史上最凶の通り魔、異世界に転移す

ウロノロムロ

髑髏 VS 海上艦隊

海上に浮かぶ数十隻はあろうかという大艦隊。


まるで空を裂くかのように
猛スピードでその艦隊に突進して行く髑髏。


艦隊からは対空機銃が延々と続けられており、
艦砲射撃、対空ミサイルと息つく暇もない。


空を飛ぶ敵は地上から見たら
まとのようなものだと言われるが、
人型サイズで戦闘機並みのスピードで動き回る的には
中々当たるものではなかった。


そのためここでもやはり魔道士による
命中補正、威力補正の支援が行われているが、
機銃の弾程度であれば、
当たったところで跳ね返し、
傷を負っても再生能力で一瞬で髑髏は治癒する。


艦の真上まで辿り着くと髑髏は、
蝙蝠の羽根を螺旋式に体に巻き付け、
先が尖ったドリルのように形状をつくると、
回転しながら敵艦の真上から底までを
一気に貫通する。


どんな能力を持とうとも、
自らの拳で殴り、足で蹴る、
そのスタイルを崩さないタケシからすれば
不本意ではあったが、
船を沈めるとなれば穴を空けるのが一番早い。


魔神との戦闘では
多彩な攻撃などは全く見せないが、
それこそ数え切れない程の魔神や魔物を倒し、
その血を吸い敵の能力を
自分のものとして来た髑髏、
アンデッド軍団で使っような
トリッキーな能力もまた無数に有している。


何度か貫通して繰り返し穴を空けると、
艦はみるみる間に浸水していき、
髑髏はそのまま艦に舞い降り、
逃げようとする人々を次々と殴り倒していく。
あくまで皆殺しを目指す。




一隻目が沈むと、
再び先程の螺旋のドリルとなり、
隣の船、その艦橋へと突っ込んで行く。


一瞬で血塗れになる艦橋。
超硬質の鉄なようなドリルで
人間が削られたようなものだ。
その艦にも穴を開け、乗員を殴り倒すと、
また次の艦へと飛び移って行く。


他の艦の乗員達は
その悪魔のような所業を恐れをなし、
パニックを起こしかけ、
艦隊の間を低空で飛ぶ髑髏に艦砲射撃をはじめる。


そうなると当然同士討ちのようになり、
味方の攻撃に被弾して損傷を受け、
浸水する船も多数。


そんな人間を嘲笑うかのように、
空を舞い、船に着地しては人を襲う髑髏、
それは外見も相まってもはや本当の悪魔のよう。




次々と艦を撃沈し、最後の空母、
その甲板へと舞い降りる髑髏。
戦闘機の発着場にもなっている
その足下に向かって拳を振り下ろす。


まるで瓦割りでもするかのように、
いとも簡単に甲板に巨大な亀裂を入れ、
そこから崩落を起こし、大穴が開く。


その穴から内部に入ると、
今度は中から徹底的に破壊の限りを尽くす。


空母にも穴が空き、浸水をはじめると、
蝙蝠の羽根で宙に浮上する髑髏、
そこにはもう沈み行く船の姿しかない。


海上の艦隊は髑髏一人によって
全滅させられたのだった。











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