史上最凶の通り魔、異世界に転移す

ウロノロムロ

銀髑髏 VS 赤髑髏

銀色の魔神・髑髏スカル
全く同じ姿をした真紅の魔神・髑髏スカル


魔王は有栖川博士の死後、
博士が残した記録やデータ、研究資料などから
魔神・髑髏スカルの二体目をつくらせていた。


タケシが魔王軍を裏切ったために、
究極の魔神を手に入れるという
魔王の野望を実現するには
二体目の魔神・髑髏スカルが必要となり、
魔神・蝙蝠バットが有栖川博士の研究室を
探っていたのもそのためである。


そしてその素体に選ばれたのが
タケシと宿縁がある鳴門なると伸介しんすけだった。


-


対峙する二人の魔神・髑髏スカル
初めて対する同タイプの相手に緊迫したムードが高まっていく。 


最初に仕掛けたのは赤の髑髏であった。 
その驚異的な瞬発力で相手の懐に一気に飛び込み、
高速で鉄拳の連打を繰り出す。 


これをすべて腕で払いのける銀の髑髏。


連打の直後、真横から赤い髑髏の蹴りが空を切り裂き飛んで来る。 


これも腕でブロックし受け止める銀の髑髏。


銀の髑髏はそのまま力を溜めて
赤い髑髏の胸元目がけ一気に鉄拳を繰り出す。 


蹴りで無防備になった赤い髑髏の胸元に
銀髑髏の鉄拳が直撃し、後方に吹き飛ぶ赤い髑髏。 


「どうやら力は俺の方が上みたいだな」


銀の髑髏は自らの拳を見つめ、
その能力差を改めて認識する。 


後方に吹き飛んだ赤い髑髏はそのまま空中で回転し着地。 


着地からすぐさまジャンプ、
空中で再び回転して、銀の髑髏にキックを放つ。 


その華麗なる空中殺法の前に、
銀の髑髏は反応しきれていない。 


上体を反らしかわすが赤い髑髏のキックが
銀の髑髏の胸元をかする。
体勢を崩し転げまわる銀の髑髏。 


「力だけではね、
お宅、ホント脳筋ゴリラだから」


立ち上がる銀の髑髏に
再び襲いかかる赤い髑髏。 


赤い髑髏にカウンターを決める銀の髑髏。 


二人の魔神・髑髏スカルによる
一進一退の攻防が繰り広げられる。 


銀の髑髏は力、赤の髑髏はスピードと
能力バランスや戦闘スタイルに差はあったが、
ほぼ対等の性能、力量も互角。
お互いに決定打がないまま手詰まりとなり
最後は防御することもかわすこともなく、
交互に拳を繰り出し、ただただ殴り合う。


-


よろめきながら歩きバイクに跨るタケシ。
その姿は人間に戻っていた。 


「あいつめっ、今度会った時はぶっ潰してやるっ」 


はじめて出会った自分と対等の力を持つ相手に
タケシはゾクゾクしていた。 


「ふっ、はははっ」


狂気に満ちた笑い声をあげるタケシ。


それは今迄処刑して来た改造魔神が相手では
全く感じられなかったような
興奮と刺激、高揚感であった。 




やはりよろめきながら歩くスーツの男。 


「やれやれ一体なんだって言うのよ。」 


「せっかく願いを叶えたっていうのに、
あんな奴に狙われたんじゃ、 
とてもじゃないけどこの先
平穏な生活は望めそうにないね」 









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