【胸糞注意】な勇者請負人、そして神々、時々ドラゴン

ウロノロムロ

異世界からの誘い

一方、三組の三ケ崎君。


異世界メッセージに
うっかり返信してしまい、
車に轢かれるのが怖くて
学校を休んで
家に籠もっていると
学校ではもっぱら噂されていたが、
実際その通りであった。




夜中にLINEに届いたメッセージ、
異世界からの勇者募集に
夜特有の妙なテンションで
応募してしまったものの、
朝起きて改めて冷静になって考えると
異世界に行くなんて
とんでもないことに気づく。


高校生ぐらいの学生が、
親も家族も友達も捨て
全く違った環境で
一人で暮らして行くなど
どう考えても大変だし、
彼は現在の環境にそこまで
辟易としている訳でもなかった。


三ケ崎君はそのまま
バックレることを決意する。




しかし不安で仕方がないので、
スマホで異世界メッセージのことを
調べてみると、返信した者は必ず
数日以内に車に轢かれて死ぬと言う。


青ざめる三ケ崎君、
外に出なければ
車に轢かれることないだろうと
それからずっと家に籠り切っり。


部屋の鍵を閉め、
一切部屋から出ようともしない。


当然親や大人に相談しても
頭がおかしくなったと
思われるだけだろうから、
話してもいない。


両親は息子が
突然引きこもりになったと、
オロオロするばかり。


異世界の神々の仕業で
高校生が一人
引きこもりになったというのは
どうにも妙な話でもある。




部屋に閉じ籠り
膝を抱え震える三ケ崎君、
外に出たら死ぬ、
その恐怖の感情に支配されたまま
数日を過ごすと
それはもはやノイローゼのような状態。


部屋の窓は
カーテンを閉め切りにしていたが、
その隙間から
誰かが覗いているのではないか
気になって仕方がなく、
何度もカーテンに
隙間が出来ないように閉め直す。


背後に誰かが居るような
背中にそんなゾワゾワする気配を
感じると思い過ごして、
部屋の壁に
背中をぴったりと付けて過ごす。


このまま行くとその内
幻聴が聴こえ出すだろう、
それぐらいまでに追い込まれていた。


-


ここ数日
ロクに寝ていなかった三ケ崎君、
壁に背を付け膝を抱えて
丸まって居ると、
ウトウト居眠りをしはじめる。


すると壁の中から徐々に
骨の手が出て来て彼の顔に触れる。


「うわぁぁぁぁぁぁっ!」


そこで三ケ崎君は目を醒ます。


『な、なんだ、夢か……』




眠気覚ましに
熱いお風呂にでも入ろうと考え、
数日ぶりに部屋から出て
お風呂に入ったのだが、
そこでもやはり居眠りをしてしまう。


するとやはり湯船の中から
骨の手が出て来て彼の顔に触れる。


「うわぁぁぁぁぁぁっ!」


そこでやはり三ケ崎君は目を醒ます。


『さ、さっきと、同じ夢……』




これでは彼は眠ることも出来ない、
異世界の神々は彼を寝かせないで
このまま衰弱死させて
異世界に召喚するつもりなのか?


-


慌てて震えながら
風呂を出て着替え
自分の部屋に戻る三ケ崎君。


だが自分の部屋のドアを開けると、
そこには大きな人影が立っていた。


「うわぁぁぁぁぁぁっ!」


その人影は全身真っ黒な衣装の中から
髑髏の顔だけを露わにしている。


黒いローブにフードを被り
髑髏の顔を覗かせている、
手には大鎌を持つ、
人が思う死神の姿そのまま。


「うわぁぁぁぁぁぁっ!」


三ケ崎君は何度も叫びながら、
その場から逃げ出す。


死神もまた彼の後を追って行く、
しかし手にする大鎌は
全く振り回さない。


死神に追い掛けられ
行き場がなくなり
家の玄関のドアを
飛び出した三ケ崎君は、
家の前を通りかかった
トラックに轢かれる。


死神はその様子を
立ち尽くして
じっと見ているだけ。


『ワイもなぁ、
これでも『神』が付く関係者だから
断り切れなくてやってるけど、
こういうやり方は
正直どうかと思うわ』


死神にすら批判されてしまう
神々のやり口。


『そこまでトラックに轢かれることに
こだわらんでもいいと思うんやけどなぁ』











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