おっさんが転生したら、寝取られた元嫁と寝取った間男の息子だった件

ウロノロムロ

母乳?ワイが飲むんか?プレイかなんかか?(困惑

中の人は
どうしようもないぐらいにおっさんなのだが、
見た目は生まれたばかりの
玉のような男の子、可愛らしい赤ちゃん、
それが今おっさんの置かれている状況だ。


まだ目もはっきり見ることが出来ず、
ようやく『まぶしい』『暗い』といった
明暗を認識出来る程度に過ぎない。




病院の保育室にあるベッドの上に
寝かされているおっさん赤ちゃん。


赤ちゃんのすることと言えば
母親のおっぱいを飲んで、
ただひたすら寝ること、これに尽きる。


寝ることに関してはまったく問題なかったが、
授乳に関してはおっさん的にいろいろ問題があった。


一般的には、
出産後すぐに母親が授乳するものと思われがちだが、
母親も子供を生んですぐに母乳が出るというわけでもなく、しばらくは病院で授乳の練習などをしてようやく赤ちゃんにおっぱいをあげることが出来るようになる。


その間、赤ちゃんは
哺乳瓶でミルクを飲むことになるのだが、
おっさんはこのミルクが気に入らなかった。




  あかんわ~
  なんやねん
  牛乳をお湯で薄めたようなもん
  飲ませようとしてからに


  ワイ、こう見えても
  前世では食通
  いわゆるグルメやったんやで
  こんな美味おいしくないもんよう飲めんわ


  あれやなぁ
  前世の記憶引継ぎオプションも考えもんやな


  哺乳瓶でミルク飲まされるとか
  大人の幼児プレイにしか思えんわ




大人なのに幼児だという
また随分とマニアックなプレイを
思い出しているおっさんだが、
前世ではそこそこの収入があり小金持ちでもあった。
それ故、食べる事に関しては、
割とお金をかけるほうでもあり
前世では食通、グルメを気取っていたりもした。


前世で好きなだけ美味しい物を食べ、
比較的贅沢な食生活を送っていた、
その舌の記憶が残っているおっさんにとっては
粉ミルクを飲むと言うのは確かにキツイことだろう。


とは言え、今はまだ思うように
体を動かせない赤ちゃんなのだから
お腹がすけば、出されたミルクを飲むしかなく
おっさんは不満たらたら。




  ホンマにはよう大人になりたいわ~
  なんでこんなところも
  バッチリ前世の記憶残ってんねん
  あのクソボケオカマジジイが!




すべてはみんなオネエゼウスのせい、
というスタンスは相変わらずだ。


-


そんな満たされない食生活を数日ほど送っていると、
ようやく授乳の練習を終えて
母乳が出るようになったおかあやんが、
おっさん赤ちゃんをその胸に抱き、語りかける。


「ほら、お待ちかねの
おかあちゃんのおっぱいやで……
あんた、ちゃんと飲むんやで」


おかあやんの言葉に目を白黒させるおっさん赤ちゃん。
白黒させると言うよりは、白と黒しか認識出来ないのだが。




  なんやて?


  おっぱい? 母乳?


  誰が飲むんや?


  もしかして、ワイが飲むんか?


  プレイかなんかか?




これほどまでに自分が赤ちゃんであるという
自覚に欠ける赤ちゃんがいるものだろうか。




呆然としているおっさん赤ちゃん、
しかし問答無用でその口に
おかあやんのおっぱいが突っ込まれる。


突然のことにびっくりしたおっさんだったが、
ようやく今は赤ちゃんだという自分の立場を理解して、
この後どう行動したらよいものか思い悩む。




  そらなぁ……
  前世やったら
  喜んでお嫁ちゃんのおっぱい
  チューチューしとるんやけどなぁ……


  ここもそれでええもんやろか……


  ……


  あかんがなっ!


  お腹痛めて苦労して生んだ赤ちゃんが
  エロエロモードでおっぱいチューチューしたら
  お嫁ちゃん、がっかりするがな!


  ここはあれやろ?
  赤ちゃんとして、毅然とした態度で
  おっぱいチューチューすることが望まれるんやろ?




赤ちゃんが毅然とした態度を
どう見せるのかはわからないが、
確かに生んだばかりの赤ちゃんが、
エロエロモードで
おっぱいチューチューしたりすれば
母親としては物凄く自己嫌悪に陥り、
落ち込むことは間違いないだろう。
出産早々我が子の将来が心配になるというものだ。




  ワイ、やるで!
  お嫁ちゃんのためにも
  赤ちゃんとして立派に母乳飲んでみせるで!




そう決意するおっさんだったが、
やはり純粋な赤ちゃんではないため、
どこか気恥ずかしく、遠慮がちになってしまう。




「この子、全然吸いよらへんけど、
もしかしたら、まだ吸うだけの力ないんかしら?」




そんなおっさんの戸惑いをよそに
おかあやんはおかあやんで、
違った理由で赤ちゃんのことを心配している。


自分が生んだばかりの赤ちゃんが
まさかこんなことを考えているだなんて
夢にも思うはずがないのでしょうがない。


-


「なんや、おっぱい張って
いとうなって来たわ……
この子があんま飲まんようなら、
搾乳さくにゅうしてお乳捨ててしまわなあかんね」




元お嫁ちゃんでもある
おかあやんの言葉を聞いて、
その搾乳している姿を思い浮かべるおっさん。


涙を浮かべながら、自分でお乳を搾乳して、
その有難いはずの母乳を流して捨てるおかあやんの姿を。


おっさんのイメージ、妄想であるので
なぜおかあやんが泣いているのかはわからないが、
確かに本来目的があってつくられたものが
その目的を果たせずに捨てられてしまうのは
どこかせつなく物悲しさを感じさせる。


もしくは乳牛が搾乳されて、
そのお乳が誰にも飲まれずに捨てられてしまう、
おっさん的にはそんなイメージなのかもしれない。


おっさんの脳裏には
『ドナドナ』がBGMとして流れはじめる。
売られて行く子牛はここではまったく関係ないのだが、
悲しい牛の歌と言うことで脳内再生されたのだろう。
そこまでガッツリ前世の記憶が残っていなくても
よさそうなものではあるが。




  あかんがなっ!


  お嫁ちゃんに、そんな悲しい、
  せつない思いさせられんがな!




  ワイ、飲むでっ!


  飲んで、飲んで、飲みまくってみせるで!
  一滴残らず飲み尽くしてみせるで!




お嫁ちゃんのおっぱいから出る
有難い母乳を残してなるものかと、
今度は勢いよくおっぱいを飲みはじめるおっさん。


吸う力の加減もわからないものだから、
今度は思いっきり力強くチューチュー吸ってみせる。




「あら、
調子良く飲みはじめたわ、
少し慣れて来たんやろか」




ようやく赤ちゃんがおっぱいを飲みはじめ、
赤ちゃんに問題があるわけではないことがわかって
安堵するおかあやん。
母親はいつでも子供のことが心配なのだ。


-


しばらくおかあやんのおっぱいを
ものすごい勢いでぐいぐい
ごくごく飲みまくるおっさん赤ちゃん




「なんや、今度は強すぎて
おっぱいとうなって来たわ」




おかあやんはまた独り言を呟くが、
おっさん赤ちゃんはそれを聞き逃さない。




  えぇぇぇぇぇ……


  あかんわ、
  おっぱい飲むん、
  いろいろと難し過ぎるわ


  普通の赤ちゃんて
  そんなにおっぱい飲むの上手なんか?


  弱過ぎず、強過ぎず、
  優しく丁寧におっぱい飲むんか?


  もしかしてあれか? あれなんか?
  テクニシャンかっ!?
  本当の赤ちゃんはテクニシャンなんか!?




知らない人に聞かれたら
勘違いされそうな発言だが、
そこはおっさんの脳内発言なので問題はない。


実際のところ、
普通の赤ちゃんもただ本能で
おっぱいを吸っているだけなので
吸う力が弱い子もいれば、
母親が痛くなるぐらい強く吸う子もいる。


前世の記憶が残っているために
単におっさんが意識し過ぎているだけだ。




おかあやんが授乳の練習をしいていたように、
おっさんも母乳を飲む練習をしていれば
よかったのかもしれないが、
生憎あいにく前世のおっさんに
そうしたマニアックなプレイの趣味はなかった。


今後、転生して赤ちゃんになった時のために、
前世で母乳を飲む練習をしておくのが、
紳士のたしなみとして流行はやるかもしれない。
まぁ単なる変態紳士の戯言ざれごととして扱われるだろうが。


-


そんな苦労の末ようやく
上手に母乳が飲めるようになったおっさん赤ちゃん、
最初に飲んでいた哺乳瓶のミルクよりは
お嫁ちゃんの母乳のほうが嬉しいのは間違いない。


「この子ったら、
哺乳瓶のミルクは飲みたがらずに、
母乳ばっかり飲みたがるんですよ」


おかあやんは、病院まで見舞いに来ていた
おとうやんにあたる男にその話をした。


「ハハハ、なんだ、
お前も随分とエロい奴だなぁ」


おっさん赤ちゃんに向かって、
笑いながらそう言うおとうやん。


まぁ普通に考えれば、
夫婦二人だけの時によくありがちな
シモネタギャグのようなものだが、
おっさん赤ちゃんからすれば
勘に触って、カチンと来ても仕方がない。




  ハァァァァァ…… !?
  コイツ、人の気もしらんと、
  何言うてくれとんねん!


  あかんわぁ
  ワイ、絶対コイツと仲良くなれんわ
  上手いことやっていける気がまったくせえへんわ




おっさんとおとうやんはどうも相性が悪いようで、
直感的におっさんはおとうやんのことを嫌っていた。
それもそのはずなのだが、おっさんにはまだ
それがなぜなのか分かってはいなかった。















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