【胸糞注意】な勇者請負人、そして神々、時々ドラゴン

ウロノロムロ

転移キャンペーン

異世界からのメッセージを見て、
ついつい勇者に憧れるあまり、
異世界の勇者募集に
応募してしまった
五組の五十嵐君、
彼がその後どうなったか
という話なのだが。




その前に冷静に考えてみて、
本当に不幸なことに
交通事故で跳ねられた人が死亡して
転生なり転移で異世界に行く、
これは問題ないだろう、
死んだ後のことなので。


しかし、
まだ生きている人間に
勇者募集を掛けて、
現世での生を終わらせてまで
異世界に連れ込むと言うのは
完全にアウトなのではないだろうか。


悪霊が現世の人間を
死者の世界に連れ去るというのと
やってることが変わらない。


仮に、死なせないで
生きたまま転移で
異世界に連れて来たとして、
今度はそれって拉致ではないのか
という疑問が生じて来る。


そう考えると
この首謀者である神の関係者って
実はすごくヤバい人達ではないか
と思えて来る、人ではないが。


だが昔からこの手のことは
『神に召された』
という言葉が残っているぐらには
神もよくやっていた。


この中に出て来る神は、
そんなやらかしも多く、
よく勇者請負人の勇者が
後始末をさせられるぐらいなのである。


-


五十嵐君を担当する
転移エージェントは、
無茶苦茶ダンディな『ゼウス』、
その大人の魅力全開の
セクシーな声色と物腰は
女性にモテること間違いなし。


ここ転移の間では、
各担当の好みで内装が違うのだが、
今回はお洒落な
バーのラウンジのようになっており
照明も柔らかく落ち着いている。


こんな所に学生が来たら
一気に雰囲気に
呑み込まれてしまうだろう。


「いやぁ、
本当によく応募してくれたよねぇ、
うん、ありがとう」


手を出して握手を求めるゼウス、
やはりダンディな男はやることが違う、
五十嵐君も照れ気味に
これに応じている。


「綺麗な転移の女神の方が
よかったと思うんだけど、
応募の場合は
僕達が担当することになっていてね、
うん、ごめんね」


「あ、いえ、そんな……」


「女の子とかさ、
やっぱり興味あるでしょ?」


「えぇ、まぁ」


「そうだよね、
そういう年頃だもんね」


「お詫びに一杯、
サービスオプション付けちゃう、
うん、許して」




「五十嵐君、君、ホント、ラッキー、
うん、おめでとう」


「今ね、転移キャンペーンやってるから、
どんな望みも君の思うまま、


チート能力で俺TUEEE!とか、
ハーレムで美女と
キャッキャウウフしまくるとか、
全部君の望み通り、
うん、おめでとう」


「今ならキャンペーン特典として
チートスキル付け放題、
最強武器・防具選び放題、
知り合った美女全員が
ハーレムメンバーになる
ハーレム確約も付いてくる、
うん、おめでとう」


どこまで本当か
かなり胡散臭くはあるが、
とりあえず五十嵐君はこうして
新たな勇者として
異世界に転移することになる。











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