史上最凶の通り魔、異世界に転移す
願いを叶える女神
七人の勇者、
その内最後の一人になった
勇者の願いを叶えるというのが
そもそものルールであるに関わらず、
その願いが叶うことはなかった。
この仕組みの元締めが神々であると言うならば、
間違いなく神々は約束を破ったことになる。
一方的な祈りや願掛けならいざ知らず、
ちゃんとした約束を反故にするなど
神々への信仰に疑問を持つ者が
いつ現れても不思議ではない。
そしてこれは
この世界に対する神の支配力を
髑髏が超えたということでもあり、
この世界の有り様を
根本から変えることにも繋がる
最悪の掟破りに他ならない。
事態を重く見た女神は、
このまま髑髏をここで倒し、
この件を闇に葬り去ることにする。
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最後の一人の勇者に
神々の力を与えた女神が
再びこの場に姿を現す。
「お前の神々を冒涜する発言の数々、
聞き捨てなりません」
「はんっ、知ったことか」
「かの者の手で
お前を倒せなかったと言うのなら、
私が代わりにお前を倒してみせましょう」
「魔法が通じぬと言うのなら、
我が聖なる力で
お前を消し去ってみせましょう」
女神はそう言うと、
空間から杖を現出させ、
聖なる光を髑髏に向け放った。
女神の聖なる力は
魔力キャンセラーで無効化出来るのか、
その真偽が問われる筈であったが。
それ以前に、聖なる光に反応した
怨霊の鎧にまとわり憑いている
悪霊のような闇のオーラがその光を喰らった。
「!」
女神にも何が起こっているのかわからない。
その隙に髑髏は間合いを詰める。
魔力キャンセラーを警戒して、
聖なる光で防御壁シールドを展開する女神だが、
このシールドも悪霊のような闇のオーラが
バリバリと喰らい尽くす。
そのまま女神すら喰らい尽くしそうな勢いで。
「な、なんなのですか、
この禍々しいオーラは」
この闇のオーラ、
髑髏に命を奪われた者たちの
怨念や怨霊であることは間違いないのだが、
恨まれているのが髑髏だけとは限らなかった。
『神に見捨てられた』
『神に見放された』
『神がお許しにならない』
『神が与えたもうた試練』
『神の逆鱗に触れた』
等々
神に対し嘆く言葉というのは
人間世界と同じく、
ここ異世界でも枚挙に暇がない。
神は大勢の人々から
信仰されているのと同じく
大勢の人からも恨まれているのだ。
タケシや髑髏のような奴に殺された
人々の無念は、
神はなぜこんな奴から
自分を救ってくださらなかったのか、
という恨みでもある。
それでもなお神に救いを求めるかのように、
女神の聖なる光にすがりつこうとする、
救済を求める怨霊の姿でもあった。
女神にまとわり憑く無数の闇のオーラ。
しかし髑髏はそんなことは一切関係なく、
ただいつものように拳を振るうのみ。
髑髏の拳が女神の体を貫くと
その傷口にまとわり憑き
体内へと侵入して行く闇のオーラ、
女神にとっては貫かれたこと以上に、
オーラにとり憑かれた方が
遥かに致命的であった。
回復が出来ない。
「な、なんとっ……」
聖なる力は、
聖なる者だからこそ使えるのであって
不浄の者に憑かれてしまった女神には
もう使うことは出来ない。
つまり女神は穢れてしまったのだ。
女神はそのまま絶命し
その場に血を流して倒れている。
光の粒子となって消えて行くこともない、
女神はもう女神ではないのかもしれない。
神々からすれば、髑髏が神を倒す方法を
見つけてしまったことの方が大問題であった。
神殺しの拳、怨霊の拳、
もしくは穢れの拳とでもいうべきか。
そしてこのことが、
神々と髑髏との遺恨となり、
この世界を滅ぼしかねない
神々との壮絶な大戦争へと繋がっていく。
その内最後の一人になった
勇者の願いを叶えるというのが
そもそものルールであるに関わらず、
その願いが叶うことはなかった。
この仕組みの元締めが神々であると言うならば、
間違いなく神々は約束を破ったことになる。
一方的な祈りや願掛けならいざ知らず、
ちゃんとした約束を反故にするなど
神々への信仰に疑問を持つ者が
いつ現れても不思議ではない。
そしてこれは
この世界に対する神の支配力を
髑髏が超えたということでもあり、
この世界の有り様を
根本から変えることにも繋がる
最悪の掟破りに他ならない。
事態を重く見た女神は、
このまま髑髏をここで倒し、
この件を闇に葬り去ることにする。
-
最後の一人の勇者に
神々の力を与えた女神が
再びこの場に姿を現す。
「お前の神々を冒涜する発言の数々、
聞き捨てなりません」
「はんっ、知ったことか」
「かの者の手で
お前を倒せなかったと言うのなら、
私が代わりにお前を倒してみせましょう」
「魔法が通じぬと言うのなら、
我が聖なる力で
お前を消し去ってみせましょう」
女神はそう言うと、
空間から杖を現出させ、
聖なる光を髑髏に向け放った。
女神の聖なる力は
魔力キャンセラーで無効化出来るのか、
その真偽が問われる筈であったが。
それ以前に、聖なる光に反応した
怨霊の鎧にまとわり憑いている
悪霊のような闇のオーラがその光を喰らった。
「!」
女神にも何が起こっているのかわからない。
その隙に髑髏は間合いを詰める。
魔力キャンセラーを警戒して、
聖なる光で防御壁シールドを展開する女神だが、
このシールドも悪霊のような闇のオーラが
バリバリと喰らい尽くす。
そのまま女神すら喰らい尽くしそうな勢いで。
「な、なんなのですか、
この禍々しいオーラは」
この闇のオーラ、
髑髏に命を奪われた者たちの
怨念や怨霊であることは間違いないのだが、
恨まれているのが髑髏だけとは限らなかった。
『神に見捨てられた』
『神に見放された』
『神がお許しにならない』
『神が与えたもうた試練』
『神の逆鱗に触れた』
等々
神に対し嘆く言葉というのは
人間世界と同じく、
ここ異世界でも枚挙に暇がない。
神は大勢の人々から
信仰されているのと同じく
大勢の人からも恨まれているのだ。
タケシや髑髏のような奴に殺された
人々の無念は、
神はなぜこんな奴から
自分を救ってくださらなかったのか、
という恨みでもある。
それでもなお神に救いを求めるかのように、
女神の聖なる光にすがりつこうとする、
救済を求める怨霊の姿でもあった。
女神にまとわり憑く無数の闇のオーラ。
しかし髑髏はそんなことは一切関係なく、
ただいつものように拳を振るうのみ。
髑髏の拳が女神の体を貫くと
その傷口にまとわり憑き
体内へと侵入して行く闇のオーラ、
女神にとっては貫かれたこと以上に、
オーラにとり憑かれた方が
遥かに致命的であった。
回復が出来ない。
「な、なんとっ……」
聖なる力は、
聖なる者だからこそ使えるのであって
不浄の者に憑かれてしまった女神には
もう使うことは出来ない。
つまり女神は穢れてしまったのだ。
女神はそのまま絶命し
その場に血を流して倒れている。
光の粒子となって消えて行くこともない、
女神はもう女神ではないのかもしれない。
神々からすれば、髑髏が神を倒す方法を
見つけてしまったことの方が大問題であった。
神殺しの拳、怨霊の拳、
もしくは穢れの拳とでもいうべきか。
そしてこのことが、
神々と髑髏との遺恨となり、
この世界を滅ぼしかねない
神々との壮絶な大戦争へと繋がっていく。
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