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史上最凶の通り魔、異世界に転移す

ウロノロムロ

史上稀に見る凶悪犯、タケシ

史上稀に見る凶悪な犯罪者、それが彼であった。 


殺人、暴行傷害、強盗、器物破損、公務執行妨害、
彼が犯した罪は数しれず、
それでも彼はまだ捕まることもなく、
今なお罪を重ね続けている。 


警察は必死で彼を追っていたが、
彼はそんな警察を嘲笑うかのように
手玉に取り逃げおおせていた。 
闘争本能の塊、狂暴性を剥き出しにし、
野生溢れる彼にとっては、
警察などは取るに足らない存在だったのかもしれない。 


彼の名前はタケシ(姓不明)、史上稀に見る凶悪犯。




爆音が鳴り響いている。
バイクに跨って何度もアクセルを空ぶかしさせている男、タケシ。


雄叫びを上げながら
猛スピードでバイクを飛ばし突っ込んで行く。 
彼が突っ込んで行くその先にあるのはⅩ県警察署。
タケシはバイクをさらに加速させると、
そのまま警察署入り口の窓ガラスを突き破り、
中へと突入する。
 

警察署の中をバイクで縦横無尽に走り回り、暴れ回る。 
タケシは薄ら笑いを浮かべる、
まるで楽しんでいるかのように。


逃げ惑う署員とタケシに銃を向ける警官。 
タケシはバイクの前輪を上げウイリーさせて、
銃を向ける警官達をその前輪で次々となぎ倒す。 


そのままバイクで階段を登り、
同じように署内の二階を荒らし回って行く。 


「ふっ、はははっ……」


嬉しそうに笑い声を漏らすタケシ。


しばらく警察所内を蹂躙した後、


「これは土産だっ」


タケシはそう言うと手榴弾の詮を抜き、
ワザとその場に落として行く。 


そしてバイクに乗ったまま
建物の二階の窓ガラスを突き破り、
二階からバイクで飛び降りるタケシ。
手榴弾が爆発して、煙と炎に包まれる警察署。
タケシはその警察署の光景を見て再び笑みを浮かべ、
バイクのスピードを上げてその場を去って行く。


-


サイレンを鳴らし十数台のパトカーが
タケシの乗るバイクを追走する。 
警察は非常線を張りタケシを追い詰めようとするが、
タケシはバイクのスピードを緩めることもせず、
喜々として自ら検問に突っ込んで行き、
これを難なく突破する。


インターチェンジに突入して、
高速道路に入り、反対車線を逆走しはじめるバイク。 
百キロを超えるスピードで正面から向かって来る車、
タケシはバイクを左右に振り、
これをすんでの所でかわし続ける。 


逆走するタケシのバイクに、
ハンドルを切り過ぎスピンしてガードに激突する車両。
さらに後続のタンクローター車がそこに突っ込み、
爆発を起こす。
辺り一面が火の海と化し、
追跡していた警察車両の行く手を遮る。


パトカーの追跡を振り切り、
バイクを飛ばし走り続けるタケシ。 













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