非人道的地球防衛軍とゾンビ兵

ウロノロムロ

チーム色道、救助隊



敵の侵攻は思いの他早くなっていた。


いや民間人の避難誘導に人員を割いたため、
敵軍への抗戦が手薄になってしまっているのだ。


このままでは次の防衛ラインに
民間人を誘導する以前に、
敵軍の進行速度に追いつかれ
民間人に被害が出るのは間違いなかった。


しかし天野は民間人の避難誘導を
放棄する訳にはいかなかった。


防衛軍の爆撃によって、
この世界の民間人が巻き込まれて死ぬ。


それではあまりにも業が深過ぎる。




『チーム色道』の女衆。
若い娘が顔を真っ赤にし、
ホントパンツからすらりと伸びた
生足の太ももを擦り合わせ、
もぞもぞしている。


「姐さん、
あたしもう我慢出来ないんです」


「体が、火照って、火照って、
仕方なんです」


彩は冷静にその娘の様を見つめる。


「若いうちにはよくあることさね。」


「だから、お願いです、
もう、いかせてください」


「我慢出来ないんです!」


「そんなにいきたいのか?」


「はい」
「もう限界なんです」


「仕方ない娘だねぇ」
「じゃぁ、あたしが、いかせてあげるよ」


「あ、ありがとうございます」
「あたしも!」
「あたしだって!」


女衆みなが声をあげると、
敵に向かって一斉射撃をはじめる。
救援活動が任務なのにである。


「あんた達みんなでなにやってんだい!」


ここまで抑えに抑えていた
欲求不満が一気に爆発したのか、
みな恍惚した表情で銃を乱射しまくる。


「全員で機関銃乱射してんじゃないよ!」
「あぁ、もう
どいつもこいつも仕方ないやつらだね」


敵に応戦しながら、避難誘導するしかない
切迫した状況にまで
追い込まれているのも確かだ。


「あんた達、こっちが
避難民誘導するまでの援護射撃だからね」


「牽制するだけなんだから、
突っ込み過ぎるんじゃないよ!」




ビルの陰から突如として伸びて来る触手。


民間人が一人触手に捕まり、
ビルの陰に引きずり込まれる。


そしてビルの陰からくねくねと
動きながら姿を見せる巨大タコ。 


その姿を見た彩姐さんは険しい顔をする。


「タコに蹂躙されるなんて、
笑えない冗談だね。」


どんな状況でも自分達のノリを貫く女衆。


「エロい浮世絵みたいじゃないですか」
「タコに蹂躙されるの
想像しちゃったよ、あたし」
「ないわぁ」
「引くわぁ」
「ありかも」
「あーん、カミングアウト!」


「あんた達いつも下ネタばっかりだね、
さすがに品がないよ」


「あたい達はお色気部隊ですからね、
姐さんの言う任務に忠実ってやつですよ!」


「もう好きにおし!」


巨大タコに向かい機関銃を乱射する女衆。
しかし巨大な軟体生物、
敵特有の体表緩衝作用で効果は薄い。


「あんた達、特殊銃弾使うか、
レーザー光線で焼き切りな!」


「でも、この機関銃特有の振動が」


「いつまでも
馬鹿なこと言ってんじゃないよ!
死にたいのかい!」


彩姐さんの苦労も絶えない。











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