史上最凶の通り魔、異世界に転移す

ウロノロムロ

魔神・女王蜂(2)

そこへフロアの扉を蹴破り入ってくる一人の男。 
その蹴りの勢いのよさで扉は壊れ、外れて吹き飛ぶ。 
大きな音がしたにも関わらず、
その場の人間達は相変わらず淫猥なる行為に耽っている。 


「困りますっ!
ここは関係者以外立入禁止なんですっ!」 


そう言い男の侵入を止めようとする従者、
男はその従者の顔面に裏拳を一発打ち込む。 
従者は鼻血を出してその場に座り込み悶絶する。 


その男は周囲を一瞥し、主催者である女を睨みつける。 


「こんなくだらない遊びに興じているのか?」


「まるで女王様気取りだな?」 


その男は女の行動を鼻で笑う。 


「来たわね、裏切り者。
ここまでやって来るとはご苦労なことね。」


女は男を見下して言う。 


「あなたも一緒に遊んでいらしたら? 
せっかくここまで来たのだから」


「魔王軍の裏切り者、タケシ、いえ魔神・髑髏スカル


対峙する男と女。 


「ああ、俺と同じ
改造魔神であるお前達を狩る為なら、どこへでも行くさ。
魔神・女王蜂クインビー、お前を狩らせてもらう」 




女はナイトドレスの肩の結び目を解き、
ドレスをそのまま投げ捨てる。 
宙に舞うドレスに女の全身が隠れ、
ドレスが地に落ちた時、
そこに立っているのは魔神・女王蜂クインビーの姿。 


タケシもまた魔神化を果たし、
銀の髑髏となってこれを迎え撃つ。


女王蜂はフルーレを手に持ち、髑髏に対し身構える。 


「武器か? つまらんな」


「まぁいい、少しは遊んでやろう」 


髑髏は部屋の装飾品として置いてあったフルーレを手にする。 


女王蜂はフェンシングの姿勢に構え、
鋭い突きで猛攻をかける。 
女王蜂の猛攻をすべて軽くいなす髑髏。


「こんなもんか?」 


フルーレを交錯したまま力比べとなる女王蜂と髑髏。 
離れる瞬間、髑髏は容赦なく女王蜂の顔面に蹴りを入れる。 
後ずさる女王蜂。


「よっ、よくも私の美しい顔を足蹴にっ!!」 


「はんっ」


その言葉を鼻で笑う髑髏。 


間合いを一気に詰め、今度は髑髏の猛攻。 
髑髏の鉄拳が女王蜂を殴打、これを防御する女王蜂。 


そして髑髏の鉄拳が女王蜂の腹部を突き上げ、
女王蜂は唸り声を上げて床に沈み込む。 


髑髏は彼女が倒れることを許さず、
その手で女王蜂の体を鷲づかみにする。 
それは偶然にも女王蜂の胸部であった。 
髑髏は容赦なくつかんだその手で
女王蜂の乳房を引きちぎる。
悲鳴を上げて悶絶する女王蜂。 


「わっ、私の美しい体が、体がっ」


女王蜂の言動を髑髏は一笑する。 


「安心しろ、
お前はもうとっくに人間じゃあない、
とっくに美しくなんかないんだよ」
 

髑髏はそう言うと女王蜂の顔面を鷲づかみにし、 
そのままあらん限りに力を込めて
女王蜂の顔面を握りつぶす。 
地飛沫が飛び散り、周囲は凄絶な血の色で染められる。 


「処刑、完了」


血塗れになった髑髏はその場にしばし立ち尽くす。 
魔神・女王蜂クインビーの返り血をその身に吸収して、
髑髏はさらなる強さを手に入れる。


「ふっ、はははっ……」


髑髏の狂気の笑いが室内に響き渡るが、
理性を失い動物と化した人間達は
未だ快楽の夢の中を彷徨っている。


洋館から出てバイクにまたがるタケシ。 
エンジンを吹かしバイクを走らせ洋館を後にする。 









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