犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんとお洋服(2)

買い物に行く約束をした日曜日。
犬女ちゃんは外にお買い物に行けるとわかって、
尻尾を振って喜んでいた。




まず、夏希が純心の家を訪れた。
おばさんが車を出してくれて、
目的地までの送迎をしてくれることになっていた。


当初、電車で行くことを考えていたが、
犬女ちゃんを連れて、
電車に乗るのは大変なので、
夏希が母親に頼んでくれたのだ。


「あら、犬女ちゃんて随分美人なのねえ。
これじゃ、夏希もやきもきするわけね。」


「お母さんの馬鹿、何言ってるのよ!
純心の前で絶対そういうこと言わないでよ」


「はいはい」


純心がいないところで、
そんな親子のコミュニケーションが図られた。




夏希は家で飼っている小型犬を
一緒に連れて来ていた。


今日行くのは夏希のおすすめのショッピングモール、
複合商業施設で、衣類のショップの他にも、
飲食施設や映画館、遊技場などの娯楽施設もあった。


犬専用のペットショップもあり、
犬女専用のショップもあるということだった。


夏希もお嬢様も、
飼い犬のグッズなど、
ついでに見たいということで、
そこが選ばれた。




純真の、犬女ちゃんを連れて出かけて、
学校の人間に見られないかという心配にも、
「もし見られたら、
うちで暮していることに
すればいいじゃない」
とおばさんは言ってくれた。
お陰で今日は変装をしないで済んだ。


現に犬女は、
お年寄り夫婦や、
一人暮しの寂しいお年寄りに
飼われていることが多い。
純心の亡きおばあちゃんもこのパターンだ。


子供がいない夫婦が、
子供の代わりに犬女を
赤ちゃんから育てることもある。


寂しい独身女性が一緒に
暮していることも珍しくはない。


犬女は、人間のメンタルケアの
パートナーとなっていることが多い。


なので、一般家庭で犬女と暮していても、
そんなには不思議ではない。


やはり問題なのは若い男性が、
若い犬女と二人切りで暮しているということだった。
この場合、たいがいは世間から、
偏見の目で見られることになる。


純心は、多くの人の
お世話になっていることに感謝した。






目的地までおばさんに送ってもらった純心と夏希。
犬女ちゃんは、夏希が連れて来た
小型犬がすっかり気に入ったらしく、
一緒にじゃれて遊んでいる。


早めに着いてしまったので、
お嬢様を待っているとき。
犬女ちゃんと小型犬がじゃれているのを見て、
純心は幼い頃の、自分と夏希を思い出した。


よく物がわかっていなかった時分は、性別も関係なく、
こうしてよくじゃれ合っていたものだ。
今同じことをやったら確実に殴られるだろう。




純心がそんなことを漠然と考えていると、
お嬢様が大型犬を連れてやって来る。


大型犬は、夏希の犬を見つけると、
ワンワン吠えながら、飛びかろうとする。


犬女ちゃんは小型犬を守るようにしてかばい、
低い唸り声をあげて大型犬を威嚇する。


『似たような光景をどこかで見たような気がする。
俺がいじめっ子にいじめられていたのを、
夏希がかばってくれたときだろうか。』


純心は何か引っかかっているものを
思い出そうとするが、
次第に気分が悪くなり、
頭が痛くなって来る。


「具合悪そうだけど、大丈夫?」
夏希が心配して声をかけてくれた。




大型犬は犬女ちゃんにべた惚れであり、
犬女ちゃんに怒られるとしゅんとなった。
お嬢様に何度も嗜められ、
次第に落ち着いていった。




純心はそのときはそれですぐに忘れた。

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