【胸糞注意】なテロリスト勇者、異世界を蹂躙す

ウロノロムロ

勇者と遺伝子操作

自分の分身を
バラバラ死体にすることに
怖気づいた勇者は、
新しい能力をつくって
分子レベルで分解し
バラバラにすることにする。


血が流れない、
ポリゴンや粒子みたいな方向性で。


この勇者、外道で非人道的な
大量虐殺などを平気で行う割りには
意外とグロに弱い。


分割された体のパーツが
形成されて行く経過は
やはり不気味なものでしかなく、
突然腕に目が出て来るなど
プロセスもよくわからないのが
余計にホラー感満載でもあった。


-


今勇者のクローンには魂がないが、
将来自我が目覚めるようなことになれば、
この世界の人間として
生きて行ってもらうことになる。


勇者的にはその方が
人口問題も解決出来て
ラッキーではあるのだが、
もしそうなった場合、
クローンが全員男というのは
いかがなものであろうか。


今はまだ子供である少女が
大人になった時、
超モテモテなのは間違いないだろう。


いやそんなことよりも、人口における
年代構成比の問題が解決されたとしても、
男女構成比の問題で
やはり絶滅してしまうではないか。


そもそも
勇者と同じ姿形のクローンが
この世界の人間の大半というのは
どうなのであろうか、
ということは置いておくにしても、
種の存続ということを考えても
なんとか女性のクローンも
つくり出したいところではある。




『遺伝子操作、か』


次に勇者はクローンの遺伝子を
操作出来る能力をつくり、
女型のクローンを
誕生させることに成功した。


これが出来るのであれば
もはや何でもあり、やりたい放題。


血が濃い者同士、
遺伝子が近い者同士で
子供をつくると
問題が生じやすいと
聞いたことがある勇者は
適度に各個体の遺伝子を変えておく。


そしてもしクローンが
万一造反、暴走した時のために
自分の能力より
少し劣化した能力値に設定し直す。


『俺のクローンだからな、
どうせその内増長すんだろ』


勇者も増長している
という自覚はあるらしい。


ただこの後に
大陸を二分するという
壮大な土木工事の
人員となってもらう必要があるため、
空中浮遊能力と転移系能力は
付けておかなくてはならなかった。




もはやそれは神をも
冒涜しかねない行為。


主は自分の姿に似せて人をつくった、
と言う言葉があるが、
いくら何でも似せ過ぎてはないか。


勇者のクローンなのだから
当然ではあるのだが、
遺伝子操作まで能力で行い、
まるで自分が創造主にでも
なったつもりなのだろうか。


-


試行錯誤を繰り返し、
それなりにクローン量産体制が
出来上がって来た時、
ここでようやくはじめて
勇者は気づく。


『あ、これ、最初から
俺を複製コピーする能力
つくればよかった奴だ』


まぁ、痛みと失敗は
こうした研究開発には付き物である。


こうして勇者は
自由自在に操れる自分の分身、
クローン部隊を手に入れる。











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