犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんとウォシュレット

『ああ、
何か昨夜こいつが来てから
ろくなことがないな』


犬女ちゃんとの
共同生活の初日から、
おしっこと
うんちの後始末という、
犬すら飼った
ことのない純心には、
ハードなプレイの連続で、
すでに心が折れそうだった。


とりあえずは
ちゃんと家のトイレを
使ってもらえるように
ならなくてはならない。


毎日おしっこと
うんちの後始末に、
貴重な高校生活が
捧げられるのは、
なんとしても
避けなければならない
純心であった。




純心は犬女ちゃんに
家のトイレの使い方を
自演してみせた。
何度かやって見せた後、
「じゃぁ俺、
ちょっと、
そこのコンビニに
飯買いに行ってくるから、
練習しててな」
そう言って家を出る純心。




犬女ちゃんは、
純心を玄関まで見送ると、
頑張って純心の真似を
しようとする。
トイレのドアの前に座り、
尻尾を振る犬女ちゃん。


押し下げ式レバータイプの
取っ手に、手を掛ける。
そしてそのまま引くと、
トイレのドアを
開けることには成功した。
この家のトイレのドアが、
握って回転させるタイプの
円筒錠式ではなくて
犬女ちゃんには幸いだった。
握って回転させるタイプであれば、
指が使えない犬女ちゃんは、
この段階でリタイアしていた
かもしれない。


扉のドアを開けることに成功した
犬女ちゃんを次に待っていたのは、
トイレの便座ふたであった。


犬女ちゃんは顔や手を引っ掛けて、
なんとか便座ふたを開けた。
これもクリアできた。


便座の上に乗り、
いつもやっているように
手をひっかけて
パンツを下して、用を足した。
やった!出来た!
犬女ちゃんは喜んで尻尾を振った。


用を足した後は、
水を流すレバーを押し下げて、
排泄物を流す。
ここまでは完璧である。


次に純心の真似をして、
横にあったパネルの
ボタンを押すと、
熱い水が犬女ちゃんの
お尻の穴に直撃した。


ワンッ!!!


犬女ちゃんは
びっくりして飛び上がり、
とっさにトイレの扉に隠れて、
低い唸り声を上げて警戒した。


きっと何か変な生き物が
いるに違いない。
犬女ちゃんはそう思った。


扉の陰からおそるおそる
トイレの中を覗く。
しかしそこには何もない。


ゆっくりトイレの便器に近づき、
便器の中を覗き込む。
やはり何もない。


犬女ちゃんは、
再び横パネルのボタンを押し、
便座の中を覗き込む。


ノズルが出て来て、
犬女ちゃんの顔に、
熱い水を勢いよく噴き出す。
熱い水が顔面に
直撃する犬女ちゃん。


ワンッ!!!


再びびっくりして
飛び上がる犬女ちゃん。
トイレの扉に隠れて、
低い唸り声を上げて、警戒する。


なんか出て来たやつ、
あれが変な生き物に違いない。
犬女ちゃんはそう思って、
パネルのボタンを何度も押し、
ウォシュレットの
ノズルと戦い続けた。




純心が帰って来ると、
トイレの中にあった備品が、
すべて散らかされ、
床はびしょびしょに濡れていた。


犬女ちゃんも
ずぶ濡れであったが、
へし折った
ウォシュレットのノズルを
その可愛らしいお口に咥え、
満足そうな笑顔で、
尻尾を振っていた。


私頑張りましたよ、
頭撫でて褒めてください、
と言わんばかりのドヤ顔で
純心にすり寄ってくる犬女ちゃん。


純心はわなわな震える。
「この、馬鹿犬が!」


よく考えると、
おばあちゃんの家は、
昔ながらの和式であったため、
ウォシュレットはなかった。


犬女ちゃんのお尻を
毎回拭いてあげていたのであろう
おばあちゃんを
心から尊敬する純心であった。











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