【胸糞注意】なテロリスト勇者、異世界を蹂躙す

ウロノロムロ

魔王軍残党殲滅

勇者は魔王軍の残党を
どうするか思案していた。


このままにしておけば遺恨が残り、
新しい魔王が生まれる可能性もある。


それこそ残党が東側大陸の人間達に
テロ行為を仕掛けて来ることも
有り得ないことではない。


せっかく出来た新しい国、
その脅威となるような存在は
放ってはおけない。


やはりここは全員
死んでもうらうしかない。


元この世界の人間であったとは言え
今やすっかり魔族で
元の人間に戻すすべはないし、
人間であった頃の記憶を
持っている者もいなくなった。


神々の思い通りになるのは少々しゃくだが、
とりあえずはそれが一番いいだろう。




とは言え、魔王を、トップを倒し
この不毛を戦いを終わらせたのだから、
今更残党狩りのような真似はしたくない。


ここは一気に死んでもらうのが望ましい。


勇者はかねてより考えていた案を
実行に移す。


-


まず勇者はさらに大量に
イヴァンとフロリアの複製をつくり出す。


今回の件が東側大陸に何日の間、
影響を及ぼすか分からないため
万全な準備が必要ではあった。


いよいよ作戦決行という時、
勇者は彼女達のクローン群に
東側大陸全域をすっぽり覆う
シールドを展開させる。


それは勇者クローンが
ワイヤレスインフラ・ライフラインの
生体ユニットとなったように
シールドを展開するための
生体ユニットと言ってもよかった。




空を覆い隠す巨大な金属の球体、
それは西側大陸にほぼ等しい大きさ
かつ超重量を持って、
空からゆっくりと静かに
西側大陸へと落ちて行く。


それは勇者がクリエイト能力で
現出させた超巨大な金属球であり、
以前考えたことを勇者は実行したのだ。


勢いよく落下させると
超巨大隕石が落ちるのと同様に
落ちた際の粉塵で太陽光が遮られ
人が住めない気候になる恐れがあったため、
それは慎重に押し潰された。


西側大陸にどれ程の魔族が、
生命が残っていたかは分からないが
逃げ場もなく等しく
死んで行くことになろうだろう。


向こうにいる者からすれば、
まるで空が落ちて来たようなものだ。


-


西側の大陸は
金属球の重量に耐えられず、
地盤を崩し沈んで行く。


西側大陸がすべて海水に
埋没したところで
巨大な金属球は勇者により消される、
それ程深く沈んではいない。


それでも地震と津波が起こり
海面は上昇したが、
それが収まるまでは東大陸全体に
シールドを張り続けることになる。


海水上昇については
勇者のクローン部隊が
元の水位に戻るまで
転移消滅を続けて
水面を下げて行く。


これで魔王軍の残党は
西側の大陸ごと海に沈められ
一掃されたことになる。


-


これでようやく
勇者の戦いは終わった。


大陸を二つの割り
その半分を海に沈め、
環境を汚染、破壊し、
この異世界を全く別物につくり変え、
クローンを量産し命を弄び、
大量の人間を拉致し、
この異世界で蹂躙の限りを尽くす。


それを勝利と呼んでもいいのなら
勇者は間違いなく勝利した。











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