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犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんとお洋服(1)

「付き合ってください!」


犬女ちゃんを連れた朝の散歩で、
純心はお嬢様にそう言った。


「え!」
「…あの、…その」


本来であれば、
男に告白されることなど日常茶飯事、
告白された男は星の数ほど
いるであろうはずのお嬢様は、
顔を赤らめて、どきどき、もじもじしていた。


お嬢様の場合、美し過ぎて、
男が近寄りがたさを感じてしまう
というのもあったが、
ずっと女子高温室育ちであったため、
男子と仲良くなったことが、
今までほとんどなかった。
もちろん男性との交際回数はゼロである。




「あ、あ、そういうことじゃなくて」
勘違いされていることに気づいた純心は、
顔を真っ赤にして、慌てふためいた。


「買い物に、付き合ってください」
純心は言い直して、本来の趣旨を伝えた。


純心は、大型犬に追い回れている
犬女ちゃんのほうを指しながら説明する。


「あいつの服、おばあちゃん家から
持って来てはあったんだけど、
どうにも最近小さくなってしまったようで」


特に犬女ちゃんの胸のあたりが
大きくなって困っているとは、
とても言えない純心。


「死んだおばあちゃんも、
晩年は足が悪くなっていたようで、
なかなかあいつの服を買いに行って
やれなかったみたいで。
今の服がきつきつみたいなんですよ。」


「新しい服を買いに行って
やりたいところなんですが、
若い男子高校生が、若い犬女を連れて、
買い物に行くのも恥ずかしいものがあるし。
どうか一緒について来てはもらえませんか?
お願いします!」


犬『女』の服なのだから、
当然、その売り場には、
女性物の衣服しか置いてなく、
純心が気まずいと思うのは仕方なかった。


例えるなら、女性の下着売り場を
若い男子高校生がひとりで
うろうろするようなものであろう。


さすがにそれは純心ではなくても、
ハードな罰ゲームというものだ。






「あぁ、そういうことですのね」


高鳴る鼓動に、自身の胸を押さえながら、
純心の話を聞いていたお嬢様は、安堵する。


「私は一向に構いませんよ。
犬女さんのお洋服にも興味がありますし。
犬女さんグッズにどんなものがあるのか、
お店で見てみたいですわ。」


先日はキャラが少し壊れていて心配したが、
相変わらず真面目で、勉強熱心なお嬢様で、
純心は安心した。




次の日曜日に、二人で買い物に行く
約束をする純心とお嬢様。


曲りなりにも、
お嬢様と二人でお出かけするのだから、
初めてのデートと言えなくもない。
犬女ちゃんが一緒であるとはいえ。


純心は内心うきうきしながら、
日曜を心待ちにしていた。




*****




「あたしも行く!」
それを聞いた夏希は、
即そう言った。


「お前、土日は陸部だろ?
部活あると思って、
最初から誘わなかったんだぞ」


「ちょうどオフの日だから」


「陸部、最近オフ多くないか?
そんなんで大会大丈夫なのか?」


「今、学校のグランド改修中じゃん。
だから場所確保出来ないときは、
休みになっちゃうんだよね」


確かに春休みの間に終わるはずだった
グランドの改修は、雨が続いたりしために、
まだ改修中のままである。


別に夏希が一緒でも構わないのだが、
また変な方向にいかないか、
不安になる純心だった。




*****




おばあちゃんと犬女ちゃんが
二人で暮していたとき。


おばあちゃんは、
犬女ちゃんに可愛いお洋服を買ってあげるのが、
楽しみのひとつだった。


きっと、人間の女の子と同じように
おしゃれさせてあげたいとう気持ちもあっただろう。


可愛らしい服を着た犬女ちゃんが、
あまりに愛くるしいので、いつもおばちゃんは、
犬女ちゃんを抱きしめて、優しく頭を撫でてあげた。


犬女ちゃんはいつも、
可愛い、可愛い、といっぱい褒めてくれて、
抱きしめて優しく頭を撫でてくれるのが、
嬉しくて仕方なかった。


優しいおばあちゃんが、
大好きで、大好きで、仕方なかった。

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