史上最凶の通り魔、異世界に転移す

ウロノロムロ

髑髏 VS 戦闘機

空に飛び上がった髑髏を追う航空戦力。


対地ミサイルの発射を終え、
機体が軽くなった戦闘機が
音速で髑髏を追撃する。


戦闘機から機銃が乱射され、
羽根付髑髏は左右に揺れながら、
これをかわす。


通常戦闘機同士であれば
背後の取り合いドッグファイトが
展開されるところではあるが、
相手は人型の改造魔神であり、
そんな常識などは全く通用しなかった。




音速の世界、
それは少しでも操縦を間違えれば
たちまち機体のバランスを崩し、
地上へと堕ちて行く。


それ程シビアな世界である筈なのに
今パイロットの目の前では
物理現象を全く無視したことが起こっている。


空を飛ぶ戦闘機、
そのコックピット、そのハッチの上に
背中に蝙蝠の羽根を生やした
髑髏どくろ姿の人が立っている。


パイロットは声を上げ喚くが、
髑髏はそのままハッチの上に跨り、
その拳でコックピットごと、
パイロットの顔面を潰す。


戦闘機から離れる髑髏スカル
羽根で空を飛び次の標的を探す。


戦闘機に開いた穴からは
パイロットの血が空に流れ、
バランスを失った機体は
きりもみしながら堕ちて行く。




正面の戦闘機から発射される
機銃の弾をかわし、
敵に向かって突っ込む髑髏。


超硬質化した髑髏の羽根が、
戦闘機の翼を一枚断ち切る。
そのままでも戦闘機は
間違いなく墜落する筈だが、
髑髏は容赦なくコックピットに蹴りを入れ、
中のパイロットを確実に殺す。


脱出などは決して許さぬ、
一人残らず生きては帰さぬという
タケシの強い意志なのだろうか。




蝙蝠の羽根で空を飛び、
次々と戦闘機に飛び移っては、
確実に中のパイロットを仕留めて行く髑髏。


それはもはや戦闘というよりは単純作業に近い。
しかし髑髏であるタケシはこうした
根気の要る、単純な殺戮作業を
寡黙にひたすら繰り返すことにかけては
天賦の才を持った男でもある。




対空ミサイルを積んだ
複数の戦闘機が海上の空母から離陸、
髑髏に向って来る対空ミサイル群。


戦闘機の複座には魔道士が乗っており、
命中精度補正、追尾補正の魔法を掛け、
髑髏を追い詰めようとする。


これをかわす髑髏、
正面から向って来る一基のミサイルを拳で打ち抜き、
芯管に衝撃が与えられミサイルは爆発、
爆風に巻き込まれた髑髏も少し後ろによろめく。


体勢を立て直すと、戦闘機に取り付き
正パイロットをコックピットごと蹴りで潰す。


複座にいて何も出来ず
ただ震えて殺されるのを待つだけの魔道士、
最後に見たのは髑髏の足の裏だった。




戦闘機が離陸する空母を見つけた髑髏、
これを殲滅するために海上の艦隊へと向かう。











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