【胸糞注意】なテロリスト勇者、異世界を蹂躙す

ウロノロムロ

着衣強奪

「ちょっと、
いいこと思い付いたかも」


三代目ダークナイトを
空から落として倒した勇者は、
また悪知恵を働かせて
ロクでもないことを思い付いた様子。


「まぁ、せっかく彼も
俺の前に現れて来てくれたことだし」


そのためには、
倒したダークナイトの鎧を着て
ダークナイトに成りすます
必要があるのだが。


『まさかこいつ等の死体から
二回も着てる物
剥ぐことになるとは
思ってなかったわ』


まじまじと倒れている
ダークナイトを見る勇者。


「やべぇ、これグロ死体じゃん」


『なんでよりによって、
あんな殺し方したかなぁ
十分前の自分を殴ってやりたい』


おそるおそる
近づいてはみたものの。


「ちょっとこれ触って
着てるもん剥ぐとか、
無理だわ、これ」


困っ時はすぐ能力に頼る。


『とりあえず、
着てるもんだけ剥いで
強奪する能力とかつくるか』


他に使う機会があるのか
よくわからない能力だが
とりあえずつくる。


「その名も名付けて
着衣強奪ちゃくいごうだつ』?」


『やべぇじゃん、着衣強奪とか
絶対変態だと思われる奴じゃん


女の着けてる下着とか
強奪する系の技じゃん


女物の下着盗むコソ泥的な?


俺の能力リスト
人に見せることあったら
絶対死ぬ程恥ずい奴じゃん』




「いやこれ、中が血塗れじゃん」


それは当然そうなる。


『とりあえず
綺麗にする能力つくるか』


『鎧凹んでるし、
ついでに直す能力もつくるか』


こうやって次から次へと
しょうもない能力を
つくりまくってしまう勇者。


本人も覚えていないような
この手のしょうもない能力は
もう無数と言える程ある。


-


ダークナイトの鎧を着て成りすまし
ドラゴンの巣窟へと入って行く勇者。


山の岩肌、その至る所に
ドラゴンがウジャウジャといる。


サイズも数メートルから
数十メートル級までと幅が広い。


『迫力とかはあるんだけど、
なんか某ワニ園思い出すわぁ、
やっぱり爬虫類てことなんかね』


ドラゴンマスターの能力を使うと、
そのドラゴン達が
擦り寄って甘えて来る。


そもそもドラゴンマスターというのが
どうやって
ドラゴンを使役しているのか知らないで
イメージでつくっているので
ついつい効果が
強くなってしまうのかもしれない。


「いや、ちょっと、それは待とう」


『魔獣は気にならなかったけど、
これはなんかいろいろキツイわ』


『俺、爬虫類
そんな得意じゃなかったわ』


あんまり好きではない相手に
めっちゃ好かれて甘えられるという
なかなかしんどい能力となってしまった
ドラゴンマスター。


そうも言ってはいられないので、
そこは仕事と割り切って
とりあえず先程思いついた作戦を
試してみることにする。
仕事ではないとは思うが。


ダークナイトに成りすました勇者が、
飛行能力で空に飛び立つと、
数十匹のドラゴンが
その後をついて行く。











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