【胸糞注意】なテロリスト勇者、異世界を蹂躙す

ウロノロムロ

拉致された人々

ビル群からこの異世界に
拉致されて来た大量の人々が
その後どうなったかと言うと。


最初は不平不満で
暴動こそ起きかねない勢いであったが、
その後次第に順応しはじめて行く。




中でも独身男性は真っ先に
勇者の籠絡ろうらくに取り込まれていた。


ダークエルフ・ストヤの複製、
魔道士イヴァンの複製、
聖女フロリアの複製、
サキュバス『ビッチーズ』の複製、
彼女達を転移に伴う
ハーレム特典として付けてやったら
即効で文句を言わなくなったのだ。


どれも絶世の美女に間違いはないから
そんなハーレムが体験出来るなど
独身男性からしたら
天国みたいな話であろう。


後はお好みの種族の女性が居たら、
いつでも複製をつくってもらえたし、
敢えて本人に直接アタックして
恋愛を楽しむ者もいた。


やはり人気なのはエルフや亜人であったが、
中にはリザードマンに行く猛者もおり、
そうして人々は『ある意味勇者』
『違った意味で勇者』と称される。




よく考えると、勇者の自分にも
そんなハーレム特典はなかったというのに、
何でそんなに
好待遇にしてやらなくてはならないのか、
今度は勇者が不満を漏らしてはいたが。


まぁ独身男性は、色仕掛けで
簡単に篭絡されてしまった訳だ。


-


そうなると独身女性からも文句は出る。


独身の男ばかりずるいとか、
そんな色仕掛けで騙されるなんて
やっぱり男って馬鹿よね、
とか当然そういう話になる。


こちらには
ストヤ、イヴァン、フロリアを
男体化した複製、
後はイケメンインキュバスの複製、
逆ハーレム特典として
これらを付けてやったら
こちらも即効で静かになった。


絶世の美女が男になったのだから、
それはもうこちらも超絶美男子であり、
インキュバスの催淫効果も手伝い
エライことになっている。


やはり若者には色恋ということだろうか。


ここでもやはり
勇者の複製がハズレ扱いされているので、
勇者は不満を漏らすことになる。


-


急激に人が増え分の
食料問題はどうしたかと言うと。


勇者のコピーが複数
専任の食料配給係として配置され
転移強奪でいつでも好きな時に
好きな物を食べることが出来た。


食料係専任のコピー勇者は
もはや食品の自動販売機のようなもの。


いやこの場合、販売はしていないので、
自動供給機が正しいことになるのか。


無料ただでいくらでも
好きな物が食べられて、
拉致されて来た人々も大満足ではあったが、
ここでの無料ただというのは
転移強奪で人間世界から
強奪して来ているだけなので、
厳密に言うとそれこそもの凄く遠回しに
無銭飲食していることになるのだが
そこは知らない方がいいだろう。




ちなみに勇者はこれまで
毎日何を食べて来たかと言うと、
コンビニ弁当を転移強奪して
一人で食べていた。


容器はもちろんその辺にポイ捨てして
環境破壊の一環として来た。


しかも気を遣って
廃棄寸前の弁当を狙って
転移強奪していたというのに、
贅沢にも程があると
ここでもやはり勇者は不満を漏らす。


拉致して来た加害者が
拉致された被害者に
何故文句を言っているのかは
よくわからない。




当然これは
人々の胃袋を掴み、色仕掛けで迫る、
という勇者の作戦でもあり、
食欲と性欲をふんだんに満たさせて
文句を言わさせないという目的は
ある程度成功していた。











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