【胸糞注意】なテロリスト勇者、異世界を蹂躙す
勇者とサキュバス
ゆるくて手頃な馬鹿サキュバス、
彼女自身の命を人質に取り
脅迫して思い通りに使役する勇者。
とても勇者の行動とは思えないが、
これでも勇者ということになっている。
とりあえず勇者は
捕らえたサキュバスを
『ビッチちゃん』を略した
『ビッちゃん』と呼ぶことにした。
もうちょっとマシな呼び名にしろと
当のサキュバスは怒っていたが。
秩序ある、規律正しい魔王軍が
勇者は余程気に入らないのか、
まず手始めに簡単な
魔王軍内部のトラブルから
着手することにする。
例えば、他者の物を盗む、
時間を守らない、順番を守らない、
上官の言うことに嫌な顔をするなど、
ほとんど中高生の反抗期レベルであったが、
それでも魔王軍では
風紀の乱れとして問題視された。
風紀の乱れを問う魔王軍とは
一体どんな魔の者達であるのか、
禍々しさが足りないのではないかと
少々心配になる。
-
サキュバスが魅了や誘惑で
他者を操る所を見ていた勇者だが、
自分も催眠能力などをつくって
魔王軍内部の者を
操ってみようかとも思いはじめる。
ビーストに続き
ドラゴンも使役出来たのだから
魔族を操ることが出来ても
不思議ではない。
だが、そこはやはり催眠とは
要領が違うものであろうから、
ビーストマスター、ドラゴンマスターと
同じ効果であってはならない。
気をつけないと
人型魔族が甘えて擦り寄って来てしまい
熱いボーイズラブみたいなことに
なりかねない。
-
次に勇者は
ビッちゃんを使って魔王軍の兵を操り、
魔王や他者の悪口を言わせたり、
陰口を叩かせたり、罵り合わせたり、
常に不平不満を口に出させたりした。
こちらに至っては
小学生レベルに聞こえるが、
負の連鎖、マイナススパイラルと言うのは
案外こういうところから
はじまったりするものでもある。
ビッちゃんが働いた甲斐もあり、
魔王軍の中で少しずつ悪い雰囲気が
醸成されて行く。
次第に口論や揉め事、喧嘩など
トラブルが相次ぎはじめる。
それらすべてをビッちゃんが
仕掛けたということではなく。
こういうことは
やはり伝播して行くものなのだ。
魔がさす、魔に魅入られる、
と言う言葉があるが、
魔に魅入られた魔王軍、
それはむしろ正常なのではないか
という気がしないでもない。
ともかく、そうした空気の中でようやく
勇者が暗躍する出番があるというもの。
-
そんなある日、
ビッちゃんを捕まえた場所で
勇者が成果報告を受けていると、
何やらゾロゾロと女達が大勢やって来る。
その露出狂のような容姿から
サキュバスであることは明白。
ビッちゃんが体内に爆弾を仕掛けられ
脅されて扱き使われていることを知った
仲間のサキュバス達が、
雁首揃えて勇者に
文句を言いに来たのだった。
「なんてヤローだっ、
それが勇者のやり口かっ!?
ビッちゃんをどうする気だっ!」
「そんなことするなんて、
信じられないー!
ビッちゃん、可哀想っ!」
「ビッちゃんを
もう許してあげてっ!」
ビッちゃん呼びが
すっかり仲間にも浸透していて
本人も案外満更でもないのではと思わせる。
『いやむしろ気に入ってるだろ、これ』
「で、ワザワザ、爆弾仕掛けられに
大勢で押し掛けて来るとか、
お前等、なに? 全員ドMなの?」
勇者の転移贈答にはほぼ制限がない、
その時数分視認さえ出来ていれば
どんな状態でも相手の体内に
爆弾を埋め込むことが出来る。
という訳で
勇者が使役するサキュバスが
また増えてしまったのだった。
彼女自身の命を人質に取り
脅迫して思い通りに使役する勇者。
とても勇者の行動とは思えないが、
これでも勇者ということになっている。
とりあえず勇者は
捕らえたサキュバスを
『ビッチちゃん』を略した
『ビッちゃん』と呼ぶことにした。
もうちょっとマシな呼び名にしろと
当のサキュバスは怒っていたが。
秩序ある、規律正しい魔王軍が
勇者は余程気に入らないのか、
まず手始めに簡単な
魔王軍内部のトラブルから
着手することにする。
例えば、他者の物を盗む、
時間を守らない、順番を守らない、
上官の言うことに嫌な顔をするなど、
ほとんど中高生の反抗期レベルであったが、
それでも魔王軍では
風紀の乱れとして問題視された。
風紀の乱れを問う魔王軍とは
一体どんな魔の者達であるのか、
禍々しさが足りないのではないかと
少々心配になる。
-
サキュバスが魅了や誘惑で
他者を操る所を見ていた勇者だが、
自分も催眠能力などをつくって
魔王軍内部の者を
操ってみようかとも思いはじめる。
ビーストに続き
ドラゴンも使役出来たのだから
魔族を操ることが出来ても
不思議ではない。
だが、そこはやはり催眠とは
要領が違うものであろうから、
ビーストマスター、ドラゴンマスターと
同じ効果であってはならない。
気をつけないと
人型魔族が甘えて擦り寄って来てしまい
熱いボーイズラブみたいなことに
なりかねない。
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次に勇者は
ビッちゃんを使って魔王軍の兵を操り、
魔王や他者の悪口を言わせたり、
陰口を叩かせたり、罵り合わせたり、
常に不平不満を口に出させたりした。
こちらに至っては
小学生レベルに聞こえるが、
負の連鎖、マイナススパイラルと言うのは
案外こういうところから
はじまったりするものでもある。
ビッちゃんが働いた甲斐もあり、
魔王軍の中で少しずつ悪い雰囲気が
醸成されて行く。
次第に口論や揉め事、喧嘩など
トラブルが相次ぎはじめる。
それらすべてをビッちゃんが
仕掛けたということではなく。
こういうことは
やはり伝播して行くものなのだ。
魔がさす、魔に魅入られる、
と言う言葉があるが、
魔に魅入られた魔王軍、
それはむしろ正常なのではないか
という気がしないでもない。
ともかく、そうした空気の中でようやく
勇者が暗躍する出番があるというもの。
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そんなある日、
ビッちゃんを捕まえた場所で
勇者が成果報告を受けていると、
何やらゾロゾロと女達が大勢やって来る。
その露出狂のような容姿から
サキュバスであることは明白。
ビッちゃんが体内に爆弾を仕掛けられ
脅されて扱き使われていることを知った
仲間のサキュバス達が、
雁首揃えて勇者に
文句を言いに来たのだった。
「なんてヤローだっ、
それが勇者のやり口かっ!?
ビッちゃんをどうする気だっ!」
「そんなことするなんて、
信じられないー!
ビッちゃん、可哀想っ!」
「ビッちゃんを
もう許してあげてっ!」
ビッちゃん呼びが
すっかり仲間にも浸透していて
本人も案外満更でもないのではと思わせる。
『いやむしろ気に入ってるだろ、これ』
「で、ワザワザ、爆弾仕掛けられに
大勢で押し掛けて来るとか、
お前等、なに? 全員ドMなの?」
勇者の転移贈答にはほぼ制限がない、
その時数分視認さえ出来ていれば
どんな状態でも相手の体内に
爆弾を埋め込むことが出来る。
という訳で
勇者が使役するサキュバスが
また増えてしまったのだった。
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