


「え?
い、いいんですか?」
お嬢様からの意外なお誘いに
純心はどきどきしていた。


「はい、私今まで一度も
お友達を家にご招待したことがなかったので、
いつかお友達を家に呼びたい、
とずっと思っておりましたの。
ずっと私の夢だったんですよ。」
お嬢様は天使のような笑顔を浮かべた


もちろん純心がそのお誘いを断るわけもなく、
純心と犬女ちゃんは、お嬢様の家に行く約束をする。


純心は、幼馴染の夏希以外の
女子の家に行くのははじめてだったので、
緊張してどきどきしていた。


夏希は一週間前まで、部活があるはずなので、
今回は夏希には黙っておくことにした。



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